カテゴリー: 練習日記

  • ミスマッチ

    【令和6年2月17日(土)】
     今日も「COSMOS」を使って発声練習をしました。作詞作曲のミマスという人について嶋田先生は多くを知りませんが(土星の衛星(お月さま)だということなら知ってるよ)、なかなかにイメージが膨らみメッセージ性も豊かな歌詞だと思います。

    (1番)
    夏の草原に 銀河は高く歌う
    胸に手をあてて 風を感じる
    君の温もりは 宇宙が燃えていた
    遠い時代のなごり 君は宇宙

    百億年の歴史が
    今も身体に流れてる

    光の声は天(そら)高くきこえる
    君も星だよ みんなみんな

    (2番)
    時の流れに 生まれたものなら
    一人残らず 幸せになれるはず

    みんな生命(いのち)を燃やすんだ
    星のように 蛍のように

    光の声が天(そら)高くきこえる
    僕らはひとつ みんなみんな

    光の声が天(そら)高くきこえる
    君も星だよ みんなみんな

     みなさんにオススメするのは、一度このようにノートのすみっこで良いので「自分で歌詞を書いてみる」ことです。
     先生は高校生や大学生のころ、授業中にノートに思い浮かんだメロディーの歌詞を書いていました。三好達治や草野心平、石川啄木や北原白秋などの詩が、自分の手で書くことでマジで自分の心の中に染み渡ってきたものです。
     あっと、だけど授業中に書くことは今となってはオススメしませんからね(笑)。

     で、このように歌詞を書いてみると大切なことが分かるのです。それは「言葉のつながり」であり「文脈」というものです。
     池辺先生の曲を歌うにせよ近い未来に再び新実先生の曲を歌うにせよ、非常に大切なことをCOSMOSの歌詞を使って説明しておきます。

     メロディーを浮かべながら1行目を読んでください。
      ♪夏の草原に 銀河は高く歌う
     これで1フレーズですね。次の2行目も
      ♪胸に手をあてて 風を感じる
     これで1フレーズです。問題は3行目と4行目です。
     メロディーの流れ(フレーズ)だけなら
      ♪君の温もりは 宇宙が燃えていた
      ♪遠い時代のなごり 君は宇宙
    と2つのフレーズ(1行目2行目と同じフレーズ)ですが、詩が言っている流れ「言葉のつながり」「文脈」は
      ♪君の温もりは 宇宙が燃えていた遠い時代のなごり 君は宇宙
    となるはずです。
    メロディーの流れ(フレーズ)は2つに分かれていますが、歌詞の流れ(文脈)は分かれていません。だから、ここを歌い手は工夫する必要があるのです。

     ミマスさんには申し訳ないけれど、1本の文脈になっている3~4行目を2つのフレーズに分けてしまっていることに、嶋田先生は疑問を感じます。
     でも気持ちは分かる。パッと聴いただけでも多くの人々を惹きつけるであろう冒頭の美しいメロディーの流れを2回繰り返したかった…、作曲する上での「作曲者の気持ち」はヒジョーによ~っく分かります。
     だから、作曲者が「うーん、どうしよう」と思って作ったこのような部分を、歌い手である合唱団がフォローして歌う必要があります。

     なに? どうすりゃいいんじゃ? だと?

     カンタンなことです。3行目と4行目の間にブレス(息継ぎ)をしないで続けて歌えば良い。ただそれだけのことです。
     でも、これが案外にムズカシイんです。1行目と2行目を
      ♪夏の草原に 銀河は高く歌う
       (ブレス)
      ♪胸に手をあてて 風を感じる
    このように歌った直後に、全く同じメロディーを使って
      ♪君の温もりは 宇宙が燃えていた遠い時代のなごり 君は宇宙
    と、ノンブレスで歌うというのは、よっぽど練習しないと徹底しないわなぁ。

     以上の分析には異論もあることでしょうから、上の分析についての文責は嶋田浩文にあると宣言しておきます。シャレじゃありませんからね。

     ついでに書いておきますが、上のような「歌詞とメロディーのミスマッチ」は歌謡曲やポップスの世界では非常に多く見られます。
     しかし合唱曲として歌う時には工夫が必要になってくるわけです。
     さらについでに書いておきますが、上のような「歌詞とメロディーのミスマッチ」は滝廉太郎、山田耕筰、高田三郎、大中恩、湯山昭、池辺晋一郎、新実徳英といった作曲家の作品には全くと言って良いくらいありません。
     ウソだと思ったら、自分で頭の中でこれらの作曲家の歌を歌ってみてください。ナットクしてもらえることと思います。

     しかしながらポップスミュージックとしての「COSMOS」は魅力的な音楽であることは間違いありません。
     素晴らしいメロディー、歌詞の内容、その歌詞から膨らむイメージの世界、リピート(繰り返し)の効果、母音唱法(歌詞がない部分)の効果、転調の気持ちよさなど、その魅力は片手では収まらないものがありますね。

     うわっと。発声練習の話がチョー長くなったな。
     メインの練習は「空があるよ」「寝床」「一匁一丁」でした。すべて最初から最後まで、全部のパートを全員が歌ってからハーモニーを作って歌うことができました。
     特に「一匁一丁」は、集まったメンバーでできる精一杯のハーモニーで、よくガンバってくれたと思います。

