【令和3年7月24日(土)】
夏休みに入りました。コロナの心配は続いていますが、みなさん良い夏休みになることを祈っています。
さて、先々週から決まったパートでハーモニーを作る練習をしています。
どのパートを受け持つか決まっていない状態で全部のパートを歌うという6月までの練習は、いわば「合唱の基本の力」を高めるものです。
受け持つパートが決まっても、もちろん全部のパートを歌うのですけれども、やはり目的地がハッキリしている(つまり自分のパートが決まっている)と、自分のパートを生かすために他のパートを知っておく…ということになります。形は同じことをやっているように見えるでしょうが、「合唱の基本の力」を高めながら「自分のパートを生かす工夫をする」という、2倍の効率になっているわけなんです。
4連休ということもあって今日も欠席の連絡が入っていました。先週も先々週も欠席のメンバーがいます。
先々週・先週・そして今日と、同じメンバーが欠席していれば話はカンタン(その子は困るでしょうけれども)なのですが、当たり前のことですが欠席メンバーは毎回変わります。
したがって、先々週・先週に歌った曲を、先々週・先週に欠席しなければならなかったメンバーのために1回ずつ通しておきます。その後に「今日の曲」を練習する。そうすれば、完全ではないかも知れませんが欠席メンバーをフォローすることができるでしょう。
と言うことは、来週はフォローする曲が増えるわけなんです。再来週はもっと増えます。大変ですけれども、だんだん歌える曲が増えていって面白さが増えていきます。先生にとっても楽しい時間です。
前置きが長くなりました。だから今日は先々週・先週のフォローとして「薔薇のゆくえ」「忘れ雪」「火の粉」「なぎさ道」「とげのささやき」「われもこう」「就職」の7曲を歌いました。1回ずつしか歌わなかったので「もっと歌いたい」と思った曲があるかと思いますが、来週も再来週も1回ずつ歌いますから心配しないでください。
この7曲、もちろん細かい部分には補強(ほきょう)しなければならない部分がありますが、それは日帰り合宿でやります。日帰り合宿を効率良く楽しいものにするために、とにかく歌い込んでおきましょう。歌詞を覚える、自分のパートを覚える、相手のパートを知っておく。これさえシッカリしていれば、日帰り合宿で表現を作ってしまいますから。それを新実先生に聴いていただく!!!!
何だかメチャメチャに「泥縄」ですが、ドロナワができるっていうことはある意味スゴイことです。ドロナワができるための「合唱の基本の力」を6月までに作っておいた…というわけです。
それに、7曲で出てきたサウンドは少年少女が歌っているドロナワにしては上出来って言うか、なかなかのレベルでしたよ。7曲を連続で1回しか歌わないという状況で、鍵盤ハーモニカの補助があるとは言え、なかなかの「新実サウンド」が響きました。
ウソだと思ったら、当番で来てくださっていた父母会のオカアサンたちに聞いてみてください。
「1回だけの7曲連続、どうでしたか?」って。
さて、本日のメイン(フォローではない新しい曲)は「卒業」です。この曲は名曲です。新実先生の代表作と言っても「Nо」と反論する合唱ファンはいないと思います。何と言ってもメロディーが甘くて美しい。
そのメロディーを最初から最後まで受け持つのがソプラノなんですが、今日のソプラノメンバーは耳が鍛えられていて、本能的にメロディーを甘く美しく歌っていました。もっとガンガン歌って良いですよ。元気にバヒョーンと歌いまくりましょう。今は積極的にオールフォルテで歌った方が早く上手になります。なぜかと言うと、ハーモニーが身体で分かるから。
それでもって、どこをどのように甘く美しく表現して歌うか、その練習は日帰り合宿です。
2番に入るとメゾソプラノは最初から最後まで「ライライライ」です。これは伴奏(伴唱という言葉はない)ではありません。非常に甘く美しく、第2のメロディーと言えますね。対旋律(たいせんりつ)あるいはオブリガートと言いますが、新実先生のオブリガートは日本一です。世界一と言っても良い。「卒業」のオブリガートのような「美しいオブリガート」は嶋田先生の知る限り、バッハの数々の名曲にあるだけです。
今日のメゾソプラノメンバーは元気にバヒョーンと歌ってくれました。良かったと思います。そうしてハーモニーを身体に沁み込ませておきます。このオブリガートをどのように歌うか、その練習も日帰り合宿です。
アルトパートは2番も3番もメロディーになったりソプラノとハモるハーモニーを作ったり「ライライライ」のオブリガートになったりと、カメレオンのように色がクルクル変わります。普通のトカゲみたいにずっと同じ色でいるのではなく、場面によって緑色になったり茶色になったりしましょう。
(生物学者がこのソラノートを読むとイケマセンから本当のことを書きますと、実際のカメレオンは色が変わるのではなく、色が薄くなったり濃くなったりするだけなんですけれども)
今日のアルトメンバーも元気にバヒョーンと歌ってくれました。良かったと思います。そうしてハーモニーを身体に沁み込ませておきます。このカメレオンをどのように歌うか、その練習も日帰り合宿です。
ボッティチェルリは今から600年ほど前(15世紀)のイタリア・フィレンツェの画家です。「ヴィーナスの誕生」というウルトラ有名な作品がありますが、卒業と何の関係があるのかは別のソラノートに書きます。
これで曲集「われもこう」を全部歌いました。来週からは毎回、全曲を1回ずつフォローして歌っていきます。
次はよっぽど曲集「ぼくは雲雀」に入ろうと思ったのですが、先に曲集「やさしい魚」に入ることにしました。結果、後半を全部「感傷的な唄」に投入することとなり、今日のメイン(新曲)は「卒業」と「感傷的な唄」の2曲となりました。
ようするに「感傷的な唄」をはじめとして「ジョギングの唄」も「天使」もホイホイと歌える曲ではない。曲集「やさしい魚」から始めたのは賢明な(けんめいな・お利口な)判断だったと思います。
「感傷的な唄」の詩(イメージ)については以前のソラノートで詳しく書きました。また読んでおいてください。
ここでは表現のためのポイントを書いておきます。楽譜にエンピツで書き込んでおくと良いと思います。
◯ 5小節目からのmpは、全力で音程に気を付けて。「信じることができた」まで耳の集中(正確な音程)が必要です。
◯ P8「ふいに思い出す」の「だ」は柔らかく。P9「小鳥の歌に」の「た」も柔らかく。
◯ P10上の段の「Hum.」は大きくならないで。柔らかいp(ピアノ)を保って。
◯ P11「体温計のケースにしのばせて」は大切に歌う。スラーを見落とさないで。
◯ 特に「ケース」が「ケエス」と聞こえないように注意する。
◯ 「手渡そうとした」のmfと「恋文」のmpをハッキリ表現する。
◯ 次のメゾソプラノとアルトの「Hum.」は「恋文はー」の「ー」と自然につながるように。つまり「ァ」と「ゥ」との境目をなくすように。
◎ P12下の段の「とんできた」はトンカツの「トン」すなわち「豚」が「出来た」と聞こえないように。
○ P13上の段の「よく話をしていたし」は絶対に切らない。「よく」「話をしていたし」はダメ。
◯ 「話をしていたし」の「て」を美しく。「思い出す」の「だ」と同じ。
◯ 次のメゾソプラノとアルトの「いたし」の「し」は次の「Hum.」と自然につながるように。つまり「ィ」と「ゥ」との境目をなくすように。
◯ P13下の段の「ベンチには」の「ベ」は急に大きくならないで。クレシェンドしてからmfになるように。
◯ P14上の段の「陽に光っていた」はアクセントを生かしてハッキリと。テンポはゆらめきます。ffからpまでの流れをいかに自然に歌うかが勝負。
◯ P15「死んでしまって 肉体もすっかり滅びても 私のもう此の世のものではない 耳に」はブレス(V)と四分休符で必ず切る。「肉体もすっかり滅びても」は絶対に一息でワンフレーズ。「私のもう此の世のものではない」も絶対に一息でワンフレーズ。ppから「美しい」のffまでをいかに自然に歌うかが勝負。
◯ P16の「美しい歌だけが」は本当に心から丁寧に。たっぷりと歌う。だけど「美しい」と「歌だけが」の間のブレス(V)は必ず守る。
◯ その「美しい歌だけが」からP17の「かなえられ」まではインテンポ。つまり途中で遅くならない。
◯ 「かなえられないだろうか」の「ないだ」でrit(リット)して遅くなってから「ろうか」で最初のテンポにもどる。つまり96のテンポをずっと保って「ないだ」で遅くなってから「ろうか」で126~132のテンポにもどる。このテンポの変化が決まると本当にカッコイイのです。楽譜の作曲者の言葉に書いてあるとおりの現象が起きます。
わおぉ~ん。またたくさん書いちゃった。こんなに◯が多くなるとは…。でもこの◯は全て新実先生がおっしゃったことです。メモが残っている。これを日帰り合宿で練習しましょう。
それから◎の「豚」が「出来た」と聞こえないようにっていう話ですが、団員専用エリアの参考音源が「豚出来た風船」と聞こえるか「飛んできた風船」と聞こえるか、頭を真っ白にして聴いてみると面白いですよ。少年少女合唱と男声合唱が聴き比べになっているはずですが、少年少女合唱はみなさんの先輩の15年前の合唱団「空」で、男声合唱は東海メールクワイアーで嶋田先生が歌っています。
「豚出来た風船」と聞こえるか「飛んできた風船」と聞こえるか、そのようなイジワルな聴き方をしてみるのも、たまには良い勉強になります。夏休みなんだから、宿題をやっている時の休憩の時間にでもやってみると、きっと勉強もハカドルはずです。教師生活37年の嶋田先生が言うんだから間違いない!!!!(ホントかよ?)
