カテゴリー: 練習日記

  • 瞬発力と爆発力と響き

    【令和7年1月4日(土)】
     明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
     年末から年始にかけて、曜日の関係で土曜日が年末年始休業からハズレていて、「空」の練習は休みなく行うことができました。12月28日も今日も休みにしても良かったのですが、普段なかなか練習に来られないメンバーを一人でも少しでも助けることができれば…という思いがあったので、練習を組みました。
     はたして、4月から大阪や静岡に行ってしまうメンバーが2回とも来てくれて、28日にインフルで倒れていた子が今日は来てくれて、今日来られなかった子も28日には来てくれて…と、「空」全体として少しでもプラスになったことと思います。
     帰省や旅行や餅つき大会などで2回とも来られない子が普通ですから、また来週から心機一転ガンバリましょう。

     しかし、今日のメンバーにとって10月の第29回定期演奏会で歌う曲は2曲だけでした。「うんこ」と「おおかみ」です。第29回定期演奏会のために…そういう意味では救うことができなかったかもしれない。申し訳ないです。

     思うところあって、今日の前半は第29回定期演奏会とは全く関係のない曲をやってみました。その理由は二つあります。
     一つ目は、池辺晋一郎作品オンリー、新実徳英作品オンリー、というのではなく、たまには違う世界をのぞいてみることも良いでしょうってことです。いろいろ歌ってみることで何か新しい世界が広がるかもしれません。第29回定期演奏会で「小学校で習う文部省唱歌」ステージを入れたのも同じ理由です。
     二つ目は、今の「空」メンバーが身につけるべき「合唱力」を高めるためです。今の「空」メンバーの良い点は、音取りの速さや正確さとか柔らかい声とかデリケートな表現力とか、いろいろあります。逆に「もう少し身につけるべき点」「もう少し高めたい力」とは
     ○高い声をパーンと出す瞬発力
     ○燃え上がるようなフォルティシモ
     ○響きのある声をみがく
    でしょう。瞬発力と爆発力と響きですね。もう一つ言えば、小学生や今度入団してくるメンバーのために「ドレミファソラシド」の「音感」が高められれば最高です。そのために「かえるの合唱」とか腹筋体操とかに力を入れても良いのですが、それはツマラナイと思います。  
     そこで今日配った無料楽譜は「夢の世界を」「海」「山男のヨーデル」の3曲を入れました。この3曲を練習すれば、歌っているうちに知らず知らず「瞬発力」と「爆発力」と「響き」と「ドレミファの音感」が高まるはず…という確信がありました。

     今日は「夢の世界を」と「海」しか歌えませんでしたが、楽譜を見れば分かるとおりハ長調です。つまり基本的に♯や♭がありません。リコーダーでも吹くことができます。
     「夢の世界を」の「さあ、でかけよう」の部分は「高い声をパーンと出す瞬発力」
     「海」の中間部Bの部分は「燃え上がるようなフォルティシモ」
    でした。
     「声の響き」の「山男のヨーデル」は次回のお楽しみ。です。

     なに? 今日行けなかったオレ様は、「夢の世界を」と「海」はもう歌えんのか? だと?
     安心してください。今日配った無料楽譜は40人分作ったんだよ~ん♪

  • 歌い納めは「鳥が」と「われもこう」

    【令和6年12月28日(土)】
     素晴らしかった令和6年も暮れようとしています。
     第28回定期演奏会は「空」の歴史上でも類を見ないレベルの演奏でした。早くCDあるいはDVDで演奏音源を聴きたいものです。
     なぜ、こんな演奏が可能になったかというと、小学生中学生の真剣この上もない練習への取り組みがあったからで、そして卒業していった高校生メンバーの牽引力(けんいんりょく・みんなを引っ張る力)が大きかった。
     高校生メンバーの多くは小学生の(中には低学年の)ころから継続してきたメンバーで、長年にわたり培われてきた実力があったからです。「継続は力なり」の見本のようなメンバーでした。その中の何人かはサポーターとして今後も支えてくれるようなので、本当に嬉しく思います。

