SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


熱い歌声

【令和5年10月28日(土)】
 もう一度、第27回定期演奏会は本当にありがとうございました。
 正確な音程、そこから生まれる調和のとれたハーモニー、そして何よりも新実先生・今木先生の指揮に集中して対応することによって生まれた温かい表現。
 どの角度から考えても「空」の「空」による最高の演奏会となりました。子どもたちの頑張りに改めて拍手を送ります。

 さて、今日から第28回定期演奏会に向けての練習がスタートします。
 11月中は(ひょっとしたら12月も?)池辺晋一郎先生がどのような音楽を作られる作曲家なのか、そこを紹介していくことを考えています。
「私は曲がったことが大好きです。だから、いつも曲がったことをしています」
とおっしゃる池辺先生。
「先生は曲がった人間…ということなのでしょうか?」
とNHKのアナウンサー。
「そうです。私は曲がった人間です。作曲家という…ね」
 そんな池辺先生の作品を4つ。
○「空にかいた12の童話」
○「六つの子守歌」
○「三つのわらべうた」
○「夜明けのイソップ物語」
 第28回定期演奏会は池辺先生の作品以外は歌いません。純粋な「作曲家自作自演の個展コンサート」とします。
 その理由は池辺先生の年齢と活躍にあります。来年で81才になられるのですが来年のスケジュールはほぼ満杯の状況で、本当に信じられないご活躍。メールしていても「昨日は姫路、今日は仙台、明日は金沢です」みたいな感じ。これウィークデーの話です。
 その池辺先生が来年の10月6日(日)20日(日)27日(日)を「空」のために空けてくださったのは奇跡的としか言いようがありません。
 ですから3年連続でお願いするなどという話はあり得ないことで、ご年齢から考えても「次はない」と覚悟しておくことは自然な話です。だから、池辺先生がお見えになるコンサートで池辺先生の作品以外を歌っていては「もったいない」というわけです。

 今日は「空にかいた12の童話」から
○もし、アフリカ象の耳よりもっと大きな耳になれたら
○もし、魔法使いになれたら
○もし、りんごの木になれたら
○もし、どうぶつ語がしゃべれるようになったら
この4曲の楽譜を用意して行きました。
この「空にかいた12の童話」ですが、タイトルのとおり12曲の構成です。その中の11曲が「もし、…」という言葉で始まります。最後だけ「あこがれ」なのですが、その理由はおいおい分かってくることでしょう。
 今日の練習で話したことは以下のような内容です。

「アフリカ象の耳よりも大きい耳になったら大変なことになります」
「本当にそんな大きな耳になりたいっていう気持ちではありません」
「世界中の人々の、悲しい気持ちや寂しい心や苦しむ思いなどに耳をかたむけて、分かってあげられるような、そんな耳(心)を持ちたい…というイメージです」

「魔法をどんどんかけていきますね。父さん母さん、やすし君にまりちゃん」
「そして、となりのおばさん、サッカーの先生、柴犬のジローに魔法をかけます」
「最後の最後は、世界中の人のために魔法をかけています」

「りんごの木になりたいって、なれるわけがありません」
「りんごは聖書では「聖なる果実」です」
「りんごのエキスは世界中の人々に安息をもたらすエキスです」
「池辺先生に「りんごの木になりたい」という言葉について次のように質問しました」
「これは、I hope to become the Apple Tree ではなく、I pray all People in the earth be Happy だと思うのですが、いかがでしょう? と…」
ちなみにI hope to become the Apple Treeとは「私は願う なることを アップルツリーに」で、
I pray all People in the earth be Happyとは「私は祈る 地球の全ての人々が 幸せになる」です。
「そしたら池辺先生は、「嶋田先生そのとおりです」と答えてくださいました。その模様はビデオにも残っています」

「世界でいちばん強い動物は誰だ オレだ!」
「世界でいちばん賢い動物は誰だ オレだ!」
「世界でいちばんワガママ動物は誰だ ………、オレ?」
「この気付きです。この反省、振り返りですよ」

ようするに4曲とも、「自分って何なんだ?」「世界の人々って何?」という問いかけです。それが分かってもらえたと思う。
このような「もし、」が11曲連続し、最後のフィナーレで「あこがれ」が歌われる。「空にかいた12の童話」はそのような構成です。

集まったメンバーが頑張ってくれたおかげで時間が余りました。そこで、「六つの子守歌」から「風の子守歌」を歌いました。この「風の子守歌」は池辺先生の最高傑作です。とても美しいメロディーでしょう。今日歌ったメンバーの感想を聞きたいものです。
最後の5分で「三つのわらべうた」の「一匁一丁」の出だしを紹介しました。

今日は期末テストが近いメンバーがいたことは百も承知。中学3年生・高校3年生は受験冬眠に入る、「空」にとっては苦しい季節ですが、集まったメンバーの歌声はとっても熱く、充実した練習だったと思います。

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