カテゴリー: 練習日記
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きっと勉強もハカドルはず
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全部のパートを歌って4曲
【令和3年7月17日(土)】
今日は、まず先週に歌った「薔薇のゆくえ」「忘れ雪」「火の粉」を通して歌いました。
「どれだけ間違えても良いから、とにかく通して歌ってください」と言いました。その目的は
◯先週に参加できなかったメンバーをカバーして、少しでも追いついてくれるように
◯先週に参加できたメンバーは「振り返り」をして音楽が頭の中に定着できるように
ということです。本当は何回か繰り返して歌ってシッカリと「追いつき」キチンと「定着できる」ようにすると良いのですが、次の曲をできるだけ進めなければなりません。だから1回だけ「どれだけ間違えても良いから、とにかく通して歌ってください」と言ったわけです。
そして、今日のメインは「なぎさ道」から。全員で全てのパートを歌ってから自分のパートを歌ってハーモニーを作ります。この方法は「空」に完全に定着しましたね。
この方法、湯山先生が「その練習方法について本に書いたらどうですか?ボクが出版社を紹介してあげますよ」と言ってくださった方法です。「子どもたちの本当の力を伸ばすためには非常に理にかなった方法だと思います」とも。これは本当の話です。
嶋田先生も本を出版しようとまでは思いませんが、もう少し早くこの方法を編み出していたら…と後悔しています。そしたらNHKコンクール全国大会で銅賞だった宝南小学校を金賞にできたかも知れない…と、かなりマジメに後悔しています。
でも「空」には間に合った。と言うよりも「空」のメンバーとの試行錯誤の末に生み出すことができた方法であることは確かです。
さて、今日の参加メンバーも含めての注意。今日はP20からイキナリハーモニーを作りましたが、本当は1番のP21の20小節目まではユニゾン(全員でソプラノを歌う)だと言うことです。22小節目からハーモニーになる。ホームページの団員専用エリアの「音取り音源」も、そのように作ってあります。苦労したんだよ。でも今日は、とにかくハーモニーを作ってできるだけ多くの曲を歌いたかったので、細かい話は後回しにしてとにかくハモらせました(笑)。
「とげのささやき」。5~6小節目(くれないの薔薇の)はメゾソプラノ、7~8小節目(とげの青さよ)はソプラノになっています。これは本番では楽譜通りに歌うとしても、練習の段階では絶対にソプラノとメゾソプラノのメンバー全員で歌っておくべきです。3段目の「風しずかな指を つらぬく一針」も同じことです。
でも本番では楽譜通りに歌う方が良い。なぜかと言うと
「くれないの薔薇の」→ 赤のイメージ 温かく優しい感じ
「とげの青さよ」→ 青のイメージ 鋭くて怖い感じ
で、正反対の声と表現が要求されるからです。次も
「風しずかな指を」→ 静かな感じ 指のぬくもり
「つらぬく一針」→ 鋭く突き刺す 痛み
で正反対。これはソプラノとメゾソプラノを合体させて、その合体メンバーが「赤」と「青」を歌い分けるように表現力を高めたとしても、それだけではおそらく足りない。同じ人間が二つの表現で歌い分けるよりも、違うメンバーが違う心と違う身体で歌った方がさらに効果的。どんな声が良いか、チョイと考えておいてくださいね。
何人かのメンバーに
「あなたは恋をしたことがありますか?」
と聞きました。そして
「その恋は、海の色に似ていましたか?」
とも聞きました。
みんな首をかしげていました(笑)。中学生にもなって「恋をしたことはない」と言うのは真っ赤なウソでしょうけれども、問題は「はるか 沖に おどるへさきの かたちくずさぬと 泣きつつあゆめ」と続くフレーズを「何が何だか分からない」と思いながら歌っちゃイケナイ。「舳先が踊ったのかぁ」「形をくずさないようにって泣いたんだぁ」なんて、そりゃそうでしょうけれども、それを「音楽の世界のイメージ」として作曲家に立ち向かえますか?
「われもこう」。花の名前です。どんな形でどんな色の花なのか、そのくらいのことは図鑑でも見て知っておいてくださいね。言っておきますけどねぇ、エジプトの花じゃないからね。「われもこう」の原産地は日本・朝鮮・中国でシベリア・ヨーロッパも含まれます。
それにしてもP34の1段目と2段目は何という美しいメロディーの重なりでしょう。こういうところは「空」はうまい。やっぱり問題は「にわかに 秋の日 かがやく 深いくれない」という言葉をどう表現するか…ですね。
「知らんけど「急に秋の日」なんだわさ。そして知らんけど「深い紅が輝いた」んだわさ」
なんて言わないでくださいね。
「就職」。これはインドネシアのガムランみたいな響きです。面白い響きだ。こういう曲も「空」はうまい。なかなかの響き、なかなかのハーモニーでした。マジで良かったですよ。ホメておきます。
先生は楽譜もCDも持っていますが、カナダのマリー・シェーファーという作曲家に、その名も「ガムラン」という曲があります。合唱曲ですよ。
その曲の歌詞は初めから終わりまで「ドン ドン」とか「ドゥン ドゥン」とか「ダカダカ ディン」とかの繰り返し。
もしもみんなが「イニシアルはでたらめ」「砂だらけで生きたい」などを訳も分からずに歌っているだけだったら、「就職」もシェーファーの「ガムラン」と同じように全部「ドン」とか「ドゥン」とかの歌詞に変えちゃっても良いわけです。
なんと曲は4曲いきました。先週の3曲と合わせて7曲。
来週はこの7曲を1回だけ通して歌ってから最後の「卒業」をハモらせます。「卒業」をハモらせたら「自転車でにげる」に入って行けるところまでいきます。
それにしても全員で全部のパートを全部歌って「なぎさ道」「とげのささやき」「われもこう」「就職」の4曲を歌い切るとは、いつもながらスゴイ効率でした。たいしたもんだと思います。ありがとう。 -
忘れ雪 と 火の粉
【令和3年7月10日(土)】②
「薔薇のゆくえ」の続きです。
【忘れ雪】
この詩はムズカシイです。「薔薇のゆくえ」で書いたとおり、詩は自分なりのイメージを膨らませるのが大切なのですが、特に「にれ(楡)の木」がキーワードで、実に様々にイメージすることができます。
「楡の木」は花言葉だけでも「高貴」「尊厳」「威厳」「信頼」「美しさ」「魅力」「愛国心」など多く、だから「忘れ雪」の詩だけは嶋田先生の一人よがりになってしまう可能性があることを前置きしておきます。
上の花言葉の中で、嶋田先生は「美しさ」を取ります。「高貴」も「気高く美しい」という意味ですから当てはまるかもしれません。
なぜ「美しさ」を取るかと言うと、最初の「あでやかに」という言葉が女性に使われる言葉で「はなやかで美しい(女性)」という意味だからです。
そして「楡の木」にはギリシャ神話や北欧(ほくおう・北ヨーロッパ)神話があるのですが、嶋田先生は星(や星座)が好きなので星座に関するギリシャ神話は少し知ってます。オリオンとサソリの話とか英雄ヘラクレス、ポセイドン、ペルセウス、太陽の神アポロン、美の女神ビーナスなどの名前を一つくらい知っている子がいるかもね。また、ワーグナーという作曲家が好きなのでワーグナーの歌劇に出てくる北欧神話(英雄ジークフリートやワルキューレなどはゲームのキャラクターにもなってる)も少し知ってます。
そのうちのギリシャ神話で、竪琴の名手オルぺウスが奥さんの死を悲しんで楡の木の根本で泣いた…という話があり、おそらく谷川雁さんはオルぺウスの神話を詩の中に取り入れたものと想像します。
あでやかに 雪ふりつむ
にれの木は ひとのすがた
白いもの いのちあれと
すすりなく 沢の岸べ
こずえの巣 主かえらず
忘れ雪 かがやいて
(私 = 美しい妻を失ったオルペウス と考えます)
はなやかに美しく 雪が降り積もり
雪をかぶった楡の木は 私の妻の姿に似ている
雪をかぶった楡の木(私の妻)よ よみがえれと
沢の水のせせらぎも いっしょに泣いてくれる
楡の木の梢に巣をかけた鳥も 死んでしまったのだろうか
巣の中にも雪が小鳥の姿となって 積もり 輝いている
岩かげに 淡雪ふり
遠つ世の 舟のかたち
さけられぬ ちから知れと
しるし舞う 昼は長けて
すきとおり ただほほえむ
ふたばにも 忘れ雪
楡の木の横の岩かげにも うっすらと雪が積もり
あの世へ旅立つ 棺桶(かんおけ)の形のようだ
さけることのできない 運命を知れと
示し、告げて雪は舞い 太陽は輝く
(長ける = まっさかり つまり昼の真っ盛りの太陽の光)
私の妻は見えなくなって ただ微笑んでいて
新しく芽生えた双葉にも 妻の姿になった雪が降り積もる
うわぁぁぁ、先生もこんなふうに奥さんを愛していきたいなぁ…。
しかし、美しい死です。「高貴」「尊厳」そのものの美しさです。
【火の粉】
7月10日の練習では「この詩は戦争の歌だよ」とだけ言いましたね。言葉だけを読んだだけなら
この世の中の片すみだ
焚火が燃えてるんだな
ヒゲがそろわないんだな
帽子が転がったのか
さそり座とわし座が
うわさを聞いて
(中略)
火の粉が天へ上りました
こんなふうにイメージしてたって笑い話になるだけです(笑)。
先生のハートは下のように感じます。
この世のかたすみ = 世界のどこかで
たき火 = 爆弾
帽子 = 人間の頭とか首
さそり座わし座 = 天の神様
火の粉 = 戦争の炎
風 = ピストルの弾丸
娘が笑う = 女の子が撃たれて死ぬ
わたし = キリスト
胸のくさり = 胸の十字架
だから
この世のかたすみ
たき火がはじけます
そろわぬ口ひげ
帽子がころげます
さそり わし座
うわさにこがれて
荒れ野 三日
あるいてきたのさ
ほらほらそこ
火の粉がのぼる
今も世界のどこかで
戦争の爆弾がはじけている
父さんの顔(口ひげ)がゆがみ
父さんの頭が吹っ飛んだ! 神様たすけて!