     さて、今日は第29回定期演奏会で歌う4冊目の楽譜を配りました。谷川雁作詩、新実徳英作曲の特選「白いうた青いうた」です。指揮は新実先生ご本人。
     全部で11曲が載っていますが、「白いうた青いうた」ステージは8曲で、後半の3曲はアンコールになります。
     今日はその中から「鳥が」と「われもこう」を歌って素晴らしかった令和6年の歌い納めといたしました。
     「鳥が」は本当の名曲です。ベートーヴェンに「エリーゼのために」を教えてもらおう…というのが「空」のコンセプトですが、ベートーヴェンを新実先生に置き換えると
     新実徳英に「鳥が」を教えてもらおう…
    となるでしょう。押しも押されぬ新実先生の代表作であり最高傑作であり、詩の内容からも音楽の構成からも古今東西世界中の全ての合唱曲の中でもトップレベルの内容です。
     「われもこう」は全部で53曲ある「白いうた青いうた」の中でもベスト3に入るのではないかと嶋田先生は思うのですが、詩の内容が深いので、そこはオイオイと説明していこうと思います。
     いずれにしても、その「鳥が」と「われもこう」を集まったメンバー全員で全部のパートをひととおり歌ってから各自がそれぞれ歌いたいパートを選んでハーモニーを作る…という、いつもの方法で歌いました。
     「七つのあそびうた」は全員が生まれて初めて見る楽譜ですが「白いうた青いうた」は何人か経験者がいて、その経験者メンバーに救われた意味はありますが、まがりなりにも「全部のパートを確認してからハーモニーを作る」という方法で「鳥が」と「われもこう」を通したわけですから、やっぱり流石(さすが)と言うべきでしょうね♪
     良い「歌い納め」となりました♪

     最後になりましたが、全てのメンバーとサポーターと父母会のみなさん深く感謝を申し上げ、池辺先生、新実先生、今木先生、内匠先生、そして指導者の皆様に深く感謝を申し上げます。
     来年もステキな年になりますように。ありがとうございました。

  • 今日は「七つのあそびうた」来週は特選「白いうた青いうた」

    【令和6年12月21日(土)】

     今日は定期演奏会で歌う3冊目の楽譜を配りました。谷川俊太郎作詩、新実徳英作曲の女声(児童)合唱とピアノのための「七つのあそびうた」です。
     つまり、今日の練習は集まったメンバー(恒川先生を含めて)全員が生まれて初めて見る楽譜、全く知らない曲だったわけです♪
     7曲全部歌えれば良かったのですが、さすがにそれは無理というもので、1曲目「らいおん」と2曲目「おおかみ」と4曲目「うんこ」の3曲を歌いました。
     いつも言う(書く)ことですが、全員で全部のパートをひととおり歌ってから各自がそれぞれ歌いたいパートを選んでハーモニーを作る…という方法です。
     全員が生まれて初めて見る楽譜なのに「全部のパートを確認してからハーモニーを作る」という方法で3曲通したわけですから、やっぱり流石(さすが)と言うべきでしょうね♪

     今日しつこく言ったことは「上手に歌えとは言わない。どんな曲かをつかんでください」ということでした。生まれて初めて歌う曲を30分か40分で上手に歌うのは不可能、どんな曲か身体で感じてみるのが目的でした。
     今日、来たくても来られなかったメンバーにはソラノートに「七つのあそびうた」の説明を書いてもゼンゼン分からないでしょう。恒川先生にお願いしてラインに動画をアップしてもらいましたから、チラッと「らいおん」「おおかみ」「うんこ」を聴いてみてください(笑)。

    以下、新実先生からのメールです。

    嶋田さま
    プログラムは
    ①小学校で習う文部省唱歌集(嶋田)
    ゆうやけこやけ、春の小川、茶つみ、さくらさくら、富士山、紅葉、ふるさと
    ②特選「白いうた青いうた」(新実)
    ③女声(児童)合唱とピアノのための七つのあそびうた(今木)
    ④「こころってな〜に?」(新実)
    ⑤「生きる」(新実)
    という構成はいかがでしょうか??
    最後に<小さな法螺>で盛り上がるというプランです。
    新実徳英

