SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


曲に合った声 の大切さ

【令和2年10月17日(土)】
今日は「小さな目」、明日は「コタンの歌」。おおまかに立てていた予定です。「小さな目」は曲数が多いので、しかも曲と曲の関連が密接なので(湯山先生の音楽は多くの場合に前後の曲の関連性が強いです。「鮎の歌」も「コタンの歌」も同じです)、変な話ですが7曲目を歌ってから4曲目に飛んだり、1・3・5曲目と歌ったりすると変な感じがします。カンタンに言えば1曲目の次は2曲目、その次は3曲目…と歌っていくと自然に感じるし効率も良い。野球の打順と同じですね。
今日は全体に声の出し方が非常に柔らかく、温かい響きでした。だから自由に練習曲目を選ぶことができるなら、「夕やけこやけ」とか「ふるさと」といった曲を選んだことでしょう。
日本童謡協会の「全国童謡歌唱コンクール」東海北陸ブロック大会の審査員を18年間やっていました。出場者は東海北陸7県(愛知・岐阜・三重・静岡・福井・石川・富山)の県大会を勝ち抜いてきた人たちですから、それなりに上手な人たちばかりです。音程は正確、強弱などの表現力も十分、それでも全国大会に出場する1位を決めなければなりません。
そのポイントはどこにあったかというと(すなわち全国への代表1位と残念賞の2位とを分けた勝負所はというと)、その人の声の質(硬いか柔らかいか・ドラマチックかメランコリックか・生き生きしているかフワッとしているか)と、その人が選んできた曲の性格(硬いか柔らかいか・ドラマチックか…以下省略)とが合っているかどうかに尽きます。
数年前に子供部門で1位となった伴野さん(当時小学6年生)の声は明るくて硬くてドラマチックでした。選んだ曲は大中先生の「ドロップスのうた」で、その声と曲の世界とがピッタリと一致していて、まるで金色の空から虹色のドロップがキラキラと舞い降りてくるようでした。嶋田先生は審査員室に伴野さんを呼び、その場で大中先生に電話して本人を紹介し、電話を代わってあげました。本当に「ドロップスのうた」にピッタリの声だったのです。
今日の「空」の声は「サッちゃん」や「夕やけこやけ」だったらピッタリとハマっていて、気持ちの良いことこの上もない練習ができたことと思います。しかし、目の前に出てきた曲は「おうちの人」「ちゅうしゃ」「おとうちゃん」と並んでいたわけで、かなり苦労をしました。メンバーも苦しかったことと思います。
メッチャクチャ簡単に説明すると、「サッちゃん」にピッタリの声で「いぬのおまわりさん」を歌っているような感じです。メンバーの声の質は良いですし、音程が悪いとか発音が悪いとかいう話ではない。みんな、とってもきれいな声なんですよ。
しかし「いぬのおまわりさん」の声ではない。みんなが良いとか悪いとかではなく、「おうちの人」や「ちゅうしゃ」の声ではない…ということでした。みんな必死になって練習についてきてくれました。そして、少しづつ「けんかをしていると、すぐお父ちゃんがコラっと怒る」という声になってきました。みんなのガンバリに拍手です。おそらくは次に歌う時にはまた柔らかい歌声に戻ってしまっていることでしょうが、それで良いのです。次の時にまた同じことを先生は言うでしょうが、レベルアップする時間は短くなるはずです。練習とはそういうもので、「廊下は走るな」「手を洗え」「うがいをしよう」などという今週の目標は10年前あるいは30年前から少しも進歩していないのです。でも本人は少しずつ進歩し、少しずつ大人になっていく。それで良いんです。練習とはそういうものです。
そのかわり「ママへ」と「ふうりん」は良かった。ほとんど何も注文しませんでした。それから「えんそく」も良かったです。
そんなこんなで「小さな目」を全曲通すことができました。最後は楽譜を閉じてもう一度最初から通して歌いました。けっこう密度の濃い本格的な練習をすることができたことはメンバーのガンバリによるものです。拍手です。

今日は「うたはともだち」という歌集を配りました。一人1冊です。来週に誕生日が来る…というメンバーが「好きな曲をリクエストする」ことができるようにするためです。今日は誕生日の子がいなかったので先生が「赤いやねの家」という曲を紹介しました。なかなか良かったです。いつが誰の誕生日かは分かりませんので、「うたはともだち」は毎回持ってきてくださいね。

明日は大リハーサル室で「コタンの歌」を歌います。本来は湯山先生をお迎えしてのリハーサルになるはずでした。2日連続になりますが、合宿のかわりだと思ってください。みんなのガンバリに期待します。
少し早めに終わって、午後は有志参加で矢場町のナディアパークに移動し、第1スタジオで東海メールクワイアーの練習に1時間限定(13時~14時)で参加します。
11月1日のスペシャルジャンボスーパーリハーサルまで2週間。楽しく気楽に、しかし真剣に取り組みましょう。

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