天の神々が
戦争の話を聞いて
止めようとして荒れ野を
来てくれたけど
ほら あそこにも ほら ここにも
戦争の炎が天へと上ってゆく
風舞うくさはら
こころがほてります
そばかすかわいい
娘がわらいます
わたし だれか
しらないくせして
胸の くさり
ゆれてるだけだよ
あれあれあれそこ
火の粉がのぼる
弾丸が舞い飛ぶ草原で
絶望に心が熱くなる
そばかすが かわいい
少女が撃たれて悲鳴をあげる
私がキリストだということを
兵隊たちは誰も知らずに
胸に偽りの(いつわりの にせものの)十字架を
ゆらめかせるだけ(お前たちに神はあるのか?)
あれ あそこにも あれ ここにも
地獄の炎が天を焦がしている
今日もニュースで「難民が…」「人道支援が…」という映像が流れていました。今日の話、「空」の練習が終わった後の話です。
みんなはそこに行って止めなくても良いけれど、「わたし知らなぁ~い」「ぼくには関係なぁ~い」とだけは思わないようにしましょう。
先生もそこに行くことはできません。でも、「知ること」が第一歩なのです。ぼくたちと同じ空気を今吸っている人々の話だということを知るのです。知ろうとするのです。
「火の粉」は、そういう詩だと先生は感じます。 -
薔薇のゆくえ
【令和3年7月10日(土)】
今日は第25回定期演奏会に向けてのパートを発表しました。普通の合唱団の感覚なら「えぇ?今ごろ決めたの?ほんじゃあ今まで何をやっとったの?」と言われるかも知れません。
今までは基礎基本の練習をやってきたわけです。声を前に飛ばす(ミミクリーペットありがとう)、ドの音を聴いてミを声で出す、ドを聴いてソを出す、ドを聴いてファを出す(鍵盤ハーモニカありがとう)、ピアノの開放弦を声の響きで鳴らす(グランドピアノありがとう)、音のうねりを聴き取る(電子ピアノSA46ありがとう)、超ビミョーな音程に耳を研ぎ澄ます(クロマティックチューナーありがとう)などなど、いろいろな基礎基本を繰り返してきました。
もちろんこれからも時間を見つけて、これら「合唱力を高める」トレーニングは続けていきます。
そして今日、パート発表したのですけれども、「ああ、これで受け持つパートだけ練習すりゃイイや」などとは考えないでくださいね。いちおう
☆ ソプラノ上
☆ ソプラノ下
☆ メゾソプラノ上
☆ メゾソプラノ下
☆ アルト上
☆ アルト下
と、6つに分けたんですけれども、普段から耳を澄ませて(あるいはいっしょに歌ったりして)それぞれ一つ上下のパートを担当できるようにしておいてください。今日の練習でもそのようにお願いをしました。たとえば「メゾソプラノ上」の担当者は、一つ上のソプラノ下と、一つ下のメゾソプラノ下のパートも、いつでもパッと歌えるようにしておく(ように努力する)のです。
その努力は必ずみなさん一人一人の「合唱力」を高めます。そして互いに密接につながったハーモニーを生み出すのです。
同時に、実際に歌ってみて上手くいかなかったりバランスが良くないなと思われる時には、互いに受け持つパートを交換し合ったり、パート移動をしたりすることもあります。そんな時、「うぇ~ん、アタシはこのパートしかできないも~ん」なんて言ってちゃダメ。そりゃ「赤ちゃん合唱団」ですわねぇ。
もう一つ、重要なことがあります。それは今後、新入団員が入ってきてくれた時のことです。新しいメンバーが加われば当然パートの人数バランスが(うれしいことですが)崩れます。そんな時に「あっ、そう。じゃぁアタシがこっちのパートに移るわ」なぁんて言ってくれたら、本当に嬉しいし助かるし、第一カッコいいですよねぇ。
というわけです。よろしくお願いいたします。
さて、今日は曲集「われもこう」から「薔薇のゆくえ」と「忘れ雪」と「火の粉」を歌いました。全部のパートを全員で歌いながら、最後にそれぞれが担当するパートを歌ってハーモニーを作る。このやり方で3曲を最初から最後まで全部歌い切りました。ほんの少し時間が余ったので「なぎさ道」を半分くらい。休憩を除いた約120分で3・5曲。今までに「合唱力」を高めてあるからこそ可能になるわけです。とても効率的でした。
練習中、「今日のソラノートは長くなります」と予告をしておきました。3曲ともとても美しいメロディーでありハーモニーなので、ドンドン音取りを進めていき、つまり詩の内容についてはホトンド触れなかったからです。
今からここに書くことは非常に重要なことです。そして、ここに書く詩のイメージを「練習の場で説明していたら時間がいくらあっても足りなくなります」と言ったら、全員がナットクしてくれました。
【薔薇のゆくえ】
みなさんは仏(ほとけ)様を知っていますね。ムズカシイ言葉では仏教(ぶっきょう)と言います。その仏教、つまり仏様の教えに「輪廻」という考え方があります。輪廻とは「りんね」と読みます。
命あるものが何度も生まれ変わり、人だけでなく動物なども含めた生類(生きるもの)として同じ価値がある…という教えです。
ばらは さだめ しり
かぜと でかけ た
まちも むらも ない
いしの あれの で
ばらは かたち とけ
うたに なった よ
以下、原詩と同じように改行してイメージしていきます。
薔薇は自分の運命を知り
自分を滅ぼす者を受け入れて ※
愛も信じ合う心もない
絶望にあふれた場所で
薔薇は愛と信じ合う心を伝えて
歌に生まれ変わった
※は「風」をどうイメージするか…です。薔薇にとって風とは、最後に自分を散らすもの。風さえ吹かなければ薔薇はあと一週間くらい咲いていられるはずです。自分を散らしてしまう…、つまり自分の命を奪う運命です。その運命を受け入れて出かけた…という意味でしょう。
みんなだってその運命を受け入れているのですよ。自分が永久に生きていられるなどと思っている子はいないはずです。90才か100才かは知りませんが、みなさんも先生も必ず死ぬのです。
だから一日一日がとても大切な時間なのです。それを分かっている子はイジメなんてやっているヒマはないわけです。
自分の運命を分かっている子は今日という一日を大切にします。みなさんは薔薇なのです。
詩は続きます。
うたは かおり すい
つばさ ひろげ た
ほしも みずも ない
いわの はざま で
うたは くだけ ちり
ゆきに なった よ
(薔薇の生まれ変わりの)歌は薔薇のかおりを(命を)受け継ぎ
翼を(自分ができることを)精一杯に拡げた
愛も信じ合う心もない
絶望にあふれた場所で
歌は愛と信じ合う心を伝えて
雪に生まれ変わった
みんなもそのように生きたいと思いませんか?