     先月、詩人の谷川俊太郎さんが天へ帰られました。なので第3ステージと第4ステージを谷川俊太郎さんの詩による曲で固めて、最後に「生きる」を歌う…というプランです。
     「生きる」は谷川さんの詩の中でも最も有名な詩で、嶋田先生の心にも深く刻まれている曲です。下は詩の最初の部分です。

    空に樹にひとに
    私は自らを投げかける
    やがて世界の豊かさそのものとなるために
    ……わたしはひとを呼ぶ
    すると世界がふり向く
    そして私がいなくなる
    (以下省略)

     これは名曲ですね。新実先生の全ての作品の中で最も親しまれている曲ですが、同時に谷川俊太郎の詩の中でも最も親しまれている詩です。

     来週28日(土)は特選「白いうた青いうた」の楽譜を配ります。これは音楽之友社の東京本社に特別に作成を依頼した楽譜で50冊限定、お店では売っていません。25日に印刷が完了して翌日に発送、ギリギリ年末に間に合いました。これで第29回定期演奏会で歌う楽譜がそろいます♪
     その中にアンコールで歌う予定の「鳥が」という曲がありますから、それを素晴らしかった令和6年の「歌い納め」といたしましょう。
  • 見学体験会ありがとうございました

    【令和6年12月14日(土)】
    今日は見学体験会の2回目。先週の1回目と全く同じ進め方をしても良かったのですが、2回目は「輪唱」に話の中心を持っていこうと思いました。
    しかし内容は大きくは違いません。合唱の面白さを体験してもらうのが目的ですから、
    ○二つあるいは三つのパートを知っていると楽しい
    ○そのためには「音をよく聴く」ことが大切
    これを伝えようと思っていたのは先週も今週も同じでした。
    「輪唱」とは「カノン」とも言い、ようするに同じメロディーをズラして歌うことでハーモニーを作る形式です。
    小学生でも知っている有名な「輪唱」は、「かえるの合唱」でしょう。2年生の教科書にも載っていたと思います(今も載っているかな?)。「かえるの歌が 聞こえてくるよ」で有名ですが本当はドイツの曲で『Frosch gesang(フロシュ・ゲサング)』という曲名で知られています。
    これはすぐにハーモニーを作ることができました。この曲は
    「かえるのうたが」が材料①、「きこえてくるよ」が材料②、「クワクワクワクワ」が材料③、以上3つの材料で作られています。「ケロケロケロケロクワクワクワ」は材料①の繰り返しですね。
    3チームに分けた練習では、Aチームは材料①の「かえるのうたが」を、Bチームは材料②の「きこえてくるよ」を、Cチームは材料③の「クワクワクワ」を、ひたすら何度も繰り返して歌ってもらいました。これでもちゃんとハーモニーはできますからね。
    でも、「クワクワクワ」だけず~っと何十回も歌い続けるなんてアホみたいじゃないですか!!だから材料の①②③を全員が全部歌えるようにするわけです(笑)。
    それをナットクしてもらってから「坊主が屏風に上手に坊主の絵をかいた」という曲を歌ってもらいました(笑)。この曲は楽譜が存在しません。嶋田先生の頭の中にある曲です。
    でも、「音をよく聴く」ことの大切さを伝えてありますから、みんなすぐに歌えるようになりました。とてもきれいにハモったと思います。
    その上で「これが究極の輪唱です」と言いながら配ったのがヨハン・パッヘルベルという人が作曲した「カノン」。イタリアの人だと説明しましたが、これは嶋田先生のカン違いでドイツの人でした(ごめんなさい)。
    予定としては最初の「ミレドシラソラシ」と「ドシラソファミファレ」をハモらせるくらいで終わるつもりでしたが、みんなの様子を見ているとドンドン次も歌いたそうだったので、次から次へと進んでいって最初から最後まで歌い通してしまいました。
    これができたのは世界中で愛されている名曲の美しいメロディーの力ですね。「空」のメンバーも「次はどうなるんだろう」「次も歌ってみたい」という意欲を高めてくれました。ヨハン・パッヘルベルはすごい作曲家です。

