SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


「カンで歌う」ことに特化

【令和2年10月10日(土)】
先週・先々週と「鮎の歌」を中心に練習を組んでいましたので、今日は何がどうなっても「小さな目」を練習しようと思っていました。できることなら全曲を歌えると良いな…とも思っていました。
結論を記せば、この予定どおりに「小さな目」全曲を歌い、返す刀で「雉」「わさび田」「猪譚」を1回ずつ歌うことができました。とても効率が良く、集まったメンバーの集中力に感謝です。
集まったメンバーは多くはなく、しかもパートの人数バランスが悪かったので、先生の鍵盤ハーモニカは主にメゾソプラノを担当し、したがって細かい表現よりも歌詞と音程の確認を中心としました。
表現に関する細かい「約束事」は統一した演奏表現を作るためには欠かせないものです。ですが音楽にはもっと大切なことがある。それは歌うメンバーが「自信をもって歌うこと」です。自信がなくてフニャフニャしていたら「約束事」をいくら決めても底のないバケツで水を汲むのと同じになってしまう。
極端に言えば「約束事」などいっさい決めず、ひたすら歌詞と音程とハーモニーの練習だけを積み上げて本番のステージに立ち、どこでクレシェンドしたりテンポを動かしたりするかは、ステージの上で即興表現(そっきょうひょうげん)をする…という方法もあります。シューベルトやショパン、リストやフォーレなどの名曲に「即興曲」という曲があるくらいです。
もっとも「即興曲」と「即興表現」とは少し意味が異なるんですけれどもね。今「ソラノート」に書いている「即興表現」とは「歌うメンバーのイメージに任せて自由に歌う」という意味です。
今日あるいは先週・先々週のような「集中力」があれば、そのように「即興表現」でステージを組むことも可能でしょう。
しかしそれが可能となるためには、歌詞と音程とハーモニーシッカリしていて自信がなくてはなりません。今日は集まってくれたメンバーに、そういう練習をしてみました。
たとえば「べんとう」。メゾソプラノとアルトにはほとんど歌詞がありません。「ディンバン」とか「ダ、ダダー」とかを繰り返すだけです。ですが所々に音程が変化する部分があり、よっぽど楽譜をよく見るか、あるいは覚えてしまって見ないで歌うか、どちらかしかありません。何度か繰り返して歌った後、楽譜を見ないで歌ってもらいました。どこでどう音程が変化するかは「カンで歌うんです」と言って「カンを鍛えましょう」と目標を設定しました。それでもってチャンと歌えるわけですから、この目標は合格です。
全10曲を一通り確認した後、「では10曲全部、楽譜を見ないでカンで歌いましょう」と言いました。ただしP50~51の歌詞のページなら見ても良いこととしました。つまり音程とハーモニーは「カンで歌う」ことに特化したわけです。でも乱れることはほとんどなく、平気な顔で(心の中が平気だったかどうかは分かりませんが)歌い通すことができました。人数の関係でバランスは十分ではなかったけれど、けっこう良い線いってるって感じでした。ありがとう。
その後、組曲「鮎の歌」から3曲を歌う余裕があったことは最初に記したとおりです。

今日は、その他に第25回定期演奏会(令和3年10月31日)に向けて、「白いうた青いうた」の楽譜を配りました。全53曲の楽譜です。ホームページの団員専用ページにアップされている53曲の音源と合わせて、目と耳で「白いうた青いうた」がどういう音楽か、理解してもらえるようにしたわけです。53曲全部を聴くことは一週間や二週間ではできないことは分かっています。ゆっくりとヒマにまかせて聴いていただいて、「この曲を歌ってみたいな」という思いがメンバーの中に膨らんでくれることを祈っています。第25回定期演奏会でどの曲集を歌いたいか、最終的にはアンケートを取りますが、そのアンケートの実施は1月か2月になると思います。気ままに聴いてくださいね。

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