SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


弱いパットは入らない

しばらくぶりに「空ノート」を書きました。7月23日は教育委員会から任命された仕事。7月30日は中村区のPTAバレーボール大会の応援。8月6日は学校の地域の盆踊り大会の運営ということで、本来の仕事から考えれば充実した日々と言えますが、音楽をやっていないと死んでしまう嶋田先生としては苦しい日々でした。そこを浜田先生、恒川さん、高倉さんがカバーしてくださり、練習に大きな支障はなかったと聞いています。また、団員の子どもたちの協力(参加する・集中する・真剣に練習する)も大きかったと聞いていますから、「空」は本当に良い合唱団になりました。本当にありがとうございました。

さて、その間にも今日8月13日に練習するための「ありがとう」「ふるさと」の楽譜が次々とFAXで送られてきて、楽譜の取り出し・印刷や音源のアップなど様々な点で城野さんにご協力をいただきました。

指導する技術面でも、支援する父母会サポート面でも、感謝の思いでいっぱいです。

さて、新しく7月30日にメール送信されてきて、今日、城野さんに印刷してきてもらった「ありがとう」の楽譜は、当然のことながら全員が初見となります。初見の状態で、よしかねたくろうさんをお迎えしたわけですから、ずいぶんと度胸のある話です。ですが、今日は素晴らしい時間となりました。

「ありがとう」は、数年前に歌ったコーラスバージョン(だから楽譜もずいぶん前に配り、そこそこ練習もしている)を「空」だけで歌った後、コンサートの最後に、よしかねさんのソロで「空」は主にバックコーラスに回るという、新しい形になります。そのバックコーラスバージョンが今回、嶋田先生の不手際で、全員が初見ということになったわけです。

いつ「空ノート」に書いたのか忘れてしまいましたが、育てたい力として、「1回聴いたら、どんな複雑なメロディーであろうとも、1分以内なら正確に再現できる力」を挙げたことがあります。もう一つは、「楽譜を見て、オタマジャクシの位置を見て、次がどんな音か予想する力」を挙げているはずです。

これらの力が、今日の練習では最大限に生かされました。1回も練習していないのに、鍵盤ハーモニカの音に集中して、楽譜どおりの音を一発で歌うことができました。これは、言ったり書いたりするのは簡単ですが、そう簡単にできることではありません。いわばプロフェッショナルな力です。もちろん100%正確であったとは言えませんが(嶋田先生だって鍵盤ハーモニカの音をずいぶん間違えたし)、ほぼ100%に近い音を出すことができていました。

これまでの練習、声の出し方、音の聞き方、音と自分の声と合わせ方など、地道で苦しい練習が、間違っていなかったと確信することができました。本当に素晴らしい時間だったと思います。

「ふるさと」についても同様で、前回と前々回、嶋田先生がいない時に音を取ったと聞いていますが、しっかりとしたハーモニーをつくることができていました。指導スタッフに感謝です。

さて、ずいぶんとベタ誉めをしましたが、もちろん中には「あらあらあら…?」「もう次に進んじゃってる」「えっ?今どこ?」なんていう子もいたと思います。いて当然です。だって、みんな子どもなんだもの。しかし、それで良いのです。今日はそういう時間でした。積極的に攻める…という時間です。

だから先生は、何度も繰り返して言いました。「500回間違えても良いぞ。とにかく声を出せ。鍵盤ハーモニカで助けるから。」と。

これは「弱いパットは入らない」というゴルフの格言を合唱に置き換えたものでした。ゴルフのゴールインする穴(ホールと言います)まで、あと2mだとします。さて、みんなだったら慎重に打ちますか?強気に打ちますか?

これは、どちらでも良いことです。その人の生き方と言っても良い。ですが、強めに打って穴を通り越してしまうのと、弱めに打って穴の手前でボールが止まってしまうのと、どちらが入る確率が高いかを考えてほしいのです。

これは小学生でも分かることです。ゴルフの経験なんて関係ない。強めに打てば入るかも知れません。ですが弱めに打っては100%入らないのです。

上手に歌えるか、音程が正確か、きちんとハモれるか、こういったことに慎重になってビクビクして歌うよりも、間違えても良いからガンガン攻める…という姿勢でいた方が楽しいし、結局は音楽が自分のものになるという場面だってあるのです。

もっともっと、ずうずうしく、攻めの姿勢をもっていきたいと思います。

最後に、今日は久しぶりに受験生(高校3年生)の子が何人か来てくれていました。彼女たちのためにも、湯山先生の曲を練習する時間を作りたいなと思いましたが、今日は震災コンサートのための時間に終始してしまいました。残念ですが仕方ありませんでした。ごめんなさいね。

次回の練習は「鮎の歌」をやりましょう。嶋田先生の精神が「鮎の歌」を欲しています。そして、合宿では「鮎の歌」「四国の子ども歌」「かもめの歌」「名旋律集」を全部、完成させたいと思っています。

「空」のみんな。力を貸してください。

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