そして詩は続きます。終わっていません。この続きは、歌うみなさんが作るのです。
嶋田先生が作ったらこうなります。
ゆきは しろく なり
だいち おおっ た
よごれ はてた もの
おおい かくし て
ゆきは ふりし きり
ばらに なった よ
雪は白く白く
全ての人々を包んだ
黒く汚れ果てた憎しみを
やさしく包んで
雪は全てを純白に染めて
薔薇に生まれ変わった
新実先生が1番と2番の間に「ルルル」やハミングでワンコーラスを(全く同じメロディーを)入れたのは、みなさんに「自分で作ったイメージを美しく思い描いてハミングしてください」と問い掛けたメッセージだと思います。
嶋田先生のようなヘタクソなイメージではなく、みなさんが自由に美しいイメージを膨らませてください。それが作曲者の願いであり、「薔薇のゆくえ」という曲を歌う意味だと思うのです。
このイメージは一人一人が違っていても良く、むしろバラバラである方が良いのです。嶋田先生は輪廻として
薔薇→歌→雪→ふたたび薔薇 とイメージしましたが、みんなは
薔薇→歌→雪→月→山→海→ふたたび薔薇
などとしても良く、自由なのです。お願いだから「何もイメージできない」などと言う子にならないでくださいね。
一度ここで打ち切ってソラノートにアップすることにします。長くなるからね。続きは、つまり「忘れ雪」と「火の粉」については明日にでも書くことにします。
これだけは分かってください。どれだけ良い声を持っていても、どれだけ音程が良くっても、歌う人が自分のイメージを持っていない合唱は、単なる声のアクロバットに過ぎないのだということを…。 -
「感傷的な唄」
【令和3年7月3日(土)】
7月に入りました。新実先生がお見えになるのが8月22日(日)。その前の日帰り合宿20日と21日は予備日と考えるとして、それまでに8月14日(土)、8月7日(土)、7月31日(土)、7月24日(土)、7月17日(土)、そして来週7月10日(土)と今日しか練習がありません。だから今日はとりあえずパートを確定させ、来週に発表して6回と合宿の1日目2日目で新実先生に聴いていただく。なかなかの強行スケジュールです(笑)。
チラッと聞いたのですが、コロナや受験でなかなか練習に来られない、そこでパートが決まって表現の練習が始まる…。私はついていけるのだろうか…。などと心配しているメンバーもいるようです。
それは嶋田先生の計算に入っています。部活もあるしコロナもある。欠席することは恥ずかしいこでもイケナイことでもありません。だいたい、これからの練習に全て参加しなくてはならない…ということになれば、今後いっさい新入団員を受け入れることはできない…ということになります。
嶋田先生としては、合宿が終わっても9月の最初くらいまでならば、新入団員が入ってくれたらその子がステージに立つことができるようにしてみせます。これまでにも何度も何度もそういうことはありました。嶋田先生は平気です。
仮に9月4日(土)に新入団員が来てくれたとしましょう。その子と休団中のメンバーとを比べれば、(ランク付けは良いことではありませんが話を分かりやすくするために敢えて比較・ランクのようなことを書きます)それまでの経験値から考えても圧倒的に休団中のメンバーの方が上です。嶋田先生がどんな指揮をするのか、「空」がどんな表現を目指すのか、そのような経験値は計り知れないものがあり、半年や1年のブランク(空白期間)があったとしてもその「力」は大きい。
それをまず分かってください。
父母会の大人たちは全員分かっています。嶋田先生は父母総会でいつも言います。「私は、1回発言したこと、1回書いたこと。これを翻すことは絶対にしません」(翻す=ひるがえす・やっぱり別の方法にします という意味)
ソラノートはインターネットで世界中に流れています。ここで書いたことを翻したら嶋田先生は人間ではありません(笑)。
だけど、これも分かってください。仮に休団中のメンバーが10月30日(土)のゲネプロ(直前リハーサル)に来てくれたとしましょう。その日までに、歌おうとする曲を1回も聴いたことがない、楽譜を見るのも初めて、というのは無理ではないでしょうか? 少なくとも嶋田先生の実力では無理です。
これも絶対に翻しませんが「どのくらい歌えるのかテスト」などはしません。たとえ本番の前日からでも休団中のメンバーを信用します。その時、初めて楽譜を開く曲でも1回も聴いたことのない曲でも「歌えます」と言ってくれるのなら絶対にステージに立ってもらいます。これは翻しません。約束は守ります。
前置きはこのくらいにしておいて、今日の練習はみんなにとっては
◯新しい曲を歌ってみる
◯合唱の力を高める
ということで、いつもと変わらないのですが、先生にとっては
◯誰がどんな声を持っていて
◯その子に一番向いているパートはどこかをキチンと知る
ことが眼目となりました。だから今日はいつも以上に一人で歌ってもらう時間が多くありました。キンチョウしましたか?ゴメンナサイね。
だけど、一人ずつ声を聴かせてもらって分かったのですが、音程はかなり良いです。それが分かりました。それから、一人で歌うことはキンチョウするけど自信もつきます。その自信は計り知れない「力」になります。一人で歌うのはなかなか有意義な時間となりました。間違いありません。
どこを一人で歌ってもらったかというと、「感傷的な唄」のP6~P8の上の段です。これを全員がソプラノ・メゾソプラノ・アルトを全部一人で歌った。これは「パート決め」などという話はどうでも良く、メンバーにとっては実に良い練習になりました。それから「鳥が」のP37~P40の上の段。江川先生も大変でした。「感傷的な唄」は人数の3倍の回数を繰り返して弾いていただいたわけで、指が変になっちゃったかも…と心配しています。
「鳥が」はメロディーラインですし、先週も歌いました。ですが「感傷的な唄」は初めて声にする曲です。嶋田先生の記憶では1月か2月に少し歌ったことがありますが、1回だけ。それも半年近く前の話で、ほぼほぼ全員が初見です。
この曲はねぇ、7拍子なんですよ。正確に言えば4拍子+3拍子なんですが、ようするに不安定な変拍子です。それを初見(初めて見る楽譜)なのに嶋田先生の指揮とピアノ伴奏だけを頼りに歌い切ったってんだから、こいつぁ大したもんだわ…と思いました。繰り返しますが、メンバーにとっては実に良い練習になりました。
その後、「感傷的な唄」は中間部をカットしてP15から全員で全パートの音を取ってハーモニーを作りました。なかなかのハーモニーでした。みんなは歌っていてどう感じましたか?
P14の下の段の4小節目から、実に不思議なピアノ伴奏が始まります。そう。「死へと向かう行進曲」です。コワ~ィ響きだねぇ~!!!!!
歌詞も「死んでしまって 肉体もすっかり滅びても」です。小学生のメンバーはぜひこの部分を歌ってお家の人に聴かせてあげましょう。それも10回くらい歌ってあげると良いですよ。きっと「ぐえぇ~!!!!やめろ。いったいオミャーは何ちゅう歌をうたうんじゃ?」と言うに違いありません。
そう言ってもらえたら、あなたの歌声は本物であり上手でしたってことになります。もしもママが「あら、キレイな曲ねぇ。何度聴いてもアキナイわ」なんて言ったら、あんた、そりゃ失敗だったってことです。
良い実験です。ぜひチャレンジしてみてください。
組曲「やさしい魚」は新実先生の代表作であり、合唱コンクールでもよく歌われましたが、「感傷的な唄」の詩の世界を豊かにイメージして歌っている演奏を聴いたことがありません。詩人の川崎洋が使った言葉は難しくはないのですが、それゆえに言葉をそのまま読んでしまって「言葉を並べただけの演奏」に終始してしまうことが多いのです。
「空」の場合、幸せなことに作曲者に直接聴いていただくチャンスがあるわけですし、嶋田先生は「メンバーが何を歌っているのかを(詩の世界を)知らずに」歌っているのは合唱じゃないと思っているので、またまた申し訳ありませんが説明しておくことにします。今日も説明しましたが、限られた時間の中では十分な説明になりませんでしたので。
今日の欠席メンバーは、ぜひ以下の話を読んでから団員専用コーナーの「感傷的な唄」参考音源を聴いてみてください。
結論を先に書きます。「感傷的な唄」は人間が生まれてから死ぬまでをたった3分の音楽に凝縮(ぎょうしゅく)した世界です。
風が吹くから
生きよう
そう思う前に
もう足が駈け出していた
風が吹くから
見えないものを
信じることができた
不意に思い出す
トンボがつながるときの
カシャ という音
小鳥の歌に
人間の歌で返事しよう
と思ったときのこと
体温計のケースに
しのばせて
手渡そうとした恋文は
とうとう渡せないまま
あれから
どこへ行ったのだったか
唄好きな蝶番(ちょうつがい)は
他の(よその)星から飛んできた風船と
よく話をしていたし
位の低い神様のベンチには
主題のない招待状が
陽に光っていた
死んでしまって
肉体もすっかり滅びても
私の
もう此の世のものではない耳に
美しい歌だけが聞こえてくる
そんな祈りが
もしかして
適えられないだろうか
この詩、使われている言葉そのものはカンタンで小学生でも理解できますから、まっすぐにそのまま読めてしまいます。こんなふうに。
風がふくから生きよう と思ったのか。
そう思う前に もう足が勝手に走り出したんだな。
風が吹くから 見えないものを信じたんだな。
不意に(急に)思い出したんだな。
トンボがつながったんだな。
カシャっという音がしたんだな。そんな音するかな?