     明日は日曜日のサポート練習があります。集まってくれたメンバーのニーズに100%応える時間にしたいと思っています。

  • 風の子守歌

    【令和6年2月10日(土)】
     先週はソラノート書けなくてゴメンナサイ。
     練習が終わった後、熱が出る前のあのイヤ~な嫌悪感を感じて、家に帰ってすぐにパジャマに着替えて布団に潜り込みました。そして3日の15時ごろから5日(月)に学校に行くために起きた朝6時まで、約40時間パジャマを脱ぎませんでした。つまりず~っと寝ていたわけ。
     あと、「体がヤバいな」と思った時の方法として嶋田先生の場合は「断食」という方法があります。つまりゴハンを食べない。
     人間がいちばん体力を使うのは実は運動ではなく、胃や腸が栄養を吸収する消化活動なんです。これが非常にエネルギーが必要となる。だから、胃や腸が動くのをストップさせれば、その分のエネルギーというか体力を「弱った体の回復」に投入できる…というわけ。
     最初の24時間くらいはおなかが減ってツラいのですが、その後の16時間くらいは病気が治る時間です。
     おかげで月曜日は何事もなく学校に行き、一週間を無事に過ごしました。

     さて、今日は新しいニューメンバーを迎えて嬉しい気分でした。
     先週も少し取り上げたのですが「COSMOS」という曲を今日はしっかり音取りをしました。歌集「歌はともだち」の71ページに載っています。

    https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?&q=cosmos%e3%83%9f%e3%83%9e%e3%82%b9&&mid=12D62D48B6EA029A560A12D62D48B6EA029A560A&&FORM=VRDGAR

    https://youtu.be/BCYPRi5v4iY

     4月に予定されている入団見学会で池辺先生の曲を歌うのも良いけれど、なんと言いますか少し気楽に聴いたり歌ったりできる曲があると見学に来てくれる子も楽しいでしょう。だから先週も取り上げました。
     あと2曲くらい、気楽で楽しくて小学生がよく知っている曲って、「歌はともだち」の中にないですかね?
     そこんところはメンバーの意見を聞いた方が良いと思うので、教えてください。
     あと、メインの練習は「夜明けのイソップ物語」の5曲目の「夜明けのイソップ物語」の歌い出しの部分と「六つの子守歌」の中から「風の子守歌」を練習しました。
     「風の子守歌」は全員が全部のパートを3回も4回も繰り返して歌いましたので、今日のメンバーは音程からハーモニーの構造に至るまで、ソートーなレベルで理解できたことと思います。
     「風の子守歌」は池辺先生の代表作であり名曲です。この曲を池辺晋一郎先生ご自身の指揮で歌うなんて、本当に驚き。ウソだと思ったら、合唱部に入っているメンバーは部活の先生に聞いてごらんよ。
     池辺先生を知っている先生だったら
    「えええ~~~! うっそ~~~う!!」
    って言うでしょうね。
     もし、「ふぅ~ん」なんて言うだけだったら、その先生は池辺先生を知らない人で、つまりは合唱のことをよく知らない先生ですな。

     受験シーズンが本番です。がんばってください。集中力だよ。祈っています。

  • センチメンタルなライオン

    【令和6年1月27日(土)】
     今日は「夜明けのイソップ物語」から第4曲「センチメンタルなライオン」を練習しました。
     これで、今回の演奏会のプログラムになる4つの組曲のうち、1回も練習の場に取り上げていない曲は第5曲目の「夜明けのイソップ物語」だけとなりました。

     さて、「センチメンタルなライオン」は組曲「夜明けのイソップ物語」の中では楽譜の書き方が一番分かりやすい曲です。最初から最後まで完全な二部合唱の形で書かれているので、自分が楽譜のどの部分を見て歌うのかが分かりやすい。2小節だけ三部合唱に分かれている部分が2カ所ありますが、そんなのはオチャノコサイサイでしょう。
     共通理解としては、
    「このごろなんだか」「ニワトリのとさかに」「とさかの赤さが」「おくびょうなじぶんを」の4カ所は、ソプラノが休みになっていますがアルトのメロディーを歌うこととします。
     それだけ。
     楽譜を見れば5秒で理解できるはずです。
     だいたい50分で最初から最後までをハモりながら歌い通すことができました。
     休憩時間にするのは少し早かったので、第1曲目「あさやけのこんこんぎつね」の76小節目まで(P10の終わりまで)を確認しながら歌いました。ここまで歌えるようになれば、P11からは担当パートがチェンジするだけでメロディー構成は全く同じ繰り返しだからです。くわしい構造の説明は先週のソラノートを参照してください。

     休憩の後は「三つのわらべうた」の楽譜に載っている「空があるよ」と「寝床」という曲を練習しました。
     2曲とも三部合唱ですが、最初から最後まで、全員が全部のパートを歌ってみて、ハーモニーを作って歌うことができました。
     嶋田先生がこの2曲を出してきた…ということは、この2曲がアンコールの少なくとも候補曲であると思ってもらって差し支えありません。
     そして今日、嶋田先生が受けた印象としては、この2曲は元気な曲としみじみとした曲なのですけれども、今の(少なくとも今日集まった)合唱団「空」のメンバーに合っている今日だなぁ…という印象です。
     なんだかとても楽しそうでした。
     他の曲にもチャレンジして、今の合唱団「空」にいちばん合っている、つまりみんなが好きになることのできる曲を探していきましょう。

