SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


変更点は合宿で確認します

【8月11日(土)】
先週に配布した「文部省唱歌集」の深化を図りました。と言っても、全部を歌うことができなかったことを反省しています。時間というものは本当に貴重で大切なものと思います。あっと言う間に流れてしまいますよね。
「夕やけこやけ」は見事なものです。今日が2回目の練習なのですが、非常にキレイにハモります。若松正司の編曲は自然かつ理論的に作られているので、基本的な和音感覚が身に付いている「空」のメンバーにとっては取り組みやすいアレンジであったようです。今日あるいは先週に参加できなかった子も、合宿でアッと言う間に追いつくことができるでしょう。
「春の小川」は4声に分かれるので、2声の部分、3声の部分、4声の部分を誰がどう分担して歌うか、合宿でキチンと確認しましょう。同じことが「富士山」でも言えます。
この2曲、いつものことですが4声全部を全員が歌ってからハーモニーを作るという練習を踏襲しました。「目的は音取りをすることではあちません。もちろん音取りも大切ですけれども、今やってほしいことは音に対する感覚を磨くことです。それをやりましょう」と言って、楽譜に記されているオタマジャクシを目で確認し、鍵盤ハーモニカで出される音を耳で確認し、4つのパートを歌った直後にすぐにハーモニーを作る…この繰り返しが1時間30分。毎度のことですが音を上げる子は一人もいません。すごい集中力で音感を鍛えに鍛えました。その結果として「春の小川」と「富士山」のハーモニーが整ってくるという良い循環です。
音感というものは1日や2日で育つものではありません。また、今日50ポイントになったとしても、明日は50をそのままキープできるものでもありません。一週間たてば40ポイントに落ちている力を今日の練習で55ポイントにする。来週は48に落ちている力を練習で57にする。その繰り返しです。地道に地道に、息の長い練習が必要です。(たとえに使った数値はデタラメですよ)
その意味で、手塩にかけて育て、その音感を確かなものにしつつあるメンバーが中途離脱することは、嶋田先生にとっては肺腑をえぐり取るような、痛恨極まりない、耐えられないほどの断腸の思いです。
さて、その音感が育ってくると、かなりレベルの高い曲でも驚くほど短い時間で歌えるようになる。今日はその証明のような時間でした。
「さくらさくら」も今日が2回目とは信じられない響きでした。事情を知らない見学者が楽譜を見ながら響きを聴けば、「本当に2回目ですか?」と驚くことでしょう。「さくらさくら」は音取りが完成したところから、幅広い表現の工夫をしていくつもりです。

休憩後は「もみじ」「冬景色」「ふるさと」を歌おうかな…と真剣に迷いましたが、「ひとりぼっちの羊飼い」を歌いました。歌ったというよりも、変更点の伝達です。
「ひとりぼっちの羊飼い」は全編にわたって1拍目が強調される音楽の作りになっています。音楽の構造が非常に強固で、強拍を2拍目や4拍目に持っていくことは困難です。そういう作りになっている。これは前奏を聴いただけですぐに分かります。
ところが日本語に訳された歌詞を見ると、2拍目や4拍目に言葉の頭がある部分があります。
具体的にはP47の2番「おしろのおうじさまも」は「王子様」の「おう」が4拍目になっています。P48の2段目「ビールをのんでるひとも」は「人も」の「ひ」が2拍目になっています。
これらの言葉の頭を全て1拍目に持っていきたい。そうすれば歌い方の抑揚が統一されて洗練された表現になり、何よりもみんなにとって歌いやすいものになるはずです(もっとも今日は伝達した直後の戸惑いがあったと思いますが、数回歌えばどちらが良いか実感してもらえると思います)。
この歌詞の変更は多くの部分にわたるので、ここに記すことはできません。合宿で確認しましょう。
それからP52から始まるメゾソプラノとアルトの「タタタ」ですが、これも無し。この部分でソプラノだけに「オーホー レディオドゥリオ」と歌わせておいてメゾソプラノとアルトが「タタタ」と歌う効果が理解できません。ゆえに「タタタ」ではなく「レディオドゥリオ」とか「オーホーレィ」に変更します。これも合宿で確認。

最後の15分は「私のお気に入り」の音取りに投入しましたが時間切れとなりました。

話は前後しますが、「春の小川」と「富士山」のピアノ伴奏を浜田先生の手によって初めて音として聴きました。素晴らしいと思いました。小学校の音楽の先生が言うのは変ですが、やはり教科書についている伴奏譜は教科書どまりです。編曲者の萩原英彦は作曲家としても一流ですがピアニストとしての手腕もしたたかなもので、その代表作「光る砂漠」は嶋田先生が大好きな曲です。この楽譜を買ったのは30年も前なのですが、買っておいて良かったなぁ…とつくづく思いました。

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