(中略)
位の低い神様がいたんだな。
そしてベンチに座っていたんだな。
ベンチにはテーマが書いてない招待状があって
太陽の光に輝いていたんだな。
知らんけど、きれいな詩だな。
ほう。死んじゃったんだな。
肉体が滅びたんだな。
耳が天国にでも行ったのかな。
美しい歌が聞こえてきたんだな。
そんなふうに祈ったんだな。
祈りを適えてほしいって思ったんだな。
分からんけど、悲しい感じだな。
これまでに嶋田先生が聴いた「感傷的な唄」は大なり小なり上のような感じで歌われていました。
風が吹いて トンボがつながって 肉体が滅んで 美しい歌が聞こえて はい、知らんけどメデタシメデタシ。
こんなふうに歌って、歌う意味があるのだろうか…。申し訳ないけれど、私はそういう歌は「歌ではない」と思います。
まず、「風が吹くから生きよう」じゃないんです。ここが間違いの元。
「風が吹くからもう足が駈け出していた」なんです。
同じように「風が吹くから見えないもの」じゃなくて「風が吹くから信じることができた」なんです。
「風が吹くから」とは、自分に命をくれた神様が「あなたに命をあげよう」と言ったから という意味です。
だから川崎洋の言いたかったことは、こうなります。
神様が「お前に命をさずける」と言ったから
「こんなふうに生きよう」と私が思う前に
もう自分は生まれていた
神様が「お前に命をさずける」と言ったから
目に見えない愛、形のない優しさを
信じることができた
以下、【 】でおおよその年齢をイメージして、原詩と同じように改行して記します。
「トンボ」は「父さんと母さん」であり、「蝶番」とは「自分の子ども」という意味です。
なぜ「蝶番」が「子ども」なのかと言うと、もともとは他人である「父さん」と「母さん」を結びつけているのは父と母との間に生まれた「子ども」だからです。「蝶番」とは扉(父)と壁(母)とをつなぐ金属の金具です。
【生まれる前~生まれた瞬間】
神様が「お前に命をさずける」と言ったから
「こんなふうに生きよう」と私が思う前に
もう自分の命は始まっていた
【5才ごろ】
神様が「お前に命をさずける」と言ったから
目に見えない愛、形のない優しさを
信じることができた
【10才ごろ】
とつぜん(不意に)思い出したんだ
父さんと母さんが結婚した(写真を見た時の)ことを
祝福の鐘の音が聞こえたことを
【15才ごろ】
(そして生まれた私は)小鳥の歌に
人間の歌で返事がしたい
と本気で願っていた
【18才ごろ】
小さな箱に
そっと入れて
(あなたに)手渡そうとしたラブレターは
あの時、渡せなかったけれど
(あなたへの思いを書き留めた)あの手紙
どこにしまってあるのかな
【30才ごろ】
(あなたと私との間に生まれた)赤ちゃんは歌が大好きで
宇宙から飛んできた流れ星に
大喜びで話しかけていたわね
【90才ごろ】
私だけの神様がいるところに
「もう(こちらの世界へ)帰っておいで」という招待状が届いて
光に包まれていた
【死んだ後】
(あなたと過ごした幸せな)命が終わって
私の身体は無くなってしまたけれど
もう此の世のものではない(私の)耳に
(あなたといっしょに歌った)美しい歌だけは聞こえてくる
そんな私の祈り そんな私の願い
もしかしたら
神様は聞き届けてくれるのかしら
ぜひ、こんなイメージを拡げて参考音源を聴いてみてください。新実先生がなぜ最初の部分を変則の7拍子にしたのか、あるいはP14の下の段の4小節目から、実に不思議な響きのピアノ伴奏にしたのか、理解できると思います。
そのような努力をしてくれる休団中メンバーなら、直前であろうと本番前日であろうと嶋田先生は喜んで「ステージでいっしょに歌いたい」と思います。
上のようなイメージは、嶋田先生の中に最初から描かれたものではありません。
「感傷的な唄」を初めて聴いたのは昭和62年、CBCコンクールで27才の時でした。34年前になります。21年前には「やさしい魚」全曲を歌いました。もちろん、その後に毎日「感傷的な唄」の詩のことを考えていたわけではありません。17年前、「空」の第9回定期演奏会ではみなさんの先輩にトコトン指導しました。
そうして34年の歳月の中で膨らんできたイメージです。国語が専門で、しかも近代文学を大学で専攻した嶋田先生でも30年以上かかるんです。
練習の場でこんな説明をしていたら時間がいくらあっても足りません。
このようにソラノートに記しておかなければ、風が吹いて トンボがつながって 肉体が滅んで 美しい歌が聞こえて はい、知らんけどメデタシメデタシ。という表現になってしまいます。
面白いことは、受け手であるみなさんが本気になってイメージを拡げてくれるのならば、30年かかって膨らんだ世界が1日でみなさんに伝わる…ということです。
30年分の考察が1日で伝わる。合唱に限らず「授業」というものの最も面白い部分です。
イメージが膨らんだら、ぜひお家の人に聴かせてあげましょう。ヘタクソに歌ったら「ぐえぇ~!!!!やめろ。いったいオミャーは何ちゅう歌をうたうんじゃ?」と言うはずだったパパさんやママさんが「おお、良い曲だなぁ。父ちゃんや母ちゃんの歌みたいだなぁ。お前も、こんな人生になると良いなぁ。何度聴いてもアキナイわ」なんて言ったら、あんた、そりゃ大成功。そんなハーモニーを作ることができたら、本当に素晴らしく、そして幸せなことです。 -
レベル の話
【令和3年6月26日(土)】
中学校・高校ではテスト直前(もう終わった学校もある)ということもあって、嶋田先生のガラケーには「欠席します」というメールが5件ほど入っていました。総務の方には嶋田ガラケーでは受信できない連絡も含めてもっと多くのメールが入っていたとのこと。「体調不良」や「転校してしまう友達とのお別れ会」「急に入った習いごと」などだそうです。
みんなが知らない時代、ずっと以前の「空」では考えられないことです。みんなキチンと「欠席します」と連絡を入れてくれる。素晴らしいことですね。欠席をすることは少しも恥ずかしいことではありません。「空」の連絡と共通理解は素晴らしいことだと思います。
さて、それならばこういう練習をしよう…とスグに思いつきました。それは「音と音との関連(つながり)」です。
ピアノの近くに集まってもらって発声練習。
ドードレーレミーミファーファソーソラーラシーシドー
ドードシーシラーラソーソファーファミーミレーレドー
これを全員でやって、その後は一人ずつやってもらいました。全員ができました。
これで【レベル1】から【レベル2】までは自動的に全員が合格のクリアです。
合唱を楽しもうと思ったらクリアしなければならないレベルがたくさんあります。「音と音との関連」に関わるレベルを並べるとこうなります。
【レベル1】声を前に向かって響かせてミミクリーペットを歌わせる
【レベル2】ピアノや鍵盤ハーモニカで出した音を正しく出す
ここまでは今日の発声練習で全員クリアです。問題はその先です。
【レベル3】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「ミ」を声で出す
【レベル4】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「ソ」を声で出す
ここまでは今日のメンバーは全員クリアできました。
【レベル5】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「ファ」を声で出す
これはカンタンそうに思えるけど実はカンタンではありません。今日来たベテランメンバーもかなり真剣に聴かないと危ないアブナイ(笑)。
さらに先に何があるかというと
【レベル6】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「ラ」を声で出す
【レベル7】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「シ」を声で出す
そして
【レベル8】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「♯ファ」を声で出す
これは東海メールクワイアーのオジサンたちでもカンタンではありません。
さらに
【レベル9】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「♭シ」を声で出す
ここまで自由自在にできたら、あんたはプロの合唱団に入れますよ(笑)。
今の「空」は、だいたい【レベル6】まではできるようになっています。定期演奏会で歌った「鮎の歌」や「コタンの歌」なら【レベル6】の力があれば十分に歌えます。
今日、小学校3年生のメンバーに「ドの音を聴いてミの音が分からなければ合唱なんかできるはずがないよねぇ?」と聞いてみましたが、みんな「うん。できるはずがない」と答えてくれました。そうなんです。できるはずがありません。
だから、そのような「耳を鍛える」ことが大切なのです。
ベテランメンバーは【レベル6】ならOKでしょうけれども、そこで満足しないでくださいね。【レベル7】はそうカンタンではありませんよ。
また時間を作って「基礎基本」を大切にした練習をしていきましょう。
付け足しておきますが、これは「音と音との関連」に関わるレベルの話です。つまり耳のレベル。
もう一つ別の話として「声の響き」のレベルがあります。つまり声のレベル。蚊が鳴いているような声を【レベル1】だとすると、ピアノがキーンと共鳴するような声は【レベル5】くらいかな。【レベル9】ならプロ歌手のレベルです。
こちらの話も来週、フェールマミのグランドピアノを使ってレベルアップしていきましょう。
ついでにもう一つベテランメンバーのために書いておきますが、今日やった「音の関連」の【レベル2】ピアノや鍵盤ハーモニカで出した音を正しく声にする ですが、これは全員クリアなんですけれども、やはり細かいレベルがあるということです。ベテランメンバーはこれを分かってください。
つまり、一口に【レベル2】ピアノや鍵盤ハーモニカで出した音を正しく出すと言っても、その出した声をクロマティックチューナーで測ったらどうなるか…というレベルです。できるだけグリーンランプに近い音で…となると相当に真剣にならなくてはなりません。
それが【レベル3】ピアノで「ド」を出すからそれを聴いて「ミ」を声で出す をクロマティックチューナーで測られるなんてことになったら、こりゃガンガンの真剣モードです。
今、嶋田先生はできるだけチャランポランタンのムードで(わざと意識してそうしてます)音や声の話をしていますが、みんなも楽しくチャランポランタンムードで歌ってくれれば良いのですけれども、頭の中では時々で良いですからクロマティックチューナーモードで冷静かつ真剣に声を出してくださいね。お願いしますよ。
今日はもう少し書いておきたいことがあるので、先に曲の報告をしておきます。
今日はバースデーメンバーがいたので、リクエストによって「ともだち讃歌」を歌いました。「歌はともだち」のP120です。
続いて「ぼくは雲雀」の中から「ちいさな法螺」と「やさしい魚」の中から「鳥が」のメロディーを歌いました。曲の感じはゼンゼン違いますが、どちらもとても楽しくて美しいメロディーです。早くメロディーをとらえてくださいね。
新実先生の音楽は(湯山先生も大中先生もみんな同じですが新実先生は特に)メロディーラインが重要です。ハーモニーに回るパートになっても、いつでもどこでもメロディーにチェンジすることができなくてはなりません。これは作曲家の個性であり芸術性です。理解してください。
メロディーラインだけだったら、ホームページの団員専用エリアで「ちいさな法螺」も「鳥が」も聴くことができます。3~4回聴くだけで90%以上メロディーラインをつかむことができるはずです。チャレンジしてみてください。
さて、なぜ今日は「レベル」の話になってソラノートで詳しく分析し説明したか、補足して書いておきます。
なぜかと言うと、それは嶋田先生が音楽大学の教授ではなく、ただの担任の先生だったから…なんです。
クラスの中には漢字が苦手な子もいれば計算が苦手な子もいるし鉄棒が苦手な子もいます。
話を分かりやすくするために「計算が苦手な子」を例にとります。
たとえば
◯一郎君は今日10円かせぎました。次郎君は今日8円かせぎました。三郎君は今日35円かせぎました。かせいだお金を15日分合わせて3人で山分けすることにしました。さて1人いくらもらえるでしょう。
このような問題があったとします。
まずクリアしなくてはならないのは
(10+8+35)×15÷3= 答え
という式が立てられるか…という話です。この式が立てられなくてウンウンと唸っている6年生がいたらどうするでしょう。高校生ならどんなヒントをあげますか?