     来週は久しぶりにミミクリーペットを持って行きます♪

  • イソップとグリムとアンデルセン

    【令和6年1月20日(土)】
     練習開始10分前の時点では男子メンバーのの三人しか会場にいませんでした。しかしそれでクヨクヨするような嶋田先生ではありません。逆に
    「よし。久しぶりに男の子の発声練習をやろうかな。カウンターファルセット(裏声)のトレーニングをやろう」
    と思っていました♪そうしたら9時25分からゾロゾロゾロっとメンバーが入ってきて、けっきょくは普通に「曲を覚える」練習に突入しました。
     スポーツの世界では男子バレーとか女子サッカーとか、この男女平等が進んでいる世の中なのに男子と女子が別れている種目が多いですね。それは女子だって柔道やレスリングやサッカーやボクシングをしても良いんだけれど、男子と女子がマゼコゼになって戦うことはありません。それは男子と女子とに不公平があるのではなく、カンタンに言えば男子と女子とではパワーが違うからです。
     ライオンだって犬だってネコだって、オスの方がメスよりも強い。これは人間も生物である以上は同じです。
     なに? カマキリやバッタはメスの方が大きくて強いぞ!! だと?
    おおっ、そう言う君は昆虫の博士だな。そう、確かに昆虫はメスの方がオスよりもはるかに大きくて強いです。カマキリなんかは交尾が終わったらメスがオスをバリバリと食べてしまいますからねぇ。
     おっと、脱線だっせん。昆虫と人間(哺乳類)とでは生物としての進化レベルが大きく違うのですよ。今、話してんのは「人間の話」ざんす。
     で、合唱でも(スポーツほどの差はないけれど)男子と女子ではパワーが違う。いや、パワーというよりも「発声のポイント」が違うのですよ。
     だから、いつか男子だけを集めて「男子ボイストレーニング」をやりたいなあ…と思っている嶋田先生なのでありました♪

    さて、今日は「夜明けのイソップ物語」デーとなりました。
     まずは1曲目の「あさやけのこんこんぎつね」を練習しました。なぜかと言うとですね。「夜明けのイソップ物語」という組曲の全体構造の特徴を「あさやけのこんこんぎつね」を使って説明したかったからです。
     「あさやけのこんこんぎつね」は大きく分けると3つの部分に分かれます。
    練習番号ABCDE → きつねがつるに意地悪しちゃった
    練習番号FGHIJ → つるがきつねに意地悪しちゃった
    練習番号K → イソップさんの教え
     それでですね。この曲は合唱団が二つに分かれるのですが、楽譜に書いてある「上のパート」と「下のパート」の役割がABCDEとFGHIJとで逆になるのです。つまり
    「上のパート」はABCDE・FGHIJという順番
    「下のパート」はFGHIJ・ABCDEという順番
    それで、歌うメロディーは(歌詞は違うけれども)全く同じになってます。
     う~ん、文字で説明するのはムジュカチイなぁ…。いっぺん楽譜を見て確認チテちょうだいよ。
     似たような作り方が2曲目から5曲目まで一貫されています。

     この構造の話はともかく、練習日記として特別に報告しておきたいことは、この6分以上もかかる長い曲を最初から最後まで歌い通すことができたこと。これはきわめて効率が良かった。まぁ50分かかりましたけれど、「あさやけのこんこんぎつね」の音取りを最初から最後までで50分で通してしまう合唱団なんて、日本中探してもそんなにないと思いますよ。
     そして休憩後に、「くよくよガエル」と「群れたがらないアリ」まで、最初から最後まで通して歌ってしまいました。
     すなわち今日集まってくれたメンバーは、組曲「夜明けのイソップ物語」の中の3曲を「一度は歌ったメンバー」として帰っていったわけです。
     この
    「夜明けのイソップ物語」の中の3曲を「一度は歌ったメンバー」
    を今日一日で作ってしまうことができるとは、思いもよらないことでした。

     「イソップ物語」について少し解説。
     小学生のメンバーが知っている「童話」と言えば、イソップ物語とアンデルセン物語とグリム童話でしょうね。
     このうちハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805年~1875年 デンマーク)の代表作は「人魚姫」「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」「雪の女王」など。約170の作品を遺しています。
     グリム兄弟は、ヤーコプ・グリム(1785年~1863年 ドイツ)とヴィルヘルム・グリム(1786年~1859年 ドイツ)のことで、代表作は「白雪姫」「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「赤ずきん」など。
     とにかく両方ともごく最近の人で実在の人物。
     ところがギリシャのイソップは、楽譜にもあるとおり紀元前6世紀すなわち3000年前の人物で、もはや伝説の中の人。そういう人が本当にいたのかどうか証拠はありません。
     その代表作は
    「アリとキリギリス」「肉をくわえたイヌ」「北風と太陽」「塩を運んでいるロバ」「ウサギとカメ」などなど。
     みなさんは、どの童話が好きですか?

