SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


うれしい喜鳴 見学の子が3人

【9月29日(土)】
今日は見学者が3人も来てくれて、嶋田先生はウレシイ悲鳴でした。「嬉しい」と「悲鳴」の組み合わせは慣用句(ふだん使うコトバ)としては成立しますが、日本語としては正しくありません。正しい日本語は「ウレシイ」「喜鳴」と言うべきでしょう。
見学の子が来てくれた時は、嶋田先生にとってキンチョウする時間です。嶋田先生の練習ひとつで、「なんじゃ?このヘッポコな合唱団は?」とか「何というレベルの低い合唱団じゃろう」とか思われてしまい、そうなると、だぁれも入団なんかしてくれません。今のメンバーだって全員が最初は見学者だったわけで、その時に何かしら「楽しさ」とか「心地よさ」とか「ナットク」といったものを感じてくれたからこそ、今のメンバーがいるわけです。「楽しい練習にしたい」と心から思ってメンバーの前に立ちました。
見学の子にはとてもハードな時間となったことでしょうが、最初からメンバーの中に入って歌ってもらいました。なぜかと言うと、彼女たちが「よし、入って頑張ってみよう」と思ってくれた時に、「今日この時間が生きる」からです。
普通の見学の時のように後ろで聴いているだけでは、「よし、入って頑張ってみよう」と思ってくれたとしても、「今日この時間」はただ聴いていただけに終わってしまう。
入団してくれるなら1ステージでも2ステージでも良いから本番のステージに立ってほしい、みんなで音楽を作り上げたい…という願いは、指揮者としてではなく教師としての嶋田先生の本能からくるものです。
そのような願いと決断を持ってメンバーの前に立ったのですが、何とアルトが1人もいない!今日はいくつかの小学校で運動会があり、いくつかの中学校で体育大会があり(それらの学校は行事が雨で流れてしまってカワイソウでしたが)、他にも地域の行事など様々な条件が重なってアルトがゼロという事態となったのでしょうが、嶋田先生としては今度は本当に「悲鳴」です(笑)。
ソプラノとメゾソプラノだけで、いかに充実した練習を組むか、試練の時間となりました。
救いとなったのは見学の子が3人とも学校の合唱部でソプラノの経験者であったことです。だからソプラノに入って歌ってもらいました。
よくハモったと思います。ソプラノとメゾソプラノだけでは本来のハーモニーのは遠く及びませんが、みんな頑張ってくれました。
もし、見学の子が、この空ノートを読んでくれているのなら、今日の響きは非常に特別な、ケガをしてビッコをひいた状態であったと思ってください。ソプラノ・メゾソプラノ・アルトの3パートが揃ったら、今日の2倍も3倍も楽しくて美しいハーモニーが生まれるんですから。
来週も来てくれるといいな。

 

歌ったのは「文部省唱歌集」です。最初の「夕やけこやけ」から最後の「ふるさと」まで一通り歌いました。ソプラノはメロディーが多いので初見でもドンドン歌うことができます。さすがに「さくら」はムズカシイですが、時々すごく冷たい声すなわち刃(やいば)の光のような声が聞こえて、かなりイメージが膨らんでいることを感じます。アルトの音は鍵盤ハーモニカで補助をして、メゾソプラノの子はその鍵盤ハーモニカが歌うアルトの音(歌詞は無いけど音程だけは正確)に合わせて、正確な音程で歌ってくれました。

しかし、それ以上に大変なのは、実はユニゾンで歌う「茶つみ」で、ピアノの伴奏無し、ハーモニーも無し。あるのは全員で作るメロディーだけ。実に単純明快なので聞いているお客様にも非常に分かりやすく、逆に言えばミスが許されない。ちょっとでも油断をしているとミスが露呈してしまいます。ここは全員で気持ちを一つにする必要があります。

休憩の後は「ドレミの歌」を歌いました。いつものことですがキレイな声です。美しすぎる。「ドレミの歌」は美しい声で歌う音楽ではなく、泥んこ遊びをしている子がドロドロになって笑いあっているような、ようするに元気で生命力あふれる声で歌う音楽です。そこのところ、分かってはいるのでしょうが実際に自分の声で表現することはムズカシイのでしょう。

それから英語。特に「ソ ア ニードル プーリング スレード」から「ラ ア ノートゥー フォロ ソー」そして「ティー ア ドゥリンキズ ジャムアン ブレッド」のソプラノとメゾソプラノの掛け合い。これはゲラゲラ笑いあっている「笑い声の重なり」がクレシェンドしていく感じ。その感じを出すためには、もう少し練習が必要ですね(笑)。

しかし、次に歌った「エーデルワイス」は上手かった。ハーモニーはもちろんですが英語も決まっていました。楽しみなことです。

残った5分で、どんなにぐちゃぐちゃになっても良いから「全ての山にのぼれ」を歌いましょう…と言ってから「シマッタ」と思いました。「すべての山に登れ」はアルトが前半のメロディーラインを歌うのですね。アルトがいないことを忘れていた。でも、みんなが頑張って「ドレミの歌」や「エーデルワイス」を歌ってくれたので、夢中になってしまってアルトがいないことを感じていなかったのです。

そして歌ってみると、たまにはメロディーラインを抜いてハーモニーパートだけで音程とハーモニーを確認するのも良いものだなぁ…と思うことができました。

さあ、来週から10月に入ります。みんなで力を合わせてガンバリましょう。

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