「根性で考えろ!」と言ってムチでピシピシ、なぁ~んてやってもダメです。根性論で解決する問題ではありません。
嶋田先生はそのような時、「自分で好きなように、数字をメチャメチャカンタンな数字に置き換えて考えろ」とヒントを出しました。問題の数字をカンタンにするとこうなります。
◯一郎君は今日1円かせぎました。次郎君は今日1円かせぎました。三郎君は今日1円かせぎました。かせいだお金を2日分合わせて3人で山分けすることにしました。さて1人いくらもらえるでしょう。
そしたら、よっぽどの子でないかぎり、生活経験の中から「3人足して3円、2日分で6円。それを3人で分けたら1人は2円もらえる」と答えることができます。すると式は
(1+1+1)×2÷3=2
ということが分かります。
次に置き換えた数字を元に戻すのです。10円を1円にした。15日を2日にした。それを元に戻すから…
(10+8+35)×15÷3= 答え という式になるのか。
式ができたら、
【レベル1】10+8 10の足し算 たぶん1年生の2学期
【レベル2】18+35 繰り上がりの足し算 たぶん2年生
【レベル3】43×15 2ケタの掛け算 たぶん4年生
【レベル4】645÷3 3ケタの割り算 たぶん5年生
この、どこのレベルの計算ができないのか、それを探すのです。足し算のレベルか、掛け算のレベルか、はたまた割り算のレベルか。
もし【レベル3】でつまづいていることが分かったら、43×10とか43×5ならできるかどうか調べれば良い。
もし43×10でつまづいていることが分かったら、4×10とか3×10ならできるかどうか調べれば良い。
すみません。小学校2年生とか3年生のメンバーの保護者様、このあたりのことは上手く説明してあげてくださいませ。
肝心なことは「智恵の輪」みたいにコンガラガッテいる【式を立てるレベル】と【レベル1】から【レベル4】までを、いっぺんに考えるのではなく、どんなレベルでつまづいているかを探る努力をする…と言うことです。根性論でガッツで考えたって涙が出てくるだけです。
泣いている子に「なんで分からんのだオミャーは」なんて怒っている親や教師がいたとしたら、その人は「子どもがどこでつまづいているのかを分析してあげられない自分」にこそ怒りをぶつけるべきです。
で、式の立て方さえ分かれば、
◯アメリカは1日でワクチンを1億2000万回分生産しました。日本は1日でワクチンを9,000万回分生産しました。イギリスは1日でワクチンを8500万回分生産しました。この3ヵ国で生産したワクチンを30日分合わせて、発展途上国の8ヵ国に分配することにしました。さて発展途上国1ヵ国は、何回分のワクチンを受け取ることができるでしょう。
なんて話も
(120000000+90000000+85000000)×30÷8
として計算できるようになります。
わぁ~お、また教育論になっちゃった。ごめんなさぁ~い。
でもさぁ、ここまで根性で(笑)読んでくれたメンバーは、この算数の話を「合唱の話」に置き換えてみてください。(120000000+90000000+85000000)×30÷8をハーモニーに置き換えたら、すごい響きになることでしょうね。
願いはただひとつ。楽しい合唱をするためにはどうすれば良いか…という願いがあるだけです。とっぴんぱらりの ぷう。 -
全員で走るリレー
【令和3年6月19日(土)】
今日は「クロマティックチューナーのグリーンランプを5秒点けたらランチ10回」という約束を果たすためのチャレンジタイム1回目をやろうと思っていました(当然2回目をやります)。
先週・先々週に書いたように、440hzの音を5秒続けるなんてことは人間技(にんげんわざ)ではない。鍵盤ハーモニカで試してみてもグリーンランプと赤ランプが両方とも点く。リコーダーで試してもグリーンと赤がパカパカ点く。ただひとつ電子ピアノSA-46だけが安定してグリーンランプを点けます。
手始めに今日も嶋田先生が思い切り本気になってチャレンジしましたがグリーンと赤がパカパカ。で、今度7月16日にリサイタルを開くという恒川先生にもチャレンジしてもらったけれどもグリーンと赤がパカパカ。
だから言ったじゃないのさ。肉でできた人間には不可能だって。
なに?鍵盤ハーモニカとリコーダーは人間じゃないだろうって?
良いところに気が付きましたねぇ。鍵盤ハーモニカとリコーダーは人間じゃない。まぁマシーンの一種と分類できますね。
でもさぁ、そのマシーンの一種である鍵盤ハーモニカとリコーダーを誰が吹いてると思ってるのかね?肉でできた嶋田先生が吹いたわけだよね。
電気掃除機の反対の機械を作って、つまり空気を吸い込むんじゃなくて空気を吐き出す機械を作って、その空気を吐き出す量を完全に正確にコントロールして鍵盤ハーモニカやリコーダーにつなげば、たぶんグリーンランプだけです。人間の身体から吐き出される空気で音を作る以上、鍵盤ハーモニカそのものやリコーダーそのものはマシーンかもしれないけれど、人間の息ではダメです。
だけれども、合唱団「空」のメンバーならグリーンランプ5秒ができるかもしれない。何しろ子どもっていうのは本気になったら恐ろしい力を発揮しますからねぇ。よくテレビに出てるじゃないですか。東京から大阪までの東海道線の駅の名前を順番通りに全部言える小学生とか、明治時代から現在までに発売された自動車の名前を全部知ってる子とか、世界中の国旗を全部知っていて旗を見れば国の名前を言える中学生とか。
だから「空」のメンバーならヒョッとして5秒できる子がいても不思議じゃぁない(笑)。
結果はどうなったかというと全員グリーンと赤がパカパカ。でした。
残念でしたって?
そうじゃないんだよね。
だって全員が「グリーンと赤がパカパカ」だったんですよ。これは大成功のスペシャルGoodです。
どういうことかって?
本気になった恒川先生や嶋田先生と同じレベルだったんですよ。全員が。
嶋田先生が吹いているとは言え、鍵盤ハーモニカやリコーダーと同じレベルだったんですよ。全員が。
こいつぁスゴイことです。良かったヨカッタ。すばらしい。
なに?「グリーンと赤がパカパカ」くらいアホでもできるって?