    そんなこんなの練習をした後、「きよしこの夜」と「COSMOS」を歌いました。「パッヘルベルのカノン」で「楽譜をよく見ること」の大切さも実感じてくれていたので、短い時間で全員が全部のパートを全部歌ってからハーモニーを作ることができました。

    【総括】
    見学体験会の目的は、やってみたいと思っている子に合唱の楽しさを伝えることでしたが、合唱団「空」のメンバーにとっても合唱の基本をあらためて体験する貴重な機会となったと思い、嬉しく思います。特に
    ○音をよく聴くこと
    ○楽譜をよく見ること
    ○やわらかい声を出すこと
    などを確認することができたと思います。
    「パッヘルベルのカノン」などは高い声が必要ですが、そんな高い声の出し方やビミョーな音程を決めることなどは練習内容から外しました。そのようなポイントは次回から少しずつ高めていきましょう。

    【業務連絡】
    来週21日(土)は「七つのあそびうた」の楽譜を配ります。そして28日(土)には特選「白いうた青いうた」の楽譜を配ります。そこで第29回定期演奏会で歌う楽譜がそろいます♪
    年内の練習は12月28日(土)まで。年始の練習は1月4日(土)からスタートします。一般社会の年末年始休業は12月29日~1月3日までですが、今年は曜日のめぐりあわせで上のスケジュールが可能となります。
    もちろん旅行もあるでしょうし餅つき大会もあるでしょう(笑)からそちらを優先させてくださいね。
    でも、今日だって来たくても来られないメンバーがいたわけで、普段なかなか土曜日の練習に来られない子を、一人でも二人でも助けることができるなら嬉しいので、練習をやろうと思います。

  • 合唱のポイント再確認

    【令和6年12月7日(土)】
     今日は「合唱体験見学会」の一日目でした。
     今週と来週14日(土)は、まったく同じことを練習するとは限りません。今日は今日集まったメンバーの顔を見ながら(歌う様子を見ながら)進めていました。来週は今日とは違う見学者とメンバーでしょうから、たぶん違う練習になるかと思います。
     今日は「赤鼻のトナカイ」「あわてんぼうのサンタクロース」「ジングルベル」から始めてクリスマス的な気分になったところで合唱の話に切り替えました。
     合唱の話の第1弾は「ふたつのメロディーが重なるのが合唱だよ」ということで、「あわてんぼうのサンタクロース」と滝廉太郎の「お正月」を同時に歌いました。
     そうしておいて「しょうじょうじとかたつむり」でゲーム的に遊びながら、ふたつのメロディーが重なる楽しさと、そこで生まれるハーモニーを味わってもらいました。
     その上で「きよしこの夜」の三部合唱に持っていったわけです。
     かんたんな三部合唱「きよしこの夜」を歌っておいて本格的な「COSMOS」と「ビリーブ」を歌って「ごくろうさまでした」となりました。

     今日の目的は初めて合唱団「空」の中に入ってきた見学者に「合唱というものを体験してもらう」ことがメインでしたが、第28回定期演奏会を歌ったメンバーにとっても「合唱のポイント」を再確認することができたのではないか…と思います。
     やったことは「あたりまえ」の「いつもの練習」でしたが、今日は「こころってな~に?」みたいな第29回定期演奏会に向けての準備ではなく、最初から最後まで「合唱の基礎基本」の練習でした。
     第29回定期演奏会の準備は1㎝も進まなかったので(たぶん来週も)そこは少し心配ですけれども、メンバーの基礎基本を高めておいたことは必ず「こころってな~に?」他の第29回定期演奏会の曲にも生きてくると思います。

     まぁ何はともあれ、生まれて初めて合唱をやったと思われる小学校1年生の子が、「COSMOS」や「ビリーブ」を含めた全ての曲で、全部のパートを歌ってから好きなパートを選んで歌っていました。
     これができなのは核(コア・中心)になって歌ってくれた「空」メンバーの力です。ありがとうございました。

     今日、見学に来てくれた子が合唱に興味を持って、合唱団「空」に入ってみようかな?と思ってくれたら、とても幸せに思います。
     来週もよろしくね。

  • 歌う楽しさを優先しようか?