     アンデルセンもグリムもイソップ物語も、いずれも大人用の岩波文庫や新潮文庫などで(絵本ではないものを)手に入れることができます。嶋田先生は大学生の時に全部買って読みました。小学校の先生になりたいと思っていたから、その準備のために読んだのですが、すごく役に立ちましたねぇ。
     「空」のメンバーも中学生くらいになったら、絵本ではないいわゆる文庫本で読んでみると面白いですよ。

  • 脳ミソってすごい

    【令和6年1月13日(土)】
     今日は大学入試の共通テストの日です。高校3年生の人には正念場。中学3年生の人も、どうかがんばってください。祈っています。

     練習開始5分前の時点では小学生二人と中学生男子一人の三人しか会場にいませんでした。それでクヨクヨするような嶋田先生ではありません。逆に
    「よし。久しぶりにミミクリーペットとピアノを響かせる「響きのある声とは」のトレーニングをやろう」
    と思っていました♪そうしたら9時25分からゾロゾロゾロっとメンバーが入ってきて、けっきょくは普通に「曲を覚える」練習に突入しました。
     でも集まったメンバーを見ると「ミミクリーペットとピアノってなあに?」と言いそうな子がたくさんいて、よっぽど「ミミクリーペットとピアノ」をやろうかなぁ…とも思ったのですよ。これは、とっても大切なトレーニングですからね。
     ですが、去年の第27回定期演奏会で、あれほどの響きとハーモニーを生み出した経験者ばかりです。その経験者に向かって「このミミクリーペットをだなぁ…」とやるのは効率が良くないね。
     ミミクリーペットは極めて効率が良くて分かりやすいトレーニングではありますが、やはり「合唱を知らない初心者向けの話」です。今のメンバーなら他にやることがいっぱいあるな、と、そう思って「曲を覚える」練習にしたというわけ。
     始める前の3分とか5分で、いろんなことを考えるんですよ、嶋田先生は。
     ミミクリーペットとピアノは新入団員が入ってきてくれてから考えることといたします(笑)

    さて、集まったメンバーに「空にかいた12の童話」の中で一度も歌っていない曲に手を上げてください…と聞いたところ、1~11曲目までは全員が歌っていて、手が上がったのは「あこがれ」だけでした。そりゃ「あこがれ」は先週初めて歌ったので、つまり先週いなかった子が手を上げたことになります。
     「あこがれ」を深めていくのはもう少し後にしようかな…と一瞬思いましたが、歌うことにしました。
     音取りだけで意味の説明はしませんでしたが、この1ヶ月ほど書き続けてきたソラノートを読んでくれているのか、けっこう歌い方も熱がこもっていて、多くの子が初めて歌っているとは思えないような響きでした。

     50年以上も合唱を続けてきて、いったいどれだけの曲を歌ったのか自分でも分からない嶋田先生ですが、その嶋田先生が知っている中でも「あこがれ」は

     「歌う人が、本当に歌詞の内容を自分のこととして歌う必要がある」

    曲のなかのトップです。
     その反対の「歌詞の内容を自分のこととして歌う必要がない」曲とは何かというと、カンタンな話で今回のプログラムの中では「一匁一丁」や「ずいずいずっころばし」です。
     「ずいずいずっころばし」を歌う時に「このネズミの気持ちを思いやろう」とか「茶壺に追われた子の気持ちを聴いているお客様に伝えよう」などと考える人はいない。
     いたとしたらその人は変態ですわな。
    「三つのわらべうた」はハモりゃぁ良いんです。

     だけど「あこがれ」はそうはいかない。歌っている人が本気になって

     その人がそばにいるだけで
      みんなやさしくなれる
     その人がそばにいるだけで
      みんな勇気がでる
     その人がそばにいるだけで
      みんなしあわせになれる
     そんな人になりたい
      いつかそんな人になりたい

     と思っていなくては音楽が成立しないんです。
     今ソラノートを読んでくれている「あなた」に質問したいのですが、「あなた」が今コンサートに出かけるとして、ステージに出てきた合唱団が「あこがれ」を歌うとして、その合唱団が「そんな人になりたい」と思っていないとしたら、「あなた」はその「あこがれ」を聴きたいですか?
     嶋田先生は聴きたくありません。どんなにハモっていても、どんなに音程が正確でも、聴きたくないです。
     合唱には本当にいろいろな曲がありますが、大きく分けると2種類です。
    ○音程とハーモニーが正確であることが大切な曲
    ○音程とハーモニーも大切だけど、もう一つ歌う人の共感が必要な曲
     これは良い悪いの問題ではなく両方とも必要です。嶋田先生は両方とも好きです。だから今回のプログラムにも「三つのわらべうた」を選びました。

     ひとつだけハッキリしていることは、「あこがれ」は少年少女向きの曲ではありますが、「歌う人が、本当に歌詞の内容を自分のこととして歌う必要がある曲」
    「音程とハーモニーも大切だけど、もう一つ歌う人の共感が必要な曲」
    として、「あこがれ」は古今東西、世界的にもまれに見るトップクラスの曲です。ちょっと「あこがれ」以上の曲を思い浮かべることができませんね。嶋田先生の50年の経験をもってしても…。

     合唱指導者として難しいのは、歌っている人たち、すなわち「空」のメンバーに向かって、
    「はい。そのように思いましょう。そのように共感しましょう。」
    「はい。共感しましたか? では歌いましょう」
    なんていう指揮指導では通用しない!!!ということです。
     また、ソラノートを読んでくれている「あなた」に質問したいのですが、嶋田先生が
    「はい。そんな人になりたいと思ってください」
    と「あなた」にお願いをすれば、「そんな人になりたい」って思ってくれますか?