ジョーダンじゃないですよ。SA-46で出した音を聴いて恒川先生も嶋田先生もメンバーも声を出したんですけれども、その音から半音ズレていたらグリーンランプは点きません。
つまりメンバー全員がSA-46で出した音(グリーンランプが点く音)を捉えていて、その音を中心にフラフラしていたってことです。「その音を中心にフラフラ」は恒川先生も嶋田先生もプロだってフラフラするんですから気にしなくても良い。大切なことは「グリーンランプが点いた」ってことなんです。自信を持って良いです。
自信を持って良いですけれども努力は忘れないでください。先週も書きましたが、限りなくSA-46に近づこうとすること。グリーンランプが長く点くように限りなく努力することを…です。
そのためには「音を聴く」ということ。「聞く」じゃダメですよ。「聴く」ことが大切です。
※聞く → 何をしなくても聞こえてくるまわりの音を耳が感じること
※聴く → ねらった音だけを集中して耳で感じて脳ミソで捉えること
さて、そこまで実験しておいて曲集「われもこう」から2曲目の「忘れ雪」を歌いました。メロディーだけではなく、全部のパートを最初から最後まで全員で歌いました。
これも毎回書いていますが、今は「力を高めて貯金しておく」シーズンなんです。「力」もないのにいくら表現の練習をしても時間のムダです。分かりやすく書くと
◯楽譜(音符の動き)をよく見る。目で捉える。
◯鍵盤ハーモニカや先生の声をよく聴く。耳で捉える。
◯目と耳で捉えた音を自分の声として出して歌ってみる。
◯自分が出した声がグリーンランプに近づくように努力する。
こういうことに力を使うんです。
●楽譜がただ見えているだけ
●先生や鍵盤ハーモニカの音が聞こえて(聴こえて ではなく)いるだけ
●自分の声を出しているだけ(グリーンランプに近づこうとしないで)
だったら、ものすごく時間がかかります。
時間がかかると言うよりも10000回練習したって全くムダです。世の中にはそのような「練習しているつもりになっているだけのムダな練習」というものがいっぱいあるんです。勉強だって同じですよ。
上の◯4つに力を注ぐとどんなに効率が良いか。それを今日も先週も先々週も、みんなが証明してくれています。
パートも決まっていないのに
並んでいる場所によって決められたABCのグループで
1回か2回お手本を聴いただけで
そうやって歌ってもソコソコのハーモニーができるじゃないですか。今日も「忘れ雪」でそれができました。なにしろ今までメロディーを歌ったことはあるけれど、全部のパートを歌ってハーモニーを作るってことは今日初めてやったことなんですからね。
6月いっぱいはこの「力を高めて貯金しておく」シーズンを続けましょう。7月にはパートを決めて表現の練習に入ります。8月22日に新実徳英先生をお迎えするのですからギリギリのタイミングです。
力を貸してください。あなたの力が「空」には必要なんです。
よろしくお願いいたします。
合唱というゲームは全員で走るリレーのようなものです。
高校生・大学生は100mを12秒で走れると思ってください。
中学生は100mを13秒で走れると思いましょう。
小学生高学年は100mを14秒で走れます。
小学生低学年は100mを15秒で走れると思ってください。
みんな「音をよく聴く」という力が高まってきたら…
高校生・大学生は11.9秒に
中学生は12.9秒に
高学年は13.9秒に
低学年は14.9秒に
なれることを目指すのです。それが練習です。
そうやって10人でリレーしたら全員で0.1秒×10人だから1秒早くなります。
だれか1人でも1秒遅く走ったら残りの9人の0.1秒が生きません。
みんなが0.1秒ずつ速くなるように努力する。それが合唱の面白さであり素晴らしいところです。
小学生が高校生より速く走る必要はありません。小学生も大学生も考えることはただ一つ。「自分が0.1秒速くなること」です。 -
ニューメンバーもベテランメンバーもいっしょ
【令和3年6月12日(土)】
今日は新入団員の男の子を迎えて集まったメンバーも大喜びでした。よろしくお願いいたします。
緊急事態宣言も「解除の方向で考えている」との大村知事の発言もあり、解除となれば自粛メンバーも練習に来やすくなるし、「緊急事態宣言が明けてから見学に行きます」という見学予定の子もいますから、「空」の未来も明るくなってきましたね。
コロナワクチンについて今、世界で問題になっているのは、先進国(アメリカやヨーロッパや日本)ではワクチンがたくさんあるのに、発展途上国(アフリカや東南アジア)ではワクチンが足りない…という現実です。
アメリカや日本で国民全員がワクチンを打っても、発展途上国ではコロナが流行したままでウイルスがジャンジャン入ってくる…なんてことが続いていたらダメです。地球全体でウイルスがいなくならなければ勝利とは言えません。
ところがこの問題は合唱団「空」でも同じなんです。新しいメンバーが増えるということは素晴らしいことなんだけれども、ベテランメンバーと「合唱力」に差がある状態を放置していたら、ニューメンバーもベテランメンバーも楽しくない。
先進国も発展途上国もみんな同じが良いように、ニューメンバーもベテランメンバーもみんな同じが良い。そのためにサミットでアメリカやイギリスや日本の総理大臣・大統領が話し合っています。「空」では嶋田先生が工夫する必要がある。
「空」にとってのワクチンは「音を聴く」という力です。ニューメンバーも先々週・先週そして今日の練習でだいぶ分かってくれたようです。ところがベテランメンバーは、もう何年も「音を聴く」トレーニングを積み重ねていますから、ふつうに「ただ音を聴け」って言うだけではツマラナイでしょうね。そう思うのは当然のことです。
だから今日はクロマティックチューナーと電子ピアノSA-46の出番となりました。
電子ピアノSA-46の音をクロマティックチューナーで測ると、ず~っとグリーンランプが点くことを今日は全員に確認してもらいました。部屋の電気を消して暗くして小さなランプを見やすくする徹底ぶりです。
その後、嶋田先生が思いっ切り真剣に聴いて声を出しました。しかしグリーンランプと赤ランプが点いたり消えたり。声のピッチ(声の高さ)が安定しません。
「空」のメンバーが思いっ切り真剣に音を聴いて声を出します。やはりグリーンランプと赤ランプが点いたり消えたりです。
くやしいけれども、これは仕方がありません。なぜならば私たちはマシーンではなく肉でできた動物だからです。プロと言えども肉でできている以上、マシーンのような音程(ピッチ)は保てません。
その意味ではニューメンバーだろうとベテランメンバーだろうと同じで、電子ピアノSA-46のような安定した音(声)は出せないのです。ベテランメンバーも目と耳で確認したし、ナットクしてくれたものと思います。どんなに努力しても電子ピアノSA-46(マシーン)の音程は出せない。
ここからが最も大切な話です。どんなに努力しても電子ピアノSA-46にはなれないけれど、かけねなく真剣に電子ピアノSA-46みたいな安定した声(音)にしようと努力することが大切なんです。
藤井聡太くんが将棋の「神の領域」に近づこうと努力しているのは「自分は神になれる」と思って努力しているわけではありません。世界一を目指す料理人が「神の味」を追求するのも「自分の味は神の味」と思っているわけではない。
野球もサッカーも将棋も料理も合唱も、みんな虹を追いかけるんです。虹をつかまえられると思って努力するのはアホです。つかまえられないことは分かっているけれども、一歩でも虹に近づこうとして追いかけるんです。それが人間です。
ニューメンバーは真剣な子ばっかりなので、本当に目の色を変えて「音を聴いて」います。そりゃぁ目つきを見れば分かりますよ。今日も目つきが真剣でした。
「ピアノや鍵盤(や電子ピアノSA-46)で出た音を声にして出すなんて何年も前からやってきたわさ」ってベテランメンバーは思うでしょう。ベテランメンバーが今の「力」を身に付けたのも、そのトレーニングの賜物であることは間違いありません。ですが、去年や一昨年は嶋田先生は言わなかったんですよ。今、みんなに話しているのは超スーパーウルトラ真剣に聴く…というレベルの話。虹を追いかけるレベルの話です。
だから今までのようにノンビリ・フンワリと「音を聴く」だけだったら、すぐにニューメンバーが追いついてきます。
ニューメンバーもベテランメンバーも同じように「真剣に音を聴く」。そして「真剣に声を出す」。全員がその「意味」を分かっている。そうなったらステキですね。
もし本当にそうなったら、世界中にワクチンが行きわたるのと同じように、全員が「真剣に音を聴く」合唱団になるわけです。おぉ、書いているだけでワクワクしてくるよ。そのくらいステキな話です。
今日、部屋を暗くしてグリーンランプと赤ランプを目で確認したネライは以上のとおりです。
それでもって曲の練習です。使ったのは「わらべが丘」。前半の「音を聴く」話が効果を表したのでしょうか。1回鍵盤ハーモニカで音を出すだけでかなり正確にメロディーを捉えてくれました。全員が全部のパートを最初から最後まで(P54~P62まで)歌うことができました。その上で自分が気に入ったパートを受け持って全員でハーモニーを作ります。そのハーモニーも、「わらべが丘」でハーモニーを作ったことは初めてとは思えないくらいに本格的な響きでした。
このレベルのハーモニーを30分かそこらで作り出すことができれば楽しいでしょう。
しかし、今日も何度も何度も繰り返して言いましたが、これは表現の練習ではありません。表現を練り上げるのは担当するパートがシッカリと決まった後です。今日は「わらべが丘」を使って「音を聴き」「聴いた音を声にして」さらに「自分の声を聴き」「友達の声とハモらせる」というトレーニングをやったわけです。
白状しておきます。嶋田先生はみんなのハーモニーを聴いていて、表現の練習がしたかった。強弱やテンポの変化、歌詞の発音、そして何よりも歌詞のイメージを深めていく…、そんな練習が本当にやりたくなりました。そう嶋田先生に思わせる、そういうハーモニーでした。でも目標がブレてはいけない。今は「みんなの音感を鍛えるのが目標だ」と自分に言い聞かせてガマンをしていました。
最後は「ライオンとお茶を」と「ふたりで」です。この2曲も全員が全部のパートを一通り歌ってみて、それから好きなパートを選んでハーモニーを作るところまで行きました。
1時間かそこらで3曲を全部のパートを全員が通したわけです。すごい効率でした。本当にありがとう。
そうそう。今日は本当は愛知県合唱連盟合唱祭の本番でした。出演する合唱団は全てビデオ参加になりました。合唱団「空」も東海メールクワイアーもビデオ参加しています。
愛知県合唱連盟のホームページから、今日と明日の2日間限定で、全ての合唱団のビデオを見ることができるはずです。
さぁ~て。ソラノートも書き終わったことだし、さっそく先生は愛知県合唱連盟合唱のホームページに行ってきまぁ~す。
来週も練習会場は音楽プラザですよ。 -
「音のうねり」と「努力」の話
【令和3年6月5日(土)その2】
先週と今週の練習で電子ピアノCasioSA-46を使って「音のうねり」について話しました。
「ラ」の音は440hzです。
440ヘルツとは何かというと、1秒間に440回波ができるということです。
442hzにすると、1秒間に442回波ができるというわけです。
みんなが(先生も)ノドの骨を1秒間に440回ぶつけていれば、その子は正確な「ラ」の音を出しているということになります。
ところが人間は機械ではありませんから、自分のノドの骨を(自分の肉を?)1秒間に440回動かすなどということはできるはずがありません。
プロだって「このくらいかな?」という感じで(悪い意味ではなく)テキトウにノドの骨を震わせているんですね。
だからプロの声だって、クロマティックチューナーで測れば赤ランプ(音がズレてるよ)がついたりグリーンランプ(正確な音ですよ)がついたり、ビミョーにランプがパカパカ点滅します。
ところが、さきほど書いたように電子ピアノSA-46の音をクロマティックチューナーで測ると、ずうっとグリーンランプなんですね。これは当たり前のことでありまして、電子ピアノSA-46は機械(マシーン)なんです。だから筋肉をビミョーに調整することはない。電気の流れで音を出しているだけなんです。
しかし、機械ではありますが、その音程は100%正確です。それはそれは正確に「1秒間に440回の音の波」を作り出してくれます。
では電子ピアノSA-46を100台用意して、完璧な440回の440hzの音を100台で一度に出したとしましょう。どうなると思いますか?
