SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


湯山先生お墨付きの練習

【令和2年11月21日(土)】
今日は久し振りにフェールマミでの練習でした。つまりグランドピアノが使えるということで…
と、ここまで書けば「ははぁん、またアレをやったんだな」と思いつく先輩が多いと思います。
そうなんです。またアレをやりました。グランドピアノの弦を声の響きで鳴らすトレーニングです。このトレーニングは湯山先生も効果を認めてくださっている方法で、「嶋田先生、その秘訣を本に書いたらどうですか?私が出版社を紹介しますよ」とまで言ってくださいました。いわば音楽監督のお墨付き。「空」伝統の練習方法です。
嶋田先生がわざと大きな声やドナリ声を出しました。するとピアノは「ギャ~ン」と鳴ります。みんなが響きに気を付けて声を出すと「キーン」と鳴ります。合唱の声は「大きさではなく響き」だということが実感できます。今日が初めての体験だったというメンバーには貴重な時間になったことと思います。
今日は意図的に低い音域を使いましたから、ピアノが「カーン」と鳴る場面は少なかったのですが、一番大切な「ピアノが出している音の高さと同じ高さで声を出す」ことを重視して進めました。

このトレーニングの成果かどうかは分かりませんが、その後の練習でも今日は声が良く出ていて、声に伸びがありました。歌った曲は
「大漁」
「あめふりくまのこ」
「地球はひまわり」
「今生きる子どもマーチ」
「おはよう太陽」
「歌の広場」
「矢車草」
です。これらを歌いながら、これもいつものことですが「全部のパートを全員で歌う」というトレーニングを行いました。実はこの方法も湯山先生のお墨付きです。久我山のご自宅を訪ねた時、「普段はどういう練習をしているのですか?」との質問をいただき、「これこれ、こんな感じで、全員が全部のパートを知っている…という力を育てています」とお答えしたら、「なるほど。それが「空」の練習の秘訣ですか。素晴らしい方法です」とホメてくださいました。
今日は特に新しい方法を取り入れました。「おはよう太陽」を2小節ごとにソプラノ・メゾソプラノ・アルトを順番に歌っていく…という方法です。
こうするために浜田先生には「5小節目と6小節目を3回繰り返して弾いてください」とお願いしておいて
「おはよう たいよーうー(ソプラノの音)、おはよう たいよーうー(メゾソプラノの音)、おはよう たいよーうー(アルトの音)、木の葉の ベッドに(ソプラノの音)、木の葉の ベッドに(メゾソプラノの音)、木の葉の ベッドに(アルトの音)」
と歌っていくわけです。以下、「もえたつ緑の」を3回、「カバーをかけよう」を3回、「白いミルクの朝がきて」を3回、「地球は楽しく」を3回、「エンジンかける」を3回。
これで全員が全部のパートを自分の声を使って理解し、しかも高い声から低い声までの発声を全てカバーして、さらに互いのパートの音の関連性も耳と体で捉えることができる…という一石三鳥の方法でした。
これを、「いつものことだからねぇ」ってな顔をして平気でホイホイと歌ってくれるわけですから、本当にありがたいことです。これねぇ、みんなは何事もなく歌ったと思っているかも知れないけれども、実はそうカンタンにできることではないのですよ。

そうこうしながら「矢車草」には少し時間をかけました。久し振りに歌ったということもありますが、各パートに互いを助け合う工夫があるからです。ですがムズカシイ話ではありません。休符になっていて、ようするに歌わずに黙っているという部分を、メロディーを歌って互いにカバーし合おうという話です。これは楽譜を開いて見てくれればスグに分かってもらえることと思います。

休憩の後は先週に引き続いて「コタンの歌」のソロを全員で歌いました。ソロを知っていることも、実は全部のパートを知っていることと同じ意味があり、実は非常に重要なことなのです。
コンクールに出場する、優勝するためにある1曲を完璧に歌う、そのために自分のパートを徹底的に練習する。このような方法論があることは否定しません。事実、嶋田先生もNHKやCBCのコンクールで戦ってきた(まさにそれは戦いでした)人間です。ですが「空」の場合は「みんなで力を合わせる」「自分の高まりが仲間を支える」そして「自分が不十分なところがあっても仲間に支えられている」という「人間関係合唱」が目的です。だから自分が歌わない他のパートもドンドン歌う。そうすることによって「自分の力も確実に高まる」し、「仲間を支える力も高まる」からです。

コロナは本当に困ったものです。でも、こんなご時世だからこそ「みんなで一緒に力を合わせる」ことの実現は大切なことと考えます。先週も、今日も、そしておそらく来週も、表現の練習をしているように見せかけて、実は「みんなで力を合わせる」ための準備をしているだけだと言ったら、ちょっとカッコつけすぎですかねぇ…。

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