SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


イソップとグリムとアンデルセン

【令和6年1月20日(土)】
 練習開始10分前の時点では男子メンバーのの三人しか会場にいませんでした。しかしそれでクヨクヨするような嶋田先生ではありません。逆に
「よし。久しぶりに男の子の発声練習をやろうかな。カウンターファルセット(裏声)のトレーニングをやろう」
と思っていました♪そうしたら9時25分からゾロゾロゾロっとメンバーが入ってきて、けっきょくは普通に「曲を覚える」練習に突入しました。
 スポーツの世界では男子バレーとか女子サッカーとか、この男女平等が進んでいる世の中なのに男子と女子が別れている種目が多いですね。それは女子だって柔道やレスリングやサッカーやボクシングをしても良いんだけれど、男子と女子がマゼコゼになって戦うことはありません。それは男子と女子とに不公平があるのではなく、カンタンに言えば男子と女子とではパワーが違うからです。
 ライオンだって犬だってネコだって、オスの方がメスよりも強い。これは人間も生物である以上は同じです。
 なに? カマキリやバッタはメスの方が大きくて強いぞ!! だと?
おおっ、そう言う君は昆虫の博士だな。そう、確かに昆虫はメスの方がオスよりもはるかに大きくて強いです。カマキリなんかは交尾が終わったらメスがオスをバリバリと食べてしまいますからねぇ。
 おっと、脱線だっせん。昆虫と人間(哺乳類)とでは生物としての進化レベルが大きく違うのですよ。今、話してんのは「人間の話」ざんす。
 で、合唱でも(スポーツほどの差はないけれど)男子と女子ではパワーが違う。いや、パワーというよりも「発声のポイント」が違うのですよ。
 だから、いつか男子だけを集めて「男子ボイストレーニング」をやりたいなあ…と思っている嶋田先生なのでありました♪

さて、今日は「夜明けのイソップ物語」デーとなりました。
 まずは1曲目の「あさやけのこんこんぎつね」を練習しました。なぜかと言うとですね。「夜明けのイソップ物語」という組曲の全体構造の特徴を「あさやけのこんこんぎつね」を使って説明したかったからです。
 「あさやけのこんこんぎつね」は大きく分けると3つの部分に分かれます。
練習番号ABCDE → きつねがつるに意地悪しちゃった
練習番号FGHIJ → つるがきつねに意地悪しちゃった
練習番号K → イソップさんの教え
 それでですね。この曲は合唱団が二つに分かれるのですが、楽譜に書いてある「上のパート」と「下のパート」の役割がABCDEとFGHIJとで逆になるのです。つまり
「上のパート」はABCDE・FGHIJという順番
「下のパート」はFGHIJ・ABCDEという順番
それで、歌うメロディーは(歌詞は違うけれども)全く同じになってます。
 う~ん、文字で説明するのはムジュカチイなぁ…。いっぺん楽譜を見て確認チテちょうだいよ。
 似たような作り方が2曲目から5曲目まで一貫されています。

 この構造の話はともかく、練習日記として特別に報告しておきたいことは、この6分以上もかかる長い曲を最初から最後まで歌い通すことができたこと。これはきわめて効率が良かった。まぁ50分かかりましたけれど、「あさやけのこんこんぎつね」の音取りを最初から最後までで50分で通してしまう合唱団なんて、日本中探してもそんなにないと思いますよ。
 そして休憩後に、「くよくよガエル」と「群れたがらないアリ」まで、最初から最後まで通して歌ってしまいました。
 すなわち今日集まってくれたメンバーは、組曲「夜明けのイソップ物語」の中の3曲を「一度は歌ったメンバー」として帰っていったわけです。
 この
「夜明けのイソップ物語」の中の3曲を「一度は歌ったメンバー」
を今日一日で作ってしまうことができるとは、思いもよらないことでした。

 「イソップ物語」について少し解説。
 小学生のメンバーが知っている「童話」と言えば、イソップ物語とアンデルセン物語とグリム童話でしょうね。
 このうちハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805年~1875年 デンマーク)の代表作は「人魚姫」「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」「雪の女王」など。約170の作品を遺しています。
 グリム兄弟は、ヤーコプ・グリム(1785年~1863年 ドイツ)とヴィルヘルム・グリム(1786年~1859年 ドイツ)のことで、代表作は「白雪姫」「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「赤ずきん」など。
 とにかく両方ともごく最近の人で実在の人物。
 ところがギリシャのイソップは、楽譜にもあるとおり紀元前6世紀すなわち3000年前の人物で、もはや伝説の中の人。そういう人が本当にいたのかどうか証拠はありません。
 その代表作は
「アリとキリギリス」「肉をくわえたイヌ」「北風と太陽」「塩を運んでいるロバ」「ウサギとカメ」などなど。
 みなさんは、どの童話が好きですか?

 アンデルセンもグリムもイソップ物語も、いずれも大人用の岩波文庫や新潮文庫などで(絵本ではないものを)手に入れることができます。嶋田先生は大学生の時に全部買って読みました。小学校の先生になりたいと思っていたから、その準備のために読んだのですが、すごく役に立ちましたねぇ。
 「空」のメンバーも中学生くらいになったら、絵本ではないいわゆる文庫本で読んでみると面白いですよ。

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