SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ミスマッチ

【令和6年2月17日(土)】
 今日も「COSMOS」を使って発声練習をしました。作詞作曲のミマスという人について嶋田先生は多くを知りませんが(土星の衛星(お月さま)だということなら知ってるよ)、なかなかにイメージが膨らみメッセージ性も豊かな歌詞だと思います。

(1番)
夏の草原に 銀河は高く歌う
胸に手をあてて 風を感じる
君の温もりは 宇宙が燃えていた
遠い時代のなごり 君は宇宙

百億年の歴史が
今も身体に流れてる

光の声は天(そら)高くきこえる
君も星だよ みんなみんな

(2番)
時の流れに 生まれたものなら
一人残らず 幸せになれるはず

みんな生命(いのち)を燃やすんだ
星のように 蛍のように

光の声が天(そら)高くきこえる
僕らはひとつ みんなみんな

光の声が天(そら)高くきこえる
君も星だよ みんなみんな

 みなさんにオススメするのは、一度このようにノートのすみっこで良いので「自分で歌詞を書いてみる」ことです。
 先生は高校生や大学生のころ、授業中にノートに思い浮かんだメロディーの歌詞を書いていました。三好達治や草野心平、石川啄木や北原白秋などの詩が、自分の手で書くことでマジで自分の心の中に染み渡ってきたものです。
 あっと、だけど授業中に書くことは今となってはオススメしませんからね(笑)。

 で、このように歌詞を書いてみると大切なことが分かるのです。それは「言葉のつながり」であり「文脈」というものです。
 池辺先生の曲を歌うにせよ近い未来に再び新実先生の曲を歌うにせよ、非常に大切なことをCOSMOSの歌詞を使って説明しておきます。

 メロディーを浮かべながら1行目を読んでください。
  ♪夏の草原に 銀河は高く歌う
 これで1フレーズですね。次の2行目も
  ♪胸に手をあてて 風を感じる
 これで1フレーズです。問題は3行目と4行目です。
 メロディーの流れ(フレーズ)だけなら
  ♪君の温もりは 宇宙が燃えていた
  ♪遠い時代のなごり 君は宇宙
と2つのフレーズ(1行目2行目と同じフレーズ)ですが、詩が言っている流れ「言葉のつながり」「文脈」は
  ♪君の温もりは 宇宙が燃えていた遠い時代のなごり 君は宇宙
となるはずです。
メロディーの流れ(フレーズ)は2つに分かれていますが、歌詞の流れ(文脈)は分かれていません。だから、ここを歌い手は工夫する必要があるのです。

 ミマスさんには申し訳ないけれど、1本の文脈になっている3~4行目を2つのフレーズに分けてしまっていることに、嶋田先生は疑問を感じます。
 でも気持ちは分かる。パッと聴いただけでも多くの人々を惹きつけるであろう冒頭の美しいメロディーの流れを2回繰り返したかった…、作曲する上での「作曲者の気持ち」はヒジョーによ~っく分かります。
 だから、作曲者が「うーん、どうしよう」と思って作ったこのような部分を、歌い手である合唱団がフォローして歌う必要があります。

 なに? どうすりゃいいんじゃ? だと?

 カンタンなことです。3行目と4行目の間にブレス(息継ぎ)をしないで続けて歌えば良い。ただそれだけのことです。
 でも、これが案外にムズカシイんです。1行目と2行目を
  ♪夏の草原に 銀河は高く歌う
   (ブレス)
  ♪胸に手をあてて 風を感じる
このように歌った直後に、全く同じメロディーを使って
  ♪君の温もりは 宇宙が燃えていた遠い時代のなごり 君は宇宙
と、ノンブレスで歌うというのは、よっぽど練習しないと徹底しないわなぁ。

 以上の分析には異論もあることでしょうから、上の分析についての文責は嶋田浩文にあると宣言しておきます。シャレじゃありませんからね。

 ついでに書いておきますが、上のような「歌詞とメロディーのミスマッチ」は歌謡曲やポップスの世界では非常に多く見られます。
 しかし合唱曲として歌う時には工夫が必要になってくるわけです。
 さらについでに書いておきますが、上のような「歌詞とメロディーのミスマッチ」は滝廉太郎、山田耕筰、高田三郎、大中恩、湯山昭、池辺晋一郎、新実徳英といった作曲家の作品には全くと言って良いくらいありません。
 ウソだと思ったら、自分で頭の中でこれらの作曲家の歌を歌ってみてください。ナットクしてもらえることと思います。

 しかしながらポップスミュージックとしての「COSMOS」は魅力的な音楽であることは間違いありません。
 素晴らしいメロディー、歌詞の内容、その歌詞から膨らむイメージの世界、リピート(繰り返し)の効果、母音唱法(歌詞がない部分)の効果、転調の気持ちよさなど、その魅力は片手では収まらないものがありますね。

 うわっと。発声練習の話がチョー長くなったな。
 メインの練習は「空があるよ」「寝床」「一匁一丁」でした。すべて最初から最後まで、全部のパートを全員が歌ってからハーモニーを作って歌うことができました。
 特に「一匁一丁」は、集まったメンバーでできる精一杯のハーモニーで、よくガンバってくれたと思います。

 明日は日曜日のサポート練習があります。集まってくれたメンバーのニーズに100%応える時間にしたいと思っています。

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