先週と今週、2台の電子ピアノSA-46を同時に鳴らしました。両方とも同じ440hzにした時どうなったかというと、2台鳴らすと確かに音は大きくなったように感じたと思いますが、音そのものは1台しか鳴っていないように聴こえたはずです。音そのものというか、音色には全く変化がない。1台だけ鳴らしても2台同時に鳴らしても、同じ(440hzの)音であれば、マシーンが増えた効果は見られません。100台同時に鳴らしたって同じことです。
全く同じ(コンピュータで測っても同じレベルの)音だったら、チームもクソもないのです。
しかし「空」はチームです。一人一人が生きている。
この一人一人のメンバーが、自分の耳で必死になって「440hzの声を出そう」とガンバるんです。しかし、だれ一人として5秒間ずっとグリーンランプの声を出すことはおそらく不可能です。だから先生は以前「5秒間グリーンランプができたらランチ10回」と書いたわけです(笑)。
人間が肉でできている以上、マシーンのように正確にはいきません。
ある子は時々441hzになり、となりの子は時々439hzの声になるわけです。もちろん正確に440hzの声にもなるわけなんです。
そうするとどうなるか。
今日も440hzと441hzを同時に出して聴いてもらいました。すると1秒間に1回「音のうねり」ができましたね。
440hzと442hzでも同時に出してみました。この時は1秒間に2回「音のうねり」ができました。
439hzと440hzを同時に出しても1秒間に1回「音のうねり」ができます。
この「音のうねり」が人数分重なると、「音のうねり」と「音のうねり」が人数分重なって、その時その瞬間にしか現れない「響き」が生まれます。
これが「そのチームの声」であり「その合唱団の響き」になります。
同じメンバーが1分後に、さっきと同じように声を出そうとしても、そのレベルでは「さっきと同じ響き」にはなりません。その時その瞬間にしか現れない「響き」とはそういう意味です。すごく人間的な話。そのメンバーでしか出せない「独特の響き」になるんです。
ほぉ~う、そうかい。ほいじゃあアタシは5hzくらいズレててもOKだわねぇ
なんて言って、435hzとか445hzを出したらどうなると思いますか?
今日も440hzと445hzを同時に出して聴いてもらいました。みんなは1秒間に5回、手のひらをヒラヒラ振ってくれましたよね。
だれでも分かるんです。小学生のメンバーだって「分かるよ」って手を上げてくれましたがね。5hz違ったら分かりますよ。
さっき書いた「そのメンバーでしか出せない「独特の響き」」の中に5hz違った声が混ざったら…。
気持ちの悪いことになるんです。今日、恒川先生と嶋田先生の鍵盤ハーモニカを同時に鳴らしたらビミョーに音がズレていて、ほぼ全員が「気持ち悪い」と言ったじゃありませんか。あの現象が起きるんです。
その意味では鍵盤ハーモニカという楽器も全面的に信頼はできません。
【まとめ】
◯ 人間はマシーンではありません。肉です(笑)。
◯ 肉だから、どんなに努力しても完璧な音は出せません(笑)。
◯ だけど、完璧な音を目指して努力するんです。ここが大切です。
◯ そのために「まわりの音をよく聴く」のです。
◯ すると、あなたの声は限りなく正確に近くなります。
◯ ただし、完璧な音にはなりません。
◯ ならないけれど、限りなく正確になろうと努力するんです。
◯ となりの子も同じ努力をしています。
◯ あなたの努力ととなりの子の努力が重なって「独特の音のうねり」が生まれます。
◯ その「独特の音のうねり」が人数分重なります。
◯ そうして合唱団「空」の「独特の響き」が生まれます。
◯ その響きはマシーン100台用意しても決して作ることのできない「空」だけの響きです。
☆ このような「努力をする」ことが何よりも大切なことなのです。その「努力」をした結果、ほんの一瞬5hzズレても10hzズレたとしても、それはそれで「温かみのある響き」になるのだと先生は信じています。
よく読んでくれました。ありがとう。
ムダになる努力はない…というお話でした。今日の練習の最初の20分くらいに話した内容を全部バラすと、こういう話になる。この話を全部フェールマミでしていたら、歌をうたっとる時間なんかなくなっちまうからなぁ。 -
調整さんの1回目
【令和3年6月5日(土)】
先週の練習が終わった後、電子ピアノCasioSA-46をフェールマミに置いておきました。先週の練習を運動会やテスト対策・コロナ対策などで休まざるを得なかったメンバーのために440hzと442hzの話をかんたんに繰り返しておきました。
休み時間に、電子ピアノSA-46の音をクロマティックチューナーで試していた(単に遊んでいただけかもしれない)メンバーがいましたが、電子ピアノSA-46の音はクロマティックチューナーで測るとずうっとグリーンランプなんですね。これについては後で述べます。
今日はそれよりも、みんなが「自分のパート」を選ぶことができるヒントをできるだけたくさん出そうと思っていました。まさか新実徳英先生の目の前で「ちょっと待ってください。今からこの子のパートを決めます」なんて言うわけにはいかない。
新実先生がお見えになるのは8月22日(日)ですから、それまでにある程度の表現を練り上げておくことを考えると、どんなに遅くても6月中には(とりあえずの)パートを決めておく必要があります。なんだかワクチンみたいな話になってきましたね(笑)。
まずは高い声から低い声までをロングトーンで発声練習。この時、低い音域では「倍音」と呼ばれる1オクターブ上の音がキレイに響いていました。しかし「倍音」についてはまたの機会にゆっくり話すことにして、とにかく「自分の声がどの高さで一番響くか、自分で真剣に実験してください」と繰り返しました。
続いて「ライオンとお茶を」のP70の最後のハーモニー(46小節目)をみんなで作りました。アルトはド、メゾソプラノはミ、ソプラノはソです。この音を一通り全員で出してみて「どの音が一番出しやすいか」を自分で実験してもらいました。
その「自分の判断」「自分の希望」はとっても大切です。しかし合唱はチームプレーですから、全員がソプラノ希望ってことになったらチームにならない。9人全員がピッチャーでは野球になりません。
だから先生の方にも「この子はこのパートが向いているだろうな」という判断があります。つまり
① 自分がどこに向いているか自分で判断する
② 希望パートの人数のバランス調整する
③ そのために先生の判断も加える
と、このような手順を踏みます。
調整さんというページを作ったので、ここに名前と希望のパートを入れてください。
◯上 ソプラノ上
◯下 ソプラノ下
◎上 メゾソプラノ上 ここまでが二つに分かれる時の上のパート
◎下 メゾソプラノ下 ここからが二つに分かれる時の下のパート
☆上 アルト上
☆下 アルト下
? わからない(先生決めてよ)
★ どこでもOK
https://chouseisan.com/s?h=b3df00b3c7d54b86830936716cfc7f07
ここから入れます。
とりあえず11日(金)までに教えてください。ただし、これで決定ではありません。まずは希望を聞いて、そこから本当の調整がはじまります。
その調整は、合唱祭がなくなったことで生まれた時間を利用して、また来週に(音楽プラザ)でみんなに相談します。
なので、東京や京都にいるメンバーや働いているメンバーも教えてください。休団中のメンバーも教えてくださいね。
上のアドレスにソラノートから入れるかどうか、書いている今は分かりませんので、アドレスはメールでも送りますネ。
さて、曲の練習ですが、「就職」と「卒業」を歌いました。
今日の時点では誰でもがどのパートでもできるように、全部のパートを全員で一通り歌いました。
ABCの三つのグループに分かれてハーモニーも作りました。なかなかに力強い声で、よく響いていました。
今後が楽しみになってきました。
くれぐれも言っておきますが(書いておきますが)、今回の「調整さん」は1回目です。今回入れた「希望」で決定ではありません。全員が「ソプラノ」って入れるかも知れないからです。そこんとこを間違えないようにして、気楽に回答をお願いします。