    【令和6年11月30日(土)】
    今日は歌集のP16「赤鼻のトナカイ」とP23「あわてんぼうのサンタクロース」P85「ジングルベル」から歌い始めました。
    予定している「きよしこの夜」を含めてクリスマスソングを増やしたわけです。
    その心は、合唱見学体験会とは言うものの、参加してくれた子たちにはゼヒとも「空」への入団を考えてほしい。そのためには
    ○ハーモニーを作る楽しさを味わってもらう
    ○歌うことそのものを楽しんでもらう
    この二つが必要でありましょう。本当は「ハーモニーを作る楽しさ」が大切なのですが、もし小学校1年生や2年生の子が多く参加してくれた時に、「やれ正確な音程だ」「それ響く声だ」などと言っていたら、きっと合唱がキライになってしまうでしょうね。
     合唱経験のある参加者ばかりなら最初から「きよしこの夜」のハーモニーから説明しますが、ちびっ子が多かったら知っている歌をみんなで楽しく歌うことから始めましょう。
    そのための準備でした。実際に「赤鼻のトナカイ」や「ジングルベル」を歌うかどうかは当日に集まったメンバー次第です。
     その次は「COSMOS」です。
    来週12月7日は見学体験会の本番なのですが、とりあえず「しょうじょうじとかたつむり」の楽譜もコピーして持っていこうと思っています。

    後半は「ふるさと」。まずは歌集に載っている「ふるさと」を歌ってメロディーを確認して、それから定期演奏会で歌う楽譜に切り替えました。
    結論は最初から最後まで、全員が全部のパートを歌ってみて、その上でハーモニーを作ることができました。
    そして「こころってな~に?」の2曲目「こころのうぶ毛」です。12時までの35分くらいで最初から最後まで、全員が全部のパートを歌ってみて、その上でハーモニーを作ることができました。

    とりあえず細かい音程やリズムなどは気にしないで、とにかくみんなで最初から最後までハモって歌うことを目的としました。「ふるさと」よりも「こころのうぶ毛」の方が絶対にムズカシイのですが、とりあえず歌ってしまうところが今日のメンバーの良いところです。だいぶ音感が育ってきていると嬉しく思いました。

    最近はラインに練習の様子が動画で配信されているので、そちらで確認できるのも嬉しいですね。
    今日の練習は
    「赤鼻のトナカイ」ほか3曲
    「きよしこの夜」のハーモニー
    「COSMOS」のハーモニー
    「ふるさと」を通す
    「こころのうぶ毛」を通す
    という順番でした。カンタンな練習からだんだんムズカシくなっていきましたね。
    なに? わざとそうしたのか? だと?
    もちろんわざとです。考えて練習を組み立てました。これ、授業のコツですわよ♪

  • 作って良かった幸せだ

    【令和6年11月23日(土)】
     今日も歌集の中から「COSMOS」と「きよしこの夜」を取り上げました。そして「ビリーブ」も付け足しです。12月7日と14日に予定している「合唱体験見学会」は今日の時点で小学生が来るのか中学生が来るのか分かりません。合唱の経験が全くない子が来るかもしれないし、学校の合唱部の経験を持つ子が来るかもしれない。あと、核(コア・中心)になる「空」メンバーの人数も分からない。
     当日の朝、低学年の子にも楽しめる練習にするか経験者の中学生向きの練習にするか、顔ぶれによって練習の内容を変えるつもりで、いろいろなパターンを用意していますが、いかな「空」のメンバーでも当日の朝にイキナリ初めての曲を歌え…というのも酷(こく・きびしいこと)でしょう。なので「ビリーブ」も練習しておきました。
     同じ意味で「ゆうやけこやけ」も練習しました。「ゆうやけこやけ」は小学校2年生の教科書に載っています。もし見学会に2年生の子が来てくれたら「ゆうやけこやけ」は有効な練習曲目になるでしょう。「あっ、学校で歌ったよ」とか言って喜んで歌ってくれるでしょう。そこで核になる「空」のメンバーがハーモニーを響かせてくれれば2年生はビックリして「この合唱団で歌いたい」と思ってくれるかもしれません。
     同じ意味で「紅葉」も練習しました。4年生の教科書に載っています。
     「ゆうやけこやけ」にしても「紅葉」にしても、全員で全部のパートを歌ってみて、その上でハーモニーを作るわけです。合唱体験見学会の準備ではありますが、基礎基本を踏まえた「空」の合唱力を高める練習でした。

