SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


命って不思議だな

【12月14日(土)】
今日は浜田先生が本番?で、アカペラ(無伴奏)での練習に終始しました。ピアノの伴奏は美しいものであり、テンポを示してくれますから指揮の代わりにもなり、特に少年少女合唱には欠かせないものです。
しかし、ハーモニーを作る場合にはピアノの助けに頼ることなく、自分の声と相手の声との関係を純粋に聴き合うことが必要になるので、時には伴奏付きの楽曲をもアカペラでトレーニングすることは極めて有効な方法となります。
まずは「わたりどり」。この曲は元来がアカペラなのでスタートにはもってこい。「わたりどり」という言葉を「自分自身」と置き換えてイメージして歌ってほしいと願っています。

あの光は 未来に向かう私自身
あの輝きは 未来の私が目指す目標(雪)
その目標は遠ければ遠いほど 空のように青く澄み
その目標は高ければ高いほど 山のように彼方に波立つ
あぁ あの乗鞍を目指す鳥のように
私は光になって今 飛び立つのだ

ホントに美しいハーモニーを響かせることができます。「空」の音程は完璧でした。
「海の若者」。短い曲ですが4つの部分に分かれています。
第一は、海で生まれた若者を祝福する喜びの場面。生き生きと思いっ切り明るく歌いましょう。
第二は、「ある日…」から始まる、若者の死を告げる場面。ここは少し悲劇的であっても良いと思います。
第三は、「もしかすると…」から始まる、若者が「次の世界へ歩み込んだ」と告げる場面。この部分をどう歌うかで表現の骨格が決まるように思います。「次の世界」とは「天国」であり「あの世」なのですが、もう少し高いレベルで考えると「彼が行くべき世界」と言うことができます。
今、私たちは「この世」に生きているのですが、私たちには理解できない「あの世」というべき世界があるのではないか。
分かりやすいく言うとですね、嶋田先生が大中先生にお願いして「うたにつばさがあれば」のオレンジ楽譜を作った時、今の「空」のメンバーのほとんどは「この世」にいなかったのです。つまり「あの世」にいた。その「あの世」にいたメンバーが今、「この世」にやってきて「うたにつばさがあれば」を歌ってくれるわけです。
みなさんは「あの世」にいた頃、みなさんは「うたにつばさがあれば」を歌え!という神の指令を受けて「この世」にやってきた。その時、「あの世」に残された人々は、みなさんがいなくなってしまったことを悲しみ、みなさんのために小さな墓を建ててくれたと思います。
滝廉太郎は24才で天へ帰ったのですが、彼は「この世」にいるべきではなく、もっと偉大な仕事を「あの世」でするために「この世」から去っていったと考えるわけです。
「あの世」の存在を理解できない私たち凡人は滝廉太郎が死んだとしか考えることができず、ただ悲しむことしかできない。しかし「命」というものの本質は、「この世」にいるか「あの世」にいるかは同じ価値があり、みなさんが「あの世」から「この世」にやってきて「うたにつばさがあれば」を歌ってくれるのと同じように、滝廉太郎は今「あの世」で活躍しているだけだ…という思想です。
ムズカシい話は止めましょう。でも、みなさんが「あの世」にいた時に「うたにつばさがあれば」ができたことは事実です。みなさんは「あの世」の神様に「おまえは「うたにつばさがあれば」を歌うために次の世界へ行け」と言われて「この世」にやってきたのかも知れない。そのくらいのイメージは持って歌いましょう。第四の「墓を建てた」の部分は、だから「暗く」「悲しく」歌えば良いという話にはならないワケなんです。
ムズカシい話は止めて「命って不思議だな」。これだけで十分です。
「秋の女よ」は、みなさんにとっては「おばあちゃん」であり「お母さん」です。おばあちゃんもお母さんも、みなさんのことを愛してくれています。だから、おばあちゃんやお母さんにとって「愛するもの」とはみなさんのことです。
おばあちゃんやお母さんが生きるっていうことは、1歩1歩「愛するもの」すなわちみなさんから「遠ざかる」ことを意味します。愛するものから遠ざかる終点を「死」と考えるならば、私たち人間は全て1歩1歩その終点に向かって歩いています。「生きる」ということは「死」に近づいていく…ということです。そしてそれは嶋田先生を含めて、みなさんも同じ。みなさんは「うたにつばさがあれば」を歌うために「この世」に来てくれましたが、1歩1歩再び「あの世」に向かうために歩みを進めているのです。だからみなさんは今「春の女(男)」かもしれないけれども、絶対に必ず「秋の女(男)」になる時がやってきます。そのことだけは知っておいてほしいけど、ムズカシい話は止めましょう。
ムズカシい話は止めて「命って不思議だな」。これだけで十分です。
「草原の別れ」は「わたりどり」と同じです。卒業式で歌われるのに最もふさわしい曲です。

あじさい色に華やぐ空が私の目標
青く光る山が私の理想の姿
今 出発しようとする私に
風が別れ(出発)の時をそっと告げる
私の未来に広がる草原(行くべき道)は輝いている
さぁ、さわやかに出発せよ と言うように
また戻ってくるぞ 故郷へ
また会おう かけねない親友よ
再会の日まで 健やかに

これらのイメージを表現に生かすためには音程が決まっていなければ話になりません。だから今日は何だかんだと言いながらも、音程を確認し確立させた練習でした。しかし、「空」の音程は極めて正確であったと断言しておきます。ありがとう。
次回21日(土)は、午前中に音程とイメージの最終確認をした後で高蔵小学校に移動し、午後からの合同練習に臨みます。東海メールクワイアーを含めた大人150人くらいを合わせて、総勢200人の大合唱です。みなさんにとっても良い経験になることでしょう。
練習指揮者は嶋田先生が務めます。だから安心してついてきてください(笑)。
体育館での練習になりますから、スリッパあるいは体育館シューズを持ってきてくれると良いと思います。高蔵小学校の教頭先生がスリッパを用意してくださるとは思いますけれども(笑)。
よろしくお願いいたします。

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