SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


う~ん、どう考えても不思議。

【令和5年3月26日(日)】
いやぁ、恐れ入りました。今の正直な感想を書くと

「スプリングコンサート」ではなく「第27回定期演奏会」というタイトルにすれば良かった…

という言葉になります。
つまり3月26日に第27回定期演奏会をやって10月22日は第28回定期演奏会にしてしまう。それでも十分に通用する出色(しゅっしょく・輝きを放つこと)の演奏水準でした。
一週間前には、まさかここまでのレベルで歌うことができるようになるとは思ってもいませんでした。う~ん、どう考えても脱帽です。それ以外の言葉は見つかりませんね。

朝イチのリハーサル室での歌声からして、非常に声の密度が高く、歌い合わせること・聴き合わせることへの集中の度合いが極限にまで高まっていました。だからあの「君をのせて」の響きが生まれたわけです。
リハーサル室での「君をのせて」は録音も録画も残っていないはずですが、ものすごく集中した密度の高い演奏でした。音楽が終わる瞬間までギリギリと張りつめた糸のように凍りついた響きが継続し、嶋田先生が指揮棒を下ろすと同時に一気にその緊迫が解き放たれて「普通の子どもの顔」になる…という、そんな感じ。
それが浜田先生恒川先生その他のメンバーからの指摘で「さあ出かけよう」から動く表現へと変わり、さらに「父さんがくれた」からたたみ掛ける表現へと進化しました。
つまり、本番のステージでは、リハーサル室での表現からさらに進化した全く別物の表現が生まれていたわけです。
う~ん、どう考えても不思議。

このような流れが現実のものとなるためには「それまでに何をしたか」が重要だと思うのです。
つまり、WBC決勝での大谷の投球や村上のホームランが、あの日のあの場での集中力から生まれたことは事実ですけれども、あの日のあの場面になる前の数年間・数ヶ月前に「何をしていたか」ということが実を結んだわけで、決勝での一投一打は決してあの夜だけに生まれたものではない…ということです。
3月26日の「スタジオジブリ名曲集」は、その前の一週間、もっと言うと今木先生の練習が始まった数ヶ月前の練習から生まれたものであって、決して3月26日のガンバリだけで生まれた表現ではない…ということですね。
これは確かなことだと思います。いや、「思います」ではなくて断言できます。

嶋田先生としては、このメンバーのこのステージに立ち会うことができた幸せ…という感じです。これはおそらくWBCのメンバーであの試合に立ち会うことができた栗山監督と同じ「思い」でしょう。スケールは違いますけれどもね。

何よりも重要なことは、その直前の練習まで、「3月26日のステージには立てないけれど」練習を共有していた仲間がいる…ということです。
これはケガなどでWBC本番に参加できなかった鈴木選手や栗林選手と同じです。だからWBCのベンチには鈴木と栗林のユニフォームがずっと置いてあった。
スプリングコンサートでの表現は、直前の一週間、今木先生の練習が始まった数ヶ月前の練習を共有していたメンバー全員で「生み出した力」です♪

そして、さらに重要なことは、3月26日は通過点だということ。ここからさらにどんな進化が生まれるか…。それが今から始まる合唱団「空」のドラマですね。
栗山監督のような「力」はありませんけれども、嶋田先生は自分が持っている全てを投入して、メンバーの支援に当たっていく覚悟です。

「水のいのち」も予想以上のレベルでした。
嶋田先生としては「スプリングコンサートはどうなっても良い」とは思っていませんでしたが、「多少の失敗やガタガタがあっても良い」とは思っていました。そもそも女声コーラス青がいないわけですから、最初から女声パートと男声パートの声量バランスが悪くなるのは想定内です。それはメンバーも口には出さなくても心のどこかで思っていたはずです。
嶋田先生としては6月18日に向けて「とにかく3月26日に歌ってみる」そのことだけで十分だと思っていました。
ところがフタを開けてみると、前日の合同練習からよくハモっていましたね。
う~ん、どう考えても不思議。
東海メールクワイアーを向こうに回して合唱団「空」だけで立ち回っているわけで、しかもバランスなんかほとんど気になりませんでした。繊細なピアニシモから爆発的なフォルティシモまで、(ケンカしてるわけじゃないけど)互角に渡り合っていました。う~ん、どう考えても不思議。

やっぱり「ありがとう」しか言葉は見つからないな。
嶋田先生としては平成8年3月以来(27年ぶり)の「水のいのち」の指揮でした。そして、おそらく、もう二度と「水のいのち」を指揮するチャンスはないでしょう。うまく説明できませんが「水のいのち」とはそういう曲なのです。その演奏がCDとなって残るであろう幸せを噛みしめています。そのCDは80才になっても90才になっても聴くであろうし、棺桶に入れてもらうつもりです。
そういう演奏が生まれたことを、メンバーに心から感謝します。ありがとうございました。

この演奏をバネにして、指揮者は清水敬一先生です。みんなはもう清水先生が何を指示されても、その「指示の意味」が全て分かるでしょうし、その「指示を実現する表現」をすぐに生み出すことができるはずです。
とりあえず4月2日の合同リハーサルは嶋田先生が担当しますが、その次の4月23日(日)の清水先生のリハーサルが非常に楽しみです。
準備は整いました。

最後になりますが、このステージを実現させるために様々な面で力を尽くしていただいた父母会の皆さまと、支えてくださったサポートメンバーと、内匠先生はじめ技術スタッフの皆さまに、心からの感謝を申し上げます。
ありがとうございました。

次回4月1日(土)からの通常練習は、しばらくは「はたおりむし」「ねむの木震ふ」「生まれてから」に集中します。
よろしくお願い申し上げます。

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