SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


初見の曲を2曲

【令和5年12月2日(土)】
 今日は「三つのわらべうた」の3曲目「ずいずいずっころばし」を歌いました。アカペラは良いトレーニングになりますからね。
 理由はそれだけではなく、「だあれも知らない曲をやろうかなぁ」と言いながら楽譜を開きました。楽譜を開いた時には「半分くらいは行けるかな」と思っていた嶋田先生でしたが、結論を記すと何と最後までハモって歌いきってしまいました。
 これは全く想定外のことでありまして、事実1曲目の「一匁一丁」は半分ずつ2週間かけていたのです。だから「ずいずいずっころばし」を1回で歌いきるなんて思いもよらないことでした。

 曲は大雑把(おおざっぱ)に言えばロンド形式で書かれています。ロンド形式とは「違う異なる旋律をはさみながら、同じ旋律(ロンド主題)を何度も繰り返す形式」ですが、分かりやすく書くと
☆-○-☆-△-☆-●-☆
みたいな形式。☆のメロディーが何度も繰り返されて、☆と☆の間に違うメロディーが入ってきます。ベートーヴェンの「エリーゼのために」などが代表的なロンド形式ですね。楽譜を開いてください。
「ズイズズ ズイズズ ズイズズ ズイズズ」の4小節が☆です。
練習番号のA、BC、DEFG、H、Iがそれぞれ「違うメロディー」です。つまり
☆-A-☆-BC-☆-DEFG-☆-H-☆-I
となっています。同じ☆のメロディーがあるから分かりやすくて早く歌えるようになったのかなぁ…と思いますが、やっぱりメンバーの実力なんでしょうね。

 後半は「六つの子守歌」から「眠っちゃいけない子守歌」です。実はこの曲も、
「だあれも知らない曲をやりましょう」
と言ってスタートしたのですけれども、何と最後までハモって歌いきってしまいました。本当にびっくりしました。
 この曲については少し詩の説明をしました。

 眠っちゃいけない坊や
 目をつむっちゃいけない
 おきてなきゃいけない

 これはどういうことかというと、「見て見ぬふりをしてはいけない」「知らん振りをしていてはいけない」「現実や事実を知ろうとしなくてはいけない」という意味です。
 何に対してか…って?
 みんなの周りでよくある問題ならば「いじめ」でしょうね。
 大人の世界ならば「社会の不正」とか「政治と金の問題」でしょうか。
 もっと大きな問題ならば「戦争」です。
 こういった明らかな「悪」に対して勇気を持って立ち向かうことがいかに難しいことか、それは嶋田先生も感じていますし、みんなだって思うでしょう?
 詩は続きます。

 眠る子には星も見えないし
 眠る子には月も見えない

 そうです。いじめを見ても知らん振りをしているような子は、きっと「美しいもの」に対しても気付かなくなってしまう。「悪が見えない」子は「正義も美も見えなくなってしまう」ということです。
 そして、社会の悪に立ち向かおうとしない大人は、正義にも美にもドンカンな、つまらない人間になってしまう…ということだと思います。

 おまえはそんなに立派な人間なのか? って言われそうですが、立派なのはこのようなメッセージ性を持つ詩を生み出す別役実さんであって、嶋田先生はつまらない人間です。
 でも嶋田先生は、少なくとも「立ち向かえない自分」であることを知っていますし、「立ち向かうことのできる自分」になりたいと思っています。
 「空」のみんなは、いかがでしょうか?

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