SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


おさかなの子守歌

【令和6年3月23日(土)】
今日は「おさかなの子守歌」を中心にした練習を考えていました。
しかし、もしも集まったメンバーが7~8人であったならば「空にかいた12の童話」にしようと思っていました。「12の童話」は二部合唱だからです。いやぁ、三部合唱に分かれるということは大変ですね~。
 でも、三部合唱を響かせるには十分な人数が集まって、おかげさまで考えていたとおりの練習を組み立てることができました。いやいや、考えていた以上の成果を上げることができたことを、結論として報告しておきます。

 「おさかなの子守歌」は今回のプログラムの中で、みんなにとって一番イメージを膨らませることがムズカシイ曲だと思います。「いつもの子守歌」よりも「眠っちゃいけない子守歌」よりもムズカシイと思います。

 なに? あんた、さすがに先生だなぁ。そのとおりだぜぇ。よく分かっとる。見直したぜぇ。 だと?

 そりゃそうだわさ。276-198などというひっ算を教えようと思った時、クラスの子がどこでどんなふうにツマヅクか、そういうことを毎日考え続けてきたからねぇ。

 おやすみなさいおさかな
  日が暮れました
 おやすみなさいおさかな
  夜が来ました
 おやすみなさいおさかな
  風が吹きます
 おやすみなさいおさかな
  花が散ります
 おやすみなさいおさかな
  時が流れて
 おやすみなさいおさかな
  人が死にます
 おやすみなさいおさかな
  鐘が鳴ります
 おやすみなさいおさかな
  もう誰もいない

 だから「魚にお休みなさい」と言ったら「日が暮れて」「夜が来て」「人が死んで」「鐘が鳴ったら」「誰もいない」となる。
 こういうイメージを「貧そうな(ひんそうな)イメージ」というのであるな。笑えるようなイメージです。
 そうではないのです。「おさかな」とは「おじいちゃんおばあちゃん」だと思ってください。
 そもそも日本人は「死ぬ」ということを「辛くて」「悲しくて」「暗くて」「いやなもの」という考え方があります。これは日本の文化であり日本人の国民性であって、そう思うのが普通の日本人です。
 一方でアメリカやヨーロッパには(全部の国ではありませんが)「死ぬ」ということと「生まれる」ということが全く同じ等価値(とうかち・同じ値打ちがある)である…という考え方(感じ方)があります。
 日本人であるメンバーに「そのように思え」と言うつもりはありませんが、「なるほど。そういう考え方や感じ方もあるんだなぁ」くらいには思ってほしい。そうでなければ他者理解(他の人の気持ちを理解すること)なんかできませんからね。
 生きることは死ぬことなのです。まったく同じ意味がある。

 これは、どういうことかというと、以前に池辺先生が「空」に来てくださって「六つの子守歌」を指揮してくださった時、今日集まったメンバーのほとんどは生まれていなかったわけです。
 生まれていなかった…ということは「この世にいなかった」ということであり、つまり死んでいたことと同じです。
 今日のメンバーの○○さんが2010年に生まれていなかったとしましょう。つまりこの世にいなかったわけです。
 へんてこりんな話ですが、その○○さんが2090年に死んだとしましょう。〇〇さんは2090年にこの世からいなくなったとします。
 日本人は2090年には「〇〇さぁ~ん」と言って泣くんです。
 でもねぇ、2010年に「○○さぁ~ん」と言って泣く人はいない。
 わかりますか?この感覚。まだ生まれていない人に向かって「○○さんはまだこの世にいないよ~ぅ」と言って泣く人はいないでしょう。
 つまり「こちらの世界で死ぬ」ということは「向こうの世界で生まれる」ということであり、同じ値打ちがある。したがって悲しむべきことではなく、むしろ喜ばしいことである…という感じ方です。

 「おさかな」は「おじいちゃんおばあちゃん」だとイメージすることが一番分かりやすいでしょうね。

 安らかに眠ってね おじいちゃん
  お日さまも眠ったよ
 安らかに眠ってね おばあちゃん
  静かな夜が来たよ
 安らかに眠ってね おじいちゃん
  あなたがくれた やさしさの風が
 安らかに眠ってね おばあちゃん
  あなたがくれた 愛の花を揺らしてるよ
 おやすみなさい おじいちゃんおばあちゃん
  あなたが生きた時は美しく過ぎて
 おやすみなさい おじいちゃんおばあちゃん
  あなたたちは今 向こうで生まれて
 おじいちゃんおばあちゃん
  生命の鐘が鳴り響いてる
 おじいちゃんおばあちゃん
  いっしょには行けなくてごめんね

 池辺先生は「おさかなの子守歌」を指揮しながら「明るく!!」「悲しがらないで!」「暗くならないで!!」と何度も何度も繰り返して教えてくださいました。嶋田先生の楽譜にメモが残っているし、何よりも嶋田先生の記憶に鮮明です。
 その時には生まれていなかったメンバーが、今、あらためて「おさかなの子守歌」にチャレンジします。
 音楽っていいな。すごく感動的です。今日の練習でそう思っていました。

 後半は「眠っちゃいけない子守歌」をハモらせてから「風の子守歌」をおさらいしました。本番では
① 思い出の子守歌
② 空と海の子守歌
③ いつもの子守歌
④ おさかなの子守歌
⑤ 眠っちゃいけない子守歌
⑥ 風の子守歌
という順番で歌います。
その ④おさかなの子守歌 ⑤眠っちゃいけない子守歌 ⑥風の子守歌 という順番で歌う「流れ」を作ることができました。
すごいすごい!やったね!! っていう感じでした。ありがとう。大感謝です。

あと、最初に書くべきだったかな。恒川先生が戻ってきてくださり、レギュラー指導者として復活です。
うれしい3月。次回は30日(土)。またガンバロうね♪

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