     ¥10000あげるから「そう思ってくれ」と言われたって、そうは思えないでしょう。金をもらえば「そう思える」などいう話ではありません。
     ここが合唱指揮の難しい点です。
     池辺先生だって村田さち子さんだって「難しい」と思ったはずです。
     詩人と作曲者がこの問題を考えた結論は、「あこがれ」の前にファンタジックでロマンチックで楽しい空想の世界を11曲並べることでした。嶋田先生はそう思います。
     ただ思うだけではなくて、「空にかいた12の童話」という組曲に今までに5回取り組んでみて得られた嶋田先生の結論です。
     今までの5回、最初に取り組んだのは1993年でしたが、今までに「何曲かカットしよう」と思ったことは一度としてありません。

     今日「あこがれ」の音取りが終わった後、それは10時15分ごろの話ですけれども、嶋田先生が一瞬「う~ん」とウナって考えたのは、上に書いたことを瞬間的に考えていたからです。
     それで12曲全部を歌い通すことにしました。
     これ、全部歌い通さないと分からない話です。「そう思え」って言われたって「そう思える」ような話じゃないですから。
     人間の脳ミソって便利ですね。このソラノートを書くために何文字書いたかな。この文字数が必要なことを5秒か10秒で考えて結論が出せるんですから、脳ミソってすごいです。
     今の「空」メンバーが初めて等して歌った「空にかいた12の童話」。すごくステキだったと思います♪

  • 歌い初めは「あこがれ」

    【令和6年1月6日(土)】
     あけましておめでとうございます。みなさんにとって今年がより良き年でありますように祈っています。受験生のみんなは正念場ですね。どうかがんばってください。応援しています。

    今日も集まったメンバーに「空にかいた12の童話」の中で一度も歌っていない曲に手を上げてください…と聞きました。そして4曲ほどに1~2名の手が上がり、それを片付けた(片付けて…と言っても、上下のパートを全員で確認しました。テキトウに片付けたわけではなく、歌ったことがあるメンバーにとっても貴重な確認の時間になったはずです)のが10時20分。約50分で確認作業終了です。

     さあ、それで考えました。残り時間との兼ね合いです。頭の中であらゆることを想定して考えたのが10秒。今いるメンバーの人数、そのメンバーの合唱力、そして忙しさの度合い、そして今いないメンバーのことも考えました。いろんなことをグルグルグルっと考えて、結論は「あこがれ」を歌うことにしました。

     満を持した「あこがれ」です。
     音取りそのものは上下のパートを全員で歌うのに20分くらいで終了しました。そして何度かパートに分かれてハーモニーを作っていく。全員が初見の、生まれて初めて歌う曲なのですが、まずまずのハーモニーが響きます。

     休憩の後、出してあった「宿題」について答え合わせをしました。
     1曲目から11曲目までは全部「もし、」がついています。でも12曲目の「あこがれ」だけは「もし、」がついていない。
     これについてはすでに答えをソラノートに書いています。2023年12月23日の「あこがれ」についての宿題 を参照してください。

     で、出しておいた宿題の問題とは
     「あこがれ」で歌われる「もの」って何でしょう?
    というものでした。
     これを、実際に歌いながら問いかけていきました。

     この問いかけを、ソラノートの文字で再現することは不可能なのですが、できるだけやってみましょう。

     その人がそばにいるだけで
      みんなやさしくなれる
     その人がそばにいるだけで
      みんな勇気がでる
     その人がそばにいるだけで
      みんなしあわせになれる
     そんな人になりたい
      いつかそんな人になりたい

     詩が歌う、この「そんな人」になることは、とってもとっても難しいことです。「そんな人」になることは、ものすごくムズカしくて、そうなるためにはものすごい努力が必要で、そう簡単には絶対になれないのだけれども、でも1億分の1か1兆分の1か、もしかすると1億万兆分の1かもしれない。
     その証拠に、実際に嶋田先生がメンバーの「そば」に行って、「嶋田先生が「そば」に来たけど、君は幸せですか?あるいは勇気が出ましたか?」と聞いてみたけど、だれも
    「うん、幸せになれた」「勇気が出たよ」とは言いませんでした。
     それは当然です。嶋田先生は自分が「そんな人」になれないことを知っていますが、しかし心の底から「そうなりたい」と願っています。
     そうです。「そんな人」になれる可能性はゼロではない。

     そんな問いかけをしているうちに、まだ「そんな人」になれない自分が悔しくて悲しくて少し涙が出てきました。いや、悲しかったんじゃないな。「そうなりたい」という「心の中の思い」が涙になったのだと思います。べつに悲しくはなかったもん。
     でもホントに「そうなりたい」と思ってました。

     嶋田先生が「そばにいるだけで」誰かの心に勇気がわく。あるいは嶋田先生が「そばにいるだけで」誰かが幸せになってくれる…。これってひょっとすると、「サッカー選手になりたい」「看護の仕事をしたい」「先生になりたい」などというレベルを遙かに超えた、究極の「あこがれ」ではないでしょうか…。

     みんなはどうですか?自分が「そばにいるだけで」誰かの心に勇気がわく。あるいは自分が「そばにいるだけで」誰かが幸せになってくれる…。そんな人になりたいと思いませんか?