     そして「こころってな~に?」です。今日は1曲目の「こころころころ」を何としても最初から最後まで通して歌いたい…という計画でした。
     そして、全員で全部のパートを歌ってから、それぞれ好きなパートを選んでハーモニーを作ることに成功しました。すごく音取りが早いです!!!
     コンピュータさんはリズムや音程は100%正確無比。ただ微妙なテンポのゆらめきや強弱の変化などは苦手。しかし今の「空」のメンバーにとって重要なのは歌詞の意味でもテンポや強弱の変化でもなく、とにかく音程とリズムです。
     音程がアヤフヤなのに歌詞の内容をイメージしても意味はありません。まずは音程とリズム。
     それを今日のメンバーは全員が全部のパートを正確に経験した。そしてハーモニーを作った。これは素晴らしい成果でした。
     「こころってな~に?」全7曲のコンピュータ音源データを作るのには一日中作業して三日ほどかかりました。かなりの時間が必要です。
     しかしねぇ、今日のみんなの歌声というか音取りの様子を見ていると、本当に作って良かったなぁ…と幸せに思います。どんどん吸収してアッと言う間に歌えるようになってくれるからね。幸せでした。大感謝です。

     「こころってな~に?」の詩人の谷川俊太郎さんが天国に昇られました。「空」もこれまでに谷川俊太郎さんの詩による歌を何曲歌ったことでしょう。
     今度の第29回定期演奏会は谷川俊太郎さんの功績をたたえるコンサートという意味も含まれますね。
     力を貸してください。

  • アホらしいように思えるかもしれませんが

    【令和6年11月16日(土)】
     今日も歌集の中から「COSMOS」と「きよしこの夜」を取り上げました。この2曲は12月7日と14日に予定している「合唱体験見学会」でメインとする曲です。
     「COSMOS」は「光の声が」が「光の肥(こえ)が」と聞こえないようにしましょう…ということで練習しました。上手くいったと思います。
     「きよしこの夜」はドレミファの感覚やハーモニーを感じる練習になると2週間前に書きましたが、今日は実験をやってみました。つまり、
    「きーよしー」はソプラノを歌い、
    「こーのよーるー」はメゾソプラノを歌い、
    「ほーしーはー」はアルトを歌って、
    1小節ごとに歌うパートをソプラノ→メゾソプラノ→アルト→ソプラノ→メゾソプラノ→アルトというふうにチェンジしていくわけ。
     これはアホらしいように思えるかもしれませんが、せっかく楽譜を見ながら歌っているのだから「楽譜を見なくちゃできない練習」をやるわけです。楽譜というものは見なければ良いというのはインチキな話で、見なくちゃいけないものなのです。
     で、アホらしいと思うのはマチガイで、楽譜の音符と実際の音の高さとを頭の中で結び付けていなければできないので、すごくレベルの高い話なのです。
    「でんでんむしむし しょじょじのにわは おまえの頭は みな出てこいこいこい」と同じ理屈です。
     それで全員をABCのグループに分けて
    Aチームはソプラノ→メゾソプラノ→アルトという順番で歌い、
    Bチームはメゾソプラノ→アルト→ソプラノという順番で歌い、
    Cチームはアルト→ソプラノ→メゾソプラノという順番で歌うと、
    全体としては普通に3つのパートに分かれて歌うのと同じハーモニーができるはずです。
     これはアホらしいように思えるかもしれませんが、ソートーにドレミファの力が身についていないとできない芸当です。
     けっこうチャンとできましたね。えらいもんだと思います。
     でも「これはゲームです」と宣言して、チラッとでも間違えた人は座りましょうってやったら半分くらいの子が座って、けっこう面白かったです(笑)。

