SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


合唱力と感性

【令和4年2月12日(土)】
今日は久しぶりに歌集「歌はともだち」を使いました。「エーデルワイス」です。この曲を知らないという子は一人もなく、気楽に声を出すことができます。
しかし、先生のネライは別のところにありました。それは英語で歌うことに慣れる…ということでした。
既に新実先生と打ち合わせを済ませてありますが、10月の第26回定期演奏会は次のようなプログラムになります。
【第1ステージ】サウンド・オヴ・ミュージックより
【第2ステージ】合唱組曲「ことばあそびうた」
【第3ステージ】曲集「南海譜」
【第4ステージ】曲集「火の山の子守歌」
このうち、サウンド・オヴ・ミュージックは基本的に日本語なのですが、「ドレミの歌」「エーデルワイス」「全ての山にのぼれ」「サウンド・オヴ・ミュージック」の4曲だけは1番を日本語、2番を英語で歌いたいと思っています。もちろん楽譜にはカタカナも付いています。
それほどムズカシイ英語ではないのですが、やはりカタカナを読んでいるような英語ではなく、カッコ良く歌いたい。だから今のうちに少しでも慣れておくことが必要だと考えました。特に「ドレミの歌」と「エーデルワイス」は楽譜を見なくても歌えるレベル、つまり「ドラえもん」や「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん」のテーマソングと同じくらいに頭に入っていると良いです。
というか、この2曲は英語を覚えていて損をすることは絶対になく、100%タメになります。

次に、これまた久しぶりに、ピアノを鳴らす発声練習を行いました。
大きい声と「響く声」とは違います。嶋田先生が悪い見本を見せました(聴かせました)が、怒鳴ったり大きい声を出したりするだけではピアノはギャ~ンという何とも言えない音を出します。でも「響く声」をピアノにぶつけると、まるで録音したみたいに「その人の声」「その人の響き」で鳴ってくれます。
合唱には大きい声は必要ではなく、むしろジャマです。大きい声ではなくて「響く声」が要る。でも、響きのある声ってどんな声なのか、それを言葉や文字で伝えることはできません。だからソラノートにも書けない。
ハッキリしていることは、ピアノが鳴れば鳴るほど、その人の声は「響きのある声」だということです。
少しずつ繰り返して練習していきましょう。

さて、メインの練習は「青い花」と「南海譜」を使いました。
使いました…という言葉もワザとで、つまりコロナと受験で全員が集まることができない今だからこそ、その日に集まったメンバーの「合唱力」を少しでも高めることをネライとしたいわけです。
「ピアノを鳴らす発声練習」も、もちろん「合唱力」を高めるためです。
では「青い花」「南海譜」を使って何をやったかと言うと(耳にタコができているかも知れませんが)、全員が全てのパートを全部歌うということです。
○そのことによってメロディーと、そのメロディーに加わるハーモニーパートとの関係をとらえる
○そのことによって高い声から低い声までを出せるようにする
○かんたんに言えば、全員が恒川先生のように「どのパートでも歌える」力を付ける
ということです。

「青い花」もロマンチックな恋の詩(うた)です。これはヒントを書いておきましょう。

1 青い花

ひめやかにやさしく
恋のたね埋めたので
ひめやかにやさしく
恋の草 芽をだした
かもめなくまちの影
吸わせたなら いつひらくだろう
ひとしずくの南のうみ
きみの目にゆれるとき青い花
ひめやかにやさしく
春たつかおりは窓辺の
ふたばに

7行目の「ひとしずくの南のうみ」ですが、海が「ひとしずく」なんて有り得ないですね。これは8行目の「きみの目にゆれるとき」に続いています。
つまり「きみの目にゆれる」「ひとしずくの」涙。それが「南のうみ」のようだ…と言っているわけです。整理すると

南の海のように煌めくひとしずくの涙が
君の目に揺れる時
青い花は双葉となって
ひめやかに、そしてやさしく
春のかおりを君の窓辺に拡げるだろう

となる。この涙は、だから悲しい涙ではなく、卒業か就職か、とにかく新しい出発や成長に向かう「旅立ちの涙」です。
その君のために僕がまいた恋のタネ。それは「君の幸せを見守るボク」の思い。

きぇぇえ~っ!!! こんな恋がしてみたいもんだねぇ。
なに? またアンタの年甲斐もない恋の話かよぅ だと?
そう言うけどねぇ、谷川雁さんがこの詩を書いた時は70歳すぎだぜぇ。
70歳になっても青春を失わない谷川さんの感性。この感性を持ち続けていきたいと思いませんか?

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