     やっぱり文字で表現することには無理がありますね。でも、「宿題の問題」はハッキリしています。
     みなさんは「そんな人」になりたい…と思っているかどうか です。

     ゆっくりと考えていきましょう。
     今日は「あこがれ」を歌うことができて幸せでした。
     そうそう、最後の20分で「夜明けのイソップ物語」の中の「くよくよガエル」を最初から最後まで歌い通してしまいました。これも、大したものですね。

     今年もよろしくお願いします♪

  • 池辺先生の直筆楽譜

    【令和5年12月30日(土)】
     今年は曜日の関係で今日30日も練習を組みました。冬休みの予定もあるでしょうから、メンバーが集まるとは思っていませんでしたが、決行したのは ①普段の練習に意に反して思うように参加できないメンバー と、②仕事をしているのだけれど第28回定期演奏会に参加を予定してくれているメンバー が少しでも楽になってくれれば…という思いがあったからです。
     ですが、早く曲を覚えたいというメンバーも集まってくれて、普段通りの雰囲気で練習をすることができました。ありがとう。本当に感謝です。

     今日は「夜明けのイソップ物語」の楽譜を配りました。それともう一つ、「夜明けのイソップ物語」の池辺先生の直筆楽譜のコピーも配りました。
     出版されている楽譜も直筆楽譜も、同じ「夜明けのイソップ物語」なのです。意味が分かりますかね?直筆楽譜を元にして出版楽譜が印刷されたのですよ。
     練習では出版楽譜を使います。この直筆楽譜は記念にとっておいてください。作曲者直筆の楽譜なんて、なかなか見ることもできないのですから、池辺ファンなら喉から手が出るほど「ほしい」楽譜。大谷選手のユニフォームかホームランボールのようなものです。
     この直筆楽譜は嶋田先生が池辺先生から直接、手渡しでいただいたもので、そのイキサツは「夜明けのイソップ物語」の楽譜の前書きにも書いてあります。
     この直筆楽譜は来週以降も配りますので、早めに入手してくださいね。

     さて、練習ですが、今日も集まったメンバーに「空にかいた12の童話」の中で一度も歌っていない曲に手を上げてください…と聞きました。すると
     ③もし、太陽になれたら 1人
     ⑧もし、物語の主人公のともだちになれたら 3人
     ⑨もし、天気をきめる一番えらい係になれたら 2人
     ⑩もし、透明人間になれたら 3人
    ということが分かりました。
     結論を記せば、上の4曲をまがりなりにも全部通して歌ったので、今日集まったメンバーは全員が終曲「あこがれ」を以外の11曲を全て一度は歌ったということになります。
     これは非常に大きい成果で、先々週も今日もこのように効率よく練習が進むのは「一度でも歌った経験者」がいるからであり、その「経験者」がだんだん増えていくことで次の練習がさらに効率よく進む…という好循環を生み出すわけです。
     先週よりもさらに好循環で効率よく練習が進みました。

     後半の練習では「夜明けのイソップ物語」から1曲目の「あさやけのこんこんぎつね」を練習しました。せっかく楽譜を手にしたのですから、みんな歌いたいだろうと思ったからです。
     ここから先は、書くのも心苦しいのですが、嶋田先生としては反省しきりの「ダメな授業」でした。それは、曲の構造を説明しようとするあまりに、練習が堅苦しく、みんなの歌声に「のびのびとした力」が無くなってしまいました。
     結果、説明して理解してもらおうと予定していたことは全部できたのです。これはメンバーの力であって先生の手柄ではありません。よく聞いてくれましたし、よく理解してくれました。ヘタクソな授業をガマンして受けてくれたメンバーに感謝とお詫びをいたします。
     ありがとう。そして、ごめんなさい。

     楽しく充実した2023年でした。力を尽くしてくれたメンバーと父母会のみなさま、そして指導スタッフの先生方に、あらためて深く感謝を捧げたく思います。
     来年2024年は池辺晋一郎先生をお迎えする一世一代の年になります。これまで以上のご支援を、よろしくお願い申し上げます。
     ありがとうございました。

     次回は早々の1月6日(土)。フェールマミの第1です。

  • 「あこがれ」についての宿題

    【令和5年12月23日(土)】
     冬休みに入りました。楽しく充実した年末年始になることを祈っています。また、受験生には苦しい季節ですが、どうかがんばってください。歴史的にも最も有名なお坊さんである日蓮の言葉を引用しておきます。
     冬は必ず春となる

     さて、今日は予定が狂いました。楽譜の残る1冊「夜明けのイソップ物語」が今日フェールマミに届くはずでした。だから嶋田先生は夜中にガンバって5曲目の「夜明けのイソップ物語」をデータ化し、今日はコンピュータを会場に持って行ったのです。
     ところが残念ながら、12時までに荷物は届きませんでした。だから楽譜を配るのも「夜明けのイソップ物語」の音取りをするのも、来週30日(土)ということになります。う~ん残念無念。