     この練習は、後半の「春の小川」の練習で非常に役に立ったのですが、何がどう役に立ったかは長くなるので書きません。「どのようにハーモニーを感じるか」だけを考えて練習を組み立てていました。
     それにしても「春の小川」は部分的に4つのパートに分かれるので、ハーモニーを感じる力が備わっていないと歌えません。ハーモニーを分かっていないとケタハズレにムズカシイことになります。
     しかし、全員が全部のパートを歌ってから、好きなパートを受け持って最初から最後まで通しましたからね。人数が多くなかったのに大したもんだと思いました。

     時間が18分ほど残っていたので「富士山」も歌ってみました。オドロイタことに「富士山」も、全員が全部のパートを歌ってから、好きなパートを受け持って最初から最後まで通しました。
    「富士山」も部分四部合唱なんですよ。それを18分で最初から最後まで歌ってしまった(これは事実です。今日集まったメンバー全員が証人だぁ)わけで、ドレミファの感覚やハーモニーを感じる感覚を身に付けることがいかに大切で、そして効果的か、それを証明するような2時間30分でした!!!

  • 合唱の力

    【令和6年11月9日(土)】
    今日も「COSMOS」から始めました。「光の声が」が「怒りの肥が」と聞こえないように気を付けましょう。ちなみに「肥(こえ)」とはウンチで作った肥料(ひりょう)のことです。
    続いて「きよしこの夜」。音取りが早く正確で、すぐに三部合唱でハーモニーを作ることができます。
    そして第29回定期演奏会で歌う「ゆうやけこやけ」「茶つみ」と「さくらさくら」を練習しました。「さくらさくら」は一部分だけです。
    「きよしこの夜」と「ゆうやけこやけ」はハ長調なのでドレミファを分かりやすく説明することができます。
    歌っている時に、ただ一生懸命に声を出すだけではなくて、音と音との関連性をホンの少し意識してくれると「合唱の力」が身に付きます。具体的には
    【きよしこの夜】
    ソーラソーミー ソーラソーミー
    レーレーシー ドードーソー
    【ゆうやけこやけ】
    ソソソラ ソソソミ ドドレミレー
    ミーミソ ラドドラ ソソラソドー
    今まで「ドが分かったらミもファもソも分かる耳を」と説明して練習してきましたが、もっと言うと「ソが分かったらどんな音でも分かる」「ラが分かったらどんな音でも分かる」という耳を育てるべきであるし、もっともっと言うと「何か一つの音が分かったら全ての音が分かる」という耳になると良いですね。
    だって、プロは「何か一つの音が分かったら全ての音が分かる」からです。
    合唱団「空」はプロの音楽家を目指すチームではありません。プロが持っているいろいろな力は嶋田先生のようなアマチュアにはマネのできないものです。でもプロの力の中には小学生でも(もちろん嶋田先生にも)できるようになる力もあるのです。その中の一つが
    「何か一つの音が分かったら全ての音が分かる」という力。これは「やろう」と思えば小学生にだって絶対にできますし、何よりも分かるようになったら音楽が(合唱が)楽しくなります。これは絶対に…です。

    この力を使って(と言うほど一日では高まりませんが)後半は「こころってな~に?」に取り組んだという流れでした。
    ムズカシイ曲ですが、みんな頑張って歌ってくれました。大感謝です。

  • 幸先の良いスタート

    【令和6年11月2日(土)】
     あまり過去のことを振り返らずに未来を見よう…と心がけている嶋田先生ですが、それにしても第28回定期演奏会は素晴らしかったですね。その余韻(よいん)に浸って(ひたって)いた嶋田先生です。
     あと一つだけ、総括(そうかつ・まとめの締めくくり)を書いておきたいと思います。
     それは「仲間がいたから実現した」ということ。
     「空」のメンバーには合唱を始めたばかりの小学生から音楽大学を目指す高校生までいます。そしてサポーターの中には音楽大学を卒業した恒川さんや、トップクラスの女声合唱団で活躍するママさんもいます。
     しかし、仮に「空」を高校生以上の合唱団にして同じことをやったとして、あの第28回定期演奏会ができたか…というと、たぶんできなかったでしょう。ウタが上手な高校生とサポーターだけにしても無理。第28回定期演奏会の成立には小学生中学生を含めた「あのメンバー」全員の力が必要でした。
     まさに「ワン フォー オール、オール フォー ワン」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)の実現でした。

