SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


【令和5年8月12日(土)】
合宿は本当にご苦労様でした。大きな成果がありましたね。
また来年もキャンプファイヤーをやりましょう♪

さて今木先生と打ち合わせをして、10月22日までの指揮者の先生のスケジュールが完全に固まりました。

8月19日(土) 今木先生 ジブリ名曲集を1回通してから「なによりもまず」
8月20日(日) 新実先生 「はたおりむし」「ねむの木震ふ」「生まれてから」とアンコールのまとめ①
9月16日(土) 今木先生 ジブリ名曲集 まとめ①
9月17日(日) 新実先生 「はたおり」「ねむの木」「生まれて」とアンコールまとめ②
10月7日(土) 今木先生 ジブリ名曲集 まとめ②
10月15日(日) 新実先生 「はたおり」「ねむの木」「生まれて」とアンコールまとめ③
10月21日(土)午前 今木先生ゲネプロ
       午後 新実先生ゲネプロ

そういうわけで、今日は曲集「はたおりむし」からスタート。
今日は音取りは完全になし。どのように歌うか…という「表現に特化した練習」でした。
本当はもっと早い時期から、この「表現に特化した練習」を始めたかったのですが、先週も書いたとおり嶋田先生の計画性の問題で今日となりました。申し訳なかったです(涙)
曲集「はたおりむし」は8曲とも表現を練り上げて歌うことができました。
本当は曲集「ねむの木震ふ」まで歌いたかったのですが、さすがに2時間30分ですから無理でした。
と言うよりも、2時間と少し(休憩があるから)で8曲もの「表現」を具体化することができたのですから、まぁ「空」が本気になれば…というか「空」本来の「力」というか、とにかく信じられない効率だと言うことができるでしょう。
やったことは主に4つです。
○rit(リット 遅くする)の表現
○フォルテ・ピアノ・クレシェンドデクレシェンドの強弱表現
○声の表現 明るさ・暗さ・安らぎ・怒りなど
○歌詞の意味
いずれも文字で書くことは不可能ですから(不可能ではないけれど文字数10000文字を超えます)書きませんが、ひとつだけ。
それは今日が8月12日であり、3日後が終戦記念日であるということです。

今回の定期演奏会では明らかな「反戦歌」が3曲あります。「反戦歌」とは「戦争に反対し平和を願う歌」で、つまり「八月の手紙」「ぶどうとかたばみ」「壁きえた」の3曲です。
「島原」も戦いの歌ではありますが、これは徳川家光の時代に今の長崎県で起こった「島原の乱」を歌っていて、歴史的な側面と「神を信じる」という側面から、「反戦歌」と分類することはできないでしょう。

それはさておき、「八月の手紙」の中にある「北の夕日しずむ」という歌詞を噛みしめてください。
「北の夕日」とは「ありえない夕日」であり「ありえない世界」であり、つまり「戦争をやってしまう世界」のことです。
最初の「だから何を消したいの」という問いかけには「それは戦争の思い出を消したいのだ!」と言い切ることのできる子になってください。
もちろん嶋田先生を含めて合唱団「空」は誰も戦争の経験はありません。だから
「ボクは戦争の思い出なんか持ってないもん」
というリクツには一理あります。
だけどねぇ。自分が経験したことのないことを想像してイメージして、あたかも自分が経験したのと同じレベルで喜び、悲しみ、祈り、怒ることができる「力」を「思いやり」と言うんですよ。
みなさんに質問ですが、本当の真実の真剣にイジメられたことのある子はいますか?
たぶんいないと思うのです。
でも、みんなは、本当の真実の真剣にイジメられた時の「辛さ」を想像しイメージすることができるでしょう?
だから「空」のみんなはイジメなんかしないんです。
しないんじゃなくて、できないんです。みんなは。
なぜですか?
それは「思いやり」がある子だからです。
だったら、イジメでも戦争でも、経験したことのないイメージの世界です。
でも、みんなはイメージの「力」で、本気になって「戦争に反対し平和を願う」ことができるはずです。
「北の夕日しずむ」という歌詞は、そのような気持ちで歌ってください。そのような気持ちになればそのような声になります。
「ぶどうとかたばみ」などは最初から最後まで、そのような声が必要ですね。
少なくとも「ぶどうとかたばみ」を「ビリーブ」や「となりのトトロ」と同じような声と表情で歌っていたら、それは単なる「アホの集団」です♪
ぜひ「ぶどうとかたばみ」の詩を読んでおいてください。

今日は歌いませんでしたから「壁きえた」を少し説明しておきます。
「西と東」という歌詞は「西ドイツと東ドイツ」のことです。第2次世界大戦の後、ドイツは西と東に分断され、その真ん中に「ベルリンの壁」という巨大な壁が作られました。古い世界地図(40年くらい前の)があれば、その地図ではドイツは2つに分かれているはずです。
日本で言えば木曽川のあたりに巨大な壁が作られて「西日本と東日本」とに分断された…と思えば良いでしょう。
嶋田先生が住んでいるのは名古屋ですが、先祖のお墓があってつい最近まで父親が住んでいた家は三重県の津市です。だから木曽川で日本が分断されれば、嶋田先生は父親と壁に遮られた別々の国として引き裂かれ、決して会うことはできないことになります。
そのような状態がつい最近までドイツでは行われていたのです。
グーテナーベント(guten Abend こんばんは)と言っているペーターは西ドイツに、グーテンモルゲン(Morgen おはよう)と言っているローザは東ドイツに、それぞれ28年もの間引き裂かれていた夫婦なのではないでしょうか。
その二人が交わす「おはよう」は、みんなが友達や校長先生と交わす朝の挨拶とはゼンゼン違う「おはよう」です。
イメージできるかなぁ、みんなは。
嶋田先生は「空」の子ならイメージできると思っています。
ちなみに「壁きえた」の最後の「人の祭り」とは「人間が起こした戦争」という意味であり、だから「まわれ かわれ」と叫んで詩は結ばれるのです。

さて次回の土曜日は今木先生、翌日の日曜日は新実先生です。
不安なところはあるでしょうが精一杯に側面支援しますね。
お互いに助け合い、カバーしあって乗り切りましょう。
力を貸してください。よろしくお願い申し上げます。

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