     で、集まったメンバーに「空にかいた12の童話」の中で一度も歌っていない曲に手を上げてください…と聞きました。すると
     ②もし、国民の祝日休日を決める係になれたら 1人
     ③もし、太陽になれたら 2人
     ⑤もし、空になれたら 2人
     ⑥もし、ぼくのパパになれたら 1人
     ⑦もし、りんごの木になれたら 1人
     ⑧もし、物語の主人公のともだちになれたら 4人
     ⑨もし、天気をきめる一番えらい係になれたら 2人
     ⑩もし、透明人間になれたら 4人
    ということが分かりました。つまり今日集まったメンバーは①アフリカ象…と④魔法使い…と⑪どうぶつ語…は「少なくとも一度は歌ったことがある」というメンバーだったわけです。
     結論を記せば、上の8曲をまがりなりにも全部通して歌ったので、今日集まったメンバーは全員が終曲「あこがれ」を以外の11曲を全て一度は歌ったということになります。
     これは非常に大きい成果で、先々週も今日もこのように効率よく練習が進むのは「一度でも歌った経験者」がいるからであり、その「経験者」がだんだん増えていくことで次の練習がさらに効率よく進む…という好循環を生み出すわけです。
     日本の経済もこのような「好循環」になると良いですね(笑)

     歌い終わった後、クイズを出しました。
    【問題】1曲目から11曲目まで全て「もし」がついています。では、なぜ12曲目には「もし」がついていないのでしょうか?
     この問題は全員に考えてほしいし、全員が答えられなければならない。そうでなければ「空にかいた12の童話」を歌えるようになっても何の意味もありません。
     今年は「池辺先生の話」について出し惜しみはしないので、今日、それとなく答えを話しておきました。
     それはですね。
     1曲目から11曲目までの「もし」がつく曲は、全て「そうなれたら楽しいし」「みんながそうなったら世の中ぜったい良くなるし」「そうなれたら幸せになれる」ものばかりなのですが、
     よ~~~っく考えると、
     太陽にも空にもりんごの木にも透明人間にも100%絶対になれません。もし、なれたら良いことはマチガイないのですが絶対になれない。でも、なれたらいいな。
     そう。いわゆる夢物語。
     夢物語ですけれども、ではこの11曲は「どうでも良い曲」なのかと言うとそうではない。
     世の中、人間の力では対抗できない「不幸」や「運命」が存在します。東日本大震災がそうですし、新型コロナウイルスだってそうです。あるいは生まれた瞬間にお母さんが死んでしまった子の悲しい運命だってそうです。これらは人間の力では対抗できません。
     それらの対抗できない「不幸」や「運命」を破りたい!!!
     その願いが11曲続くわけなんです。
     これに対して12曲目の「あこがれ」だけは「もし」がついていない。
     それはなぜかと言うと、「あこがれ」で歌われる「もの」になることは、ものすごくムズカしくて、そうなるためにはものすごい努力が必要で、そう簡単には絶対になれないのだけれども、でも1億分の1か1兆分の1か、もしかすると1億万兆分の1かもしれないけれど、なれる可能性はゼロではない。
     犬やネコやヘビに殴られるかもしれないけれど、
     「あこがれ」で歌われる「もの」に「なりたい」と思わない人がいたとしたら、
     その人の心には人間の値打ちはなく、
     その人の心は犬やネコやヘビ以下…と思うのです。
    その、「あこがれ」で歌われる「もの」って何だと思いますか?
     それを宿題にしておきます。
     嶋田先生は自分が「そうなれない」ことを知っていますが、心の底から「そうなりたい」と願っています。
     「あこがれ」で歌われる「もの」って何でしょう?
     宿題です。でも、詩を読めばすぐに分かります。

     「あこがれ」がどんな曲か、早く聴きたい人は

     あこがれ宝南小学校
     で検索してください。

  • みんなで助け合ってゆくもの

    【令和5年12月16日(土)】
     集まったメンバーに聞いて、今日は「一匁一丁」を歌うことにしました。「三つのわらべうた」の中で「一度も歌ったことがない」という子が一番多かったからです。もっとも「一匁一丁」を歌ったのは今までに1回だけで、しかも11月11日と18日の2回に分けて半分ずつ音取りをしました。むずかしい曲ですからね。
     結論を書きますと、その2回に分けて音取りをした曲を、今日は10時40分までの1時間10分で最後まで歌い通すことができました。
     つまり、11月に歌った時は正真正銘「全員が初見」「全員が初体験」だったわけですけれども、今日は半分以上が「1回経験している」メンバーだったのです。その経験者がいることによって、嶋田先生の指示が理解されやすく、全員が初見である時と比べて何倍も効率よく歌い進むことができたというわけですね。
     いつの日かは分かりませんが、今度3回目の「一匁一丁」を歌う時には、また何人かの初体験メンバーがいるでしょうけれども、経験したメンバーも今日よりもさらに増えているわけで、だから今日よりももっと効率的に練習が進むことでしょう。
     合唱というものは、このようにして「みんなで助け合ってゆくもの」なのです。

     後半は、「六つの子守歌」から「いつもの子守歌」を選びました。なぜかと言うと、「いつもの子守歌」はまだ一度も歌ったことがないからです。文字通り「全員が初見」「全員が初体験」の曲ですね。アハハ…♪
     それでもねぇ、12時までの1時間で全員が全部のパートを歌ってからハーモニーを作って最後まで歌い通しましたからねぇ。
     「一匁一丁」も初体験だったメンバーは2曲とも初めてだったわけで、それはそれは大変に苦しい練習になったことでしょう。ごめんなさいね。でも、今日の君たちの「苦労」は次に練習する時に「大きな力」になります。だから、がんばってくれたメンバーに感謝の念が絶えません。ありがとう。

