SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


全員を同じ方法で揃えることはしない

【9月2日(土)】
今日は久しぶりに練習に来てくれた仲間を含めて集中した練習をすることができました。恒川さん、高倉さんの側面支援も大きかった。通すだけとは言っても「北陸の子ども歌」を全曲歌い切ることができました。

まずは明日9月3日に歌う大中先生の曲です。団歌「うたにつばさがあれば」を大中先生に聴いていただくのは昨年の11月以来。その間、「うたにつばさがあれば」は7月1日にカワイ出版から正式な商品楽譜として発売され、今は全国の店頭に並んでいます。多くの合唱団で歌われるといいですね。
「空」の子にとっては手の内に入った歌ですから、ほんの少し音程を確認しただけでOK。ソロを誰にするか…という問題がありますが、本番直前に決めることにしました。これは誰でもソロができる…ということです。「この子しかいない」「この子に決まってる」という状態なら全員がナットクして「その子」に決めるしかないのですが、誰でも良い…という状態は極めてレベルの高い話…と言うことができるでしょう。まあ、「団歌」ですからね。そのくらいのレベルでなくては困りますけれども(笑)。
「ブランコ」はメロディーの確認を優先しました。あっ危ないと思ったらメロディーを歌えば良いのです。メロディーが確立していてこそのハーモニーですから、楽譜通りのパート分けを忠実に守る必要はなく、最初から最後までメロディーを歌い通す子がいても、それは少しも恥ずかしいことではありません。(頭の固い部活の指導者なら絶対に楽譜通りのパート分けを貫き、つまり歌う人に押し付けようとするでしょうけれどもね)
そのハーモニーですがレファラの和音が基本です。このレファラの響きを捉えていれば、まず崩れることはありません。とにかく明るく、星が満天にキラメくようなハーモニーを作りましょう。歌詞の確認をお願いします。
「わたりどり」は歌うかどうか分かりません。成り行き次第です。会の進行に合わせて、ピアノが出るか無伴奏でいくか、それは主催者(矢代さん)にも分からないようです。もし歌う機会が無くなったらゴメンナサイ。ですが、「わたりどり」のメロディーを知っている子どもって、ホントにステキです。アニメの主題歌やAKB48も良いですけれでも、日本を代表する作曲家の渾身の名曲を知っている子って、いいな。先生も、そんな子になりたかったよ。

「北陸の子ども歌」は5曲目「北陸づくし」から。この曲が一番難易度が高いと思われるからです。結論を記せばP55の67小節目から最後まで楽譜を閉じて歌うことに成功しました。「目が見えなくなった。さあ、どうする?頼るのは指揮でもなく楽譜でもなく、自分の耳と研ぎ澄まされた感覚と、集中力のみ。歌詞を間違えても音程が狂っても問題ではない。この練習で高めたいのは、その耳と感覚と集中力。歌詞や音程ではない」と5回も6回も繰り返して説明しました。でも、今日の時点で67小節目から最後まで楽譜を離して歌うなんてスゴイことだと思います。この部分に関しては、みんなも少し自信が付いたのではないでしょうか。そして肝心なことを記しておきますが、この時間に覚えたことは感覚の奥底にしまっておけば良く、記憶として残す必要はない。速い話が帰りのバスや地下鉄の中でスッカラカンに忘れてしまっても良いのです。感覚が大事。だからCDを聴くだけでも、その感覚は十分に養えます。

4曲目「加賀の子ども歌」はスローテンポなので、音の確認は大丈夫です。抒情的な歌い方を高めたいところですが、そこは指揮者の力量にかかっています。今後を待ちましょう(笑)。

3曲目「遊び歌」は早いテンポで「北陸づくし」に並ぶ難曲です。パートごとに歌い出すタイミングが分かれていて(たとえば30小節目)、歌い出しに高い集中を要求されます。で、作戦会議。たとえばこの30小節目ですが、ソプラノとメゾソプラノの休符を無しにして、ソプラノは「木は木で 木は木でしょ」と歌い、メゾソプラノは「木は 木は木でしょ」と歌う。そうすることによって全員が30小節目をバシッと歌い出すことができるわけです。同じことが236小節目や240小節目にも言えます。236小節目のソプラノとメゾソプラノは「おん おんどり十羽が」と歌えば良く、240小節目はソプラノは「おん おん おんどり」メゾソプラノは「おん おんどり」と歌えば出だしが揃います。このような個所はいっぱいありますが、全てそのように歌うように提案しました。提案はしましたが、実際にそう歌ってみて、そして楽譜どおりに歌ってみて、「自分の身体に聞いてください」と言いました。どちらの方法が歌いやすいか、それは各自で異なるはずです。各自が歌いやすい方法で歌うように。これが「空」の結論です。全員の方法を揃えるようなことはしない。

2曲目「眠らせ歌」と1曲目「毬つき歌」は通しただけになってしまいました。ですが、まがりなりにも1時間かそこらで全曲を通したわけで、前述の大中先生の曲と合わせて8曲。150分で8曲ですから1曲平均18分。すごい集中力でしたね。先生はもう疲れたよ~ん。

というわけで、明日の大中先生記念パーティー、よろしくお願いいたします。

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