SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


「いぬのおまわりさん」は最高のトレーニング曲

来週に迫ったセントレア空港でのコンサートで歌う曲を練習するのが今日の目的ですが、そこに何をプラスアルファするか、何かをプラスアルファしたい…と思っていました。

まずは「きよしこの夜」です。英語は上手ですね。聞いていて、不自然な感じは全くありません。う~ん、これは嶋田先生のフリガナの打ち方が天才的だということでしょうね???はたまた、みなさんの英語のセンスが高まったということでしょうか。

編曲したのは嶋田先生です。何を考えて編曲するかというと、この編曲が100年先にも歌われているなどということは露ほども考えていない。この12月18日のコンサートだけのために、いやいや、今の「空」の子どもたちに、こういう力を付けてほしい…という願いだけを持って編曲したわけです。

だから使い捨て。今回限り。しかも来年とか再来年の「空」のためでもない。今いる子どもたち、今集まるメンバーのために作ったものです。

それは「転調」と「音符を見てすぐ音が分かる」と「高音」の力です。

「転調」は、すごく上手くいっています。ハ長調からニ長調への転調ですが、頭の中で音を鳴らして1音高い音で歌うことは、すばらしく上手くいっています。これさえできれば、ニ長調からホ長調へとか、ホ長調からへ長調へなど、どの高さにでも対応できますから、すごく嬉しいです。

次の「音符を見る力」ですが、これも上手くいっています。ハ長調だからということもありますけれども、今実際に自分の喉から出ている音から次の音を予想して声を移動させていくことは、ほぼ完璧ですね。このようなトレーニングは「きよしこの夜」のようなスローテンポの曲だから可能となることで、たとえば「四国の子ども歌」の「手毬歌」では不可能です。不可能ですがテンポの速い曲でも必ず応用できる力ですから、この時期にこのような練習をしておくことは大きな意味があります。

最後の「高音」はアルトの子には辛いかもしれません。ですが高いソまではソプラノだろうがアルトだろうが出せるようにしておきましょう。セントレアコンサートの本番で「危ない」と思ったら誤魔化せば良いのです。セントレアコンサートが上手くいくかどうかよりも大切なことは、この練習に取り組むことで全員が「髙いソ(G音)が出せるように挑むかどうかです。

「きよしこの夜」はOK。問題は、「いぬのおまわりさん」と「バナナを食べる時のうた」です。

「いぬのおまわりさん」の音程については先週書きました。これ、ものすごくムズカシイのです。あっ知ってるよ…なんて言って気楽に歌える歌ではない。聴かせるように音程をハメることはプロでも大変です。

逆に言えば、音程に関する良いトレーニングになる曲です。ですからメロディーを全員に一人で歌ってもらいました。嶋田先生も歌いました。本気モードで、全力で音程に気を付けて歌いましたが100点とは言えません。それは聴いてくれた子どもたちにも分かったと思います。そして子どもたちは、嶋田先生よりも正確な音程で歌える子は少ないですから、当然のことながら100点ではありません。

大切なことは、「自分の音程は完全ではない」と自分で分かるか…ということです。歌いながら「危ない」「しまった」「おっとっと」「あれっ?」なんて思ってくれていたとしたら、それはもう素晴らしいことです。

学校の授業でも同じですが(特に算数)、自分が何が分からないかとか自分が何ができないかということを自分で分かっている子は、もう分かる・できるに結び付く直前なんです。困る子は、自分が何を分かっていないかとか自分ができないことは何かを分かっていない子で、こういう子に対しては嶋田先生の場合、カルテを作って何年生のどの段階からつまづいているかを分析して指導しました。ずごく時間がかかり、本人も苦しい取り組みになります。

自分の歌声が完全ではない、自分の音程には問題がある…と自覚している子は実は素晴らしいわけで、絶対に必ず進歩します。「いぬのおまわりさん」はこの問題に対して素晴らしい示唆を与えてくれました。大中先生は、このために来てくださったのかな…。

「バナナを食べる時のうた」は、これはまた全く違った課題を突き付けてきます。面白い歌を面白く歌う…。これがいかにムズカシイか…ということです。「空」の子たちは、みんな基本的に真面目な子なので、このようなズッコケた歌を面白くズッコケて歌うことが苦手です。この曲ではなくて「おはよう太陽」などにしておけばセントレアコンサートはとりあえずクリアできることでしょう。しかし、苦手なことに今、取り組んでおくことは絶対に意味があります。

それに比べると、「うたにつばさがあれば」は(練習回数が少ないから粗削りな部分は当然ありますが)かなり聴ける表現になってきました。大中先生が来てくださったのが11月19日。その日から練習を始めて全曲を歌っているわけですから、たいしたものだと思います。

トレーニングの時間が長くなり休憩に入るのが遅くなりました。再開したのは11時30分です。

残り30分で何をするか、瞬間の判断です。折も良く、恒川さんが「ヴィヴァルディが見た日本の四季」「くちびるに歌を」のCDを配ってくれましたから、「くちびるに歌を」の中から「白い雲」を練習することにしました。やったのは冒頭からP12の上段の、しかもメロディーだけで、ハーモニーはやっていません。

何を言ったかというと、配られたCDを聴いて「あぁ、なるほど。こういう曲なんだ」と手助けになるように、曲そのものを経験しておく…ということです。だから気楽に、マチガイOK100パーセントで歌い飛ばしました。

しかし、魅力的な美しいメロディーだと思います。湯山先生の音楽とは全く種類の違う魅力があると嶋田先生は思っていますが、みなさんはどう感じてくれたでしょうか。

ぜひCDを聴いてみてください。

それから、セントレアコンサートはOBのみなさんの力を借りたいです。「うたにつばさがあれば」を歌える人は当日に集合をお願いします。たまには助けてくれよ(笑)。

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