     今年は、最初から嶋田先生が持っている財産を全て出し尽くします。同じことを何度も繰り返すかもしれませんが、「この話は半年後にとっておこう」などということはしない。
     毎回の練習で嶋田先生が持っている「池辺芸術の知識」と「表現方法」を全部投入していこうと思っています。
     で、次のように語りました。詩の一部を記します。

     誰もいない空に
     眠れない鳥が一羽おりました
     誰もいない空に
     風が吹きます

     詩はこのように、誰もいない海、誰もいない山、誰もいない街、と続き、それぞれに貝、熊、子供がいて、それぞれに波が寄せ、雨が降り、夜が更ける、と続きます。
     これを、本物の「鳥」「貝」「熊」「子供」をイメージしてちゃダメですよ…と説明しました。
     ピアノの前奏からして非常に乾いた冷たい印象の音が響きます。
     この響きを「誰もいない真夜中の病院の廊下」をイメージしてください…とも言いました。
     うす暗い電気の光だけが廊下を照らす真夜中の病院。なんだかオバケが出てきそうですが、そうではないのです。誰もいないように見えますが、そこには真夜中にもみんなのために働くお医者さんがいるのです。
     いつ急病人が運ばれてくるかも分からない、いつ緊急手術が必要な患者さんが救急車で運ばれてくるか分からない、だからお医者さんたちは(もちろん代わりばんこですが)真夜中でも眠らないで働き続けてくれているわけです。
     そこに「風が吹きます」と詩は歌うのです。

     病院だけではありません。警察、消防署、そして原子力発電所の職員さんたち。世の中には、ほとんどの人たちが寝静まった夜の夜中に、脈々と動き続けていてくれる人たちがいるのです。
     そのような「存在」に私たちは「支えられて」います。そのことに気付いていますか? と別役実さんは問いかけているわけです。

     今日は言いませんでしたが(何しろ歌い終わったのが12時ジャストでした)、だからこの「いつもの子守歌」は、ものすごく温かくて優しくて思いやりのある明るい声で歌う必要があります。
     この曲の歌い出しを、そんな温かくて優しくて思いやりのある明るい声で歌えたら、池辺先生は絶対に指揮を止めて「みなさん、良いですよ」とホメてくださることでしょう。
     これは絶対に間違いありません。
     その日を待ち遠しく、楽しみにしている嶋田先生です。

  • ひらいたひらいた

    【令和5年12月9日(土)】
     今日は「三つのわらべうた」の2曲目「ひらいたひらいた」を歌いました。
     「ひらいたひらいた」は小学校1年生の教科書に載っています。ただ載っているだけではなくて、名古屋の小学校で採択(さいたく・教育委員会がこの教科書を使おうと決めること)されている教育出版社の教科書にも、合唱団「空」の写真が掲載されている教育芸術社の教科書にも載っています。全ての教科書会社が「ひらいたひらいた」を載せることを義務づけられています。
     「ひらいたひらいた」は共通教材といって、文部科学省が全ての教科書会社に載せることを義務づけているものです。他の共通教材には
    ○夕やけこやけ(2年生)
    ○春の小川(3年生)
    ○さくらさくら(4年生)
    ○こいのぼり(5年生)
    ○ふるさと(6年生)
    など、各学年に4曲ずつ定められています。
     第22回定期演奏会で「空」が歌った「小学校で習う文部省唱歌集」の名演奏を思い出します。これはYouTubeに上がっていますから、ぜひもう一度見てくださいませ。

     それはともかく、1年生の教科書に載っていることからも分かるとおり、きわめて単純な短いメロディーが原曲です。
     この単純きわまりないメロディーを素材にして、池辺晋一郎先生が魔術を使うと今日歌ったようなハーモニーが生まれるわけです。驚くべきことだと思いませんか?
     もっと驚くべきことは、先週に引き続いて今日1回の練習で「ひらいたひらいた」を歌いきってしまったことです。楽譜を見てくれれば分かるとおり非常に複雑なアレンジで、これを歌いきることはカンタンではありません。それを全員が全てのパートを一度ずつ歌って、それでもって最初から最後まで通してハーモニーを作ったわけですからね。
     一度この事実を池辺先生にメールで報告しようかな…。

     後半は、「空にかいた12の童話」の楽譜を初めて開くメンバーがいたので、1時間で行けるところまで通してみようと思いました。
     これは練習ではなく、2回目3回目というメンバーは「思い出す」ことが目的で、初めてのメンバーは「どんな曲かを感じる」ことが目的です。だから「どんなに間違えても良いから、とにかく歌ってみろ!」と指示しました。
     全員で上のパートを歌い、下のパートも歌ってから、3回目で上か下かを選んでハーモニーを作る…。単純な方法ですが、上下両方のパートを全員が歌うことによって「和音感覚」を高めるのも大きな目的です。
     歌った曲は1曲目の「もし、アフリカ象の耳よりもっと大きな耳になれたら」から7曲目の「もし、りんごの木になれたら」まで。ブラボーな練習だったと思います。

     ラインでも送りましたが、明日は3回目となる日曜日サポート練習です。
     いつもと同じ9時30分から、フェールマミ第2の3階の会議室で。コンピュータを使って集まったメンバーの歌いたい(知りたい)曲を、ニーズに合わせてサポートします。
     誰が来てもOKです。