     さて、未来に向けた出発です。
     まずは歌集の中から「COSMOS」と「きよしこの夜」を取り上げました。この2曲は12月7日と14日に予定している「合唱体験見学会」でメインとする曲です。
     「COSMOS」はメロディーラインの美しさと歌詞の歌い方の練習になり、「きよしこの夜」はドレミファの感覚やハーモニーを感じる練習になります。
     いずれの練習も、見学に来てくれた子に「あぁ、この合唱団に入りたい」と思ってもらうのが目的ですから、楽しさと同時に合唱とは何かを味わってほしいと思って練習計画を練っているところです。
     それが終わった後で新しい楽譜を配りました。新実徳英先生の最新作「こころってな~に?」と「小学校で習う文部省唱歌集」の2冊です。
     来年の10月26日(日)に決まった第29回定期演奏会のプログラムは
    【第1ステージ】「小学校で習う文部省唱歌集」 指揮:嶋田
    【第2ステージ】新実作品。今木先生が検討中 指揮:今木先生
    【第3ステージ】「白いうた青いうた」ベストセレクション 指揮:新実先生
    【第4ステージ】「こころってな~に?」 指揮:新実先生
    という感じ。
     「白いうた青いうた」については11月6日に東京へ行って新実先生と直接相談をしてきます。
     「こころってな~に?」は今日、全員が初見でしたが(あたりまえだ)、とても楽しい曲ですがリズムや音程がムズカシイです。楽譜に「作曲者の言葉」として新実先生が書いておられますが、一昨年「空」も歌った「とどいてますか」という曲の拡大版なのだそうです。「とどいてますか」の演奏時間は3分、「こころってな~に?」は14分。
     今日は楽譜を手に入れられなかったメンバーも、どんな曲か少しはイメージできたかな?とにかく楽しくて練習しがいのある曲です(笑)。
     でもね、今日のメンバーはガンバリましたよ。7曲ある中の1曲目の途中まで、初めてなのに行きましたからね。
     そして後半は、「小学校で習う文部省唱歌集」の中の「ゆうやけこやけ」を全部歌いました。すなわち、三つのパートを全員が全部歌ってハーモニーを作ったわけです。
     「小学校で習う」とありますから7曲全部、小学校の音楽の教科書に載っている曲です。しかも共通教材。
     共通教材というのは、文部科学省が全ての教科書会社に「この曲を教科書に入れなさい」と命令する曲で、だから全ての教科書に載っていて、つまり日本中の小学生が必ず歌う曲です。
     文部科学省が選ぶだけのことはありまして、共通教材には合唱の基本中の基本が全部詰まっています。元・小学校の音楽の先生だったので、分かりますよ。文部科学省はダテではありません。
     それから編曲(アレンジ)が素晴らしい。若松正司、越部信義、萩原英彦、いずれも天国に入られましたが、若松正司と言えば「イルカはざんぶらこ」や教科書に載っている「かもつれっしゃ」、越部信義と言えば「おもちゃのチャチャチャ」、そして萩原英彦は童謡作曲家じゃないけど湯山先生や池辺先生の同門の先輩で、その合唱作品を支えるピアノが素晴らしく美しい作曲家です。まぁ、そのうち分かってもらえることと思います。

     いずれにしても「COSMOS」やって「きよしこの夜」歌って、「こころってな~に?」を途中まで歌ってから「ゆうやけこやけ」は最初から最後まで。
     なんか、けっこう充実した時間でしたね。
     幸先の良いスタートとなりました。
     受験生、がんばれ。応援しています。