SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


出し惜しみはしない

【令和5年11月11日(土)】
 今日は「空にかいた12の童話」です。
 先週は6曲目の「もし、ぼくのパパになれたら」までハモらせました。7曲目の「もし、りんごの木になれたら」は10月28日に練習しましたから、今日は8曲目の「もし、物語の主人公のともだちになれたら」からスタートしました。以下、
⑧もし、物語の主人公のともだちになれたら
⑨もし、天気をきめる一番えらい係になれたら
⑩もし、透明人間になれたら
⑪もし、どうぶつ語がしゃべれるようになったら
までを一気にハモらせました。そう、全員で上のパートを歌い、全員で下のパートを歌って、3回目は好きなパートで歌ってハモる…という「空」の伝統的トレーニングです。
 1曲に20分くらいの時間をかけましたが、それでソコソコ歌えるようになってしまうから大したものですね♪
 後半は、今日集まってくれたメンバーに1曲でも多く「曲を知ってほしい」という考えから約55分かけて最初から行けるところまで行ってみました。
 肝心なことは「曲を歌えるようになってほしい」ではなく「曲を知ってほしい」という点で、今日初めて歌う曲であっても1回だけ上のパートと下のパートを歌ってから3回目にはとにかくハモらせてみる…という超ウルトラ乱暴な方法です。
 とにかく歌ってみる…ということです。結果、
①もし、アフリカ象の耳よりもっと大きな耳になれたら
②もし、国民の休日をきめる係になれたら
③もし、太陽になれたら
④もし、魔法使いになれたら
⑤もし、空になれたら
までを押し通すことができたので、今日歌わなかったのは
⑥もし、ぼくのパパになれたら
⑦もし、りんごの木になれたら
⑫あこがれ
だけで、何と9曲を歌ったということになります。

 それぞれの曲について、いろいろなことを言いましたが、ソラノートでは「もし、天気をきめる一番えらい係になれたら」について記しておきます。
 まだ楽譜を手にしていないメンバーのために、詩を記しましょうね。

 もし、天気をきめる
  一番えらい係になれたら
 あしたは 世界的に はれ!はれ!はれ!
  てるてるぼうずの代表があつまり
  “あした 天気にしておくれ”
  “あした 天気にしておくれ”
 そこで決定 ― 世界的に はれ!

 あさって ところにより あめ!あめ!あめ!
  日でりでなやんだ野原の草木が
  “のどが かわいた水をくれ”
  “のどが かわいた水をくれ”
 そこで決定 ― ところにより あめ!

 もし、天気をきめる
  一番えらい係になれたら
 雪をしらない子がいたら
  白い雪をふらしてあげよう
 空をとんでる気球には
  やさしい風を送ってあげよう

 これが詩の全体です。
 三つの段落からできていますね。
 そして「明日は世界的に晴れ」「あさってはところにより雨」と歌われるのですが、この二段までは「どうでもよろしい」と言いました。
 一番から二番までは「前振り」と言って、テレビ番組で言えば「来週の予告編」みたいなものです。「もし、天気をきめる一番えらい係になれたら」の本質は第三段落(三番)の
 雪をしらない子がいたら
  白い雪をふらしてあげよう
 空をとんでる気球には
  やさしい風を送ってあげよう
にあります。
 「雪をしらない子」とは「愛を知らない子」「平和を知らない子」だと思ってください。
「愛を知らない子」って、いるんですよ。みんなは知らないだけです。
 平成8年から11年まで千種小学校の校長先生だった黒宮先生は、初めてのお子さんが生まれたその日に奥様を亡くされました。つまり、その生まれた子は、自分の誕生日にお母さんを亡くしたのです。黒宮先生はその後、男手一つでその子を育てられたそうで、立派に成長されたそうです。でもその子が知っているのは「お父さんの愛」であって「お母さんの愛」ではない。
 自分が生まれたその日にお母さんを失った子の悲しみ。適切な例ではないかもしれませんが、その子がどんな気持ちで入学式や卒業式を迎え、どんな思いで成長していったのかを想像できる子になりましょう。
 言うまでもありませんが「白い雪」とは「愛」であり、「やさしい風」とは「平和」です。
 自分は世界中の人たちを愛と平和で包み込んであげられるだろうか…。そんな人になりたいな。
 という自分に対する問いかけです。
 この第三段落(三番)にイメージの全てが集約されるわけですが、それにしても村田さち子っていう詩人は、すごい感性を持っていますね。
 この詩を受け取って、今日歌ったハーモニーを紡ぎ出す池辺先生の感性もすごい。
 ごめんなさいね。こりゃ歌ってみないと分からない話ですが、文字に直せばこんな表現にしかなりません。

 今年はこのように、最初から嶋田先生が持っている財産を全て出し尽くします。同じことを何度も繰り返すかもしれませんが、「この話は半年後にとっておこう」などということはしない。
 毎回の練習で嶋田先生が持っている「池辺芸術の知識」と「表現方法」を全部投入していこうと思っています。

 なに? なんで12曲目の「あこがれ」だけ三週間に一度も歌わんのだ?早く歌いたいがや! だと?

 それはねぇ…。今は「出し惜しみ」しておきます。歌った時に話しますし、その夜にソラノートに書きます。半年先になるかもしれません。

 なに? 言っとること書いとることと違うがや! だと?

 う~ん、ゆるしてくれい。
 ただ、嶋田先生は今日、フェールマミからの帰り道で頭の中に「あこがれ」のメロディーが浮かんできて、涙があふれてきました。喜びの涙でも悲しみの涙でもない、純粋な「あこがれ」の涙でした。
 そのことを今日は報告しておきます。

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