SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


リチャード・ロジャースは天才

【令和4年4月9日(土)】
始業式も終わって学校も令和4年度がスタートしました。みんなの学校生活が充実した楽しいものになってくれるように祈っています。
さて、今日も見学の子を迎えることができました。合唱の楽しさと奥深さを十分に味わってもらえるように、嶋田先生もガンバりました。

何を歌ったかというと4曲目の「サウンド・オヴ・ミュージック」です。今日は「サウンド・オヴ・ミュージック」と心中する(いっしょに死ぬ…ということ)つもりでフェールマミに行きました。
結果、嶋田先生が頭の中で立てていた「練習計画」をほぼ計画通りに進めることができたことを報告しておきます。
これは、集まったメンバーの集中と頑張りによるところが大きい。本当に大感謝です。嶋田先生がどれだけ立派な(?)練習計画を立てようとも、歌ってくれるメンバーの集中した取り組みがなければ「ただの計画だおれ」に終わってしまいます。その意味で、集まってくれたメンバーに感謝中の大感謝です。本当にありがとう。

今日の練習計画のポイントは次の3つでした。
○全員が同じ土俵に立ちたい。見学に来てくれた子はどんな曲をやるにしても「生まれて初めての楽譜」です。ならばベテランメンバーにも「生まれて初めての楽譜」を渡して、全員が同じスタートラインから練習を始めたかった。
○しかもその練習は、見学の子も含めて集まったメンバーの「合唱力」を高めるものでありたい。
○さらに、今日の練習が結果的に第26回定期演奏会で歌う曲につながるものでありたい。
で、全員が生まれて初めて見る楽譜…ということで「サウンド・オヴ・ミュージック」のアカペラバージョンを新しく作り、その楽譜を手渡したわけです。

曲集「サウンド・オヴ・ミュージック」の中の4曲目はピアノ伴奏付きです。だからピアノと協力しながら表現を構成しています。一方、映画の中には「サウンド・オヴ・ミュージック」をアカペラ(無伴奏)で歌う場面があり、これがまた何とも言えない感動的なシーンなのです。そのアカペラで歌う場面を再現したかった。
アカペラで歌うためには、ピアノの協力なしの、つまり人間だけで全ての和音を受け持つように歌う必要があります。したがって単純に楽譜集の4曲目の「サウンド・オヴ・ミュージック」をピアノ無しで歌えば良い…という話にはなりません。つまり、アカペラだけでも美しくハモるように新しい編曲が必要だ…という話になります。
今日歌った楽譜は映画の名シーンで歌われているアカペラアレンジにできるだけ忠実に作りました。
結果、今日一日の練習だけで、映画の名シーンを彷彿(ほうふつ・思い出すこと)させるハーモニーで表現することができました。これはメンバーの力です。本当に大感謝です。
アカペラで歌うということは本当に「合唱の力」を高めます。いつものとおり全員が全部のパートを一通り歌った上でのハーモニーですから、今日一日だけでも相当に「合唱の力」に関する経験を膨らませることができたと思います。

湯山先生がリチャード・ロジャースについて「ボクの目から見てもリチャード・ロジャースは天才です」と語っておられます。嶋田先生と夕食を食べながらの会話ですから本当にそう仰いました。この耳で確かに聞いた話です。
この「サウンド・オヴ・ミュージック」のメロディーは、リチャード・ロジャースの天才ぶりを発揮した名曲と言えましょう。
楽譜はト長調ですから少し分かりにくいのですが、ト長調で読むとそのメロディーは
ソーラーソファミー レドシーラーシーシー ドーレードシラー シドレーミーファー
となります。続いて
ソーラーソファミー レドシーラーシーシー シードーレミファーソラ シーシードー
となっています。お分かりでしょうか?
つまり必ず「次の音は隣の音」につながっています。
「ソ」の隣の音は「ファ」か「ラ」です。「ド」の隣の音は「シ」か「レ」です。
確認してください。必ず「次の音は隣の音」になっているでしょう。
このような単純な方法を使いながら「すみわたる青空」の「あ」の部分、英語で言えば「ライク ア ラーク フーイズ ラーニング トゥ プレイ」の「ラーニング」の「ラ」の部分は「♯ファ」になっています。つまり
シシ ドーレミ ♯ファー ソラソー
になっている。
音楽の一番感動的な部分で「♯ファ」を使うわけです(難しい言葉で言うと「増4度」です)。それまでは単純きわまりない音の移動にしておいて「ここぞ」という部分で「増4度」を使う。すばらしい着想です。
ためしにみんなで歌ってみました。「♯ファ」にしないで
シシ ドーレミ ファー ソラソー
と歌ってみたのです。それでも音楽の流れとしては悪くない。しかし何となく物足りません。
ここが「♯ファ」になっているから「サウンド・オヴ・ミュージック」は名曲になったと言ったら、言い過ぎでしょうか?

まぁ、目的はメンバーの「合唱力」を高めることですから、細かいリクツはどうでもよろしい。しかし今日のメンバーは分かったはずです。
「ド」さえ分かれば「ミ」も「ファ」も「ソ」も「ラ」も分かる。しかし「♯ファ」はムズカシイ。
それはメッタに出てこない「音の進行」だからです。メッタに出てこないということは「ここぞという所」で使うとメチャクチャ感動的かつ新鮮なメロディーの流れになるんです。そのことをメンバーは分かってくれたことと思います。

それから今日のアカペラバージョンは、ところどころにソロがあります。これは映画の名シーンに合わせたものです。このソロも全員で練習しました。みんなで分厚いハーモニーを作りながら、その上にソロをかぶせるとこれがまた美しく、何とも言えないハーモニーになるんだわさ。

というわけで、今日は「サウンド・オヴ・ミュージック」と心中しました。1日の練習で1曲だけ…というのは合唱団「空」としてはメズラシイのですが、今日はそのような計画でした。
その計画通りに、全員が生まれて初めて見る楽譜を1曲仕上げてしまった。
実は、そのことが「今日の一番の成果」だったのかもしれません。
計画通りに歌いきった…ではなく、全員が生まれて初めて見る楽譜を1曲仕上げてしまう。そういう力が高まっている。そのことが「今日の一番の成果」でした。
ありがとう。大感謝です。

閑話休題
フェールマミのホワイトボードに次のような落書きを見つけました。
「しまだせんせいヘンタイ」
そしてわけの分からないイラストも。
そのイラストが、いやぁ何とも味わいの深い絵で感動しました。
「サウンド・オヴ・ミュージック」も味わい深いですが、そのイラストも実に味わいが深かった。
秘密を教えてあげましょう。
嶋田先生は「名古屋変態研究会」の会長です。
その研究会の目的と活動内容は… (次回へ続く)

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