SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ニューメンバーもベテランメンバーもいっしょ

【令和3年6月12日(土)】
今日は新入団員の男の子を迎えて集まったメンバーも大喜びでした。よろしくお願いいたします。
緊急事態宣言も「解除の方向で考えている」との大村知事の発言もあり、解除となれば自粛メンバーも練習に来やすくなるし、「緊急事態宣言が明けてから見学に行きます」という見学予定の子もいますから、「空」の未来も明るくなってきましたね。

コロナワクチンについて今、世界で問題になっているのは、先進国(アメリカやヨーロッパや日本)ではワクチンがたくさんあるのに、発展途上国(アフリカや東南アジア)ではワクチンが足りない…という現実です。
アメリカや日本で国民全員がワクチンを打っても、発展途上国ではコロナが流行したままでウイルスがジャンジャン入ってくる…なんてことが続いていたらダメです。地球全体でウイルスがいなくならなければ勝利とは言えません。

ところがこの問題は合唱団「空」でも同じなんです。新しいメンバーが増えるということは素晴らしいことなんだけれども、ベテランメンバーと「合唱力」に差がある状態を放置していたら、ニューメンバーもベテランメンバーも楽しくない。
先進国も発展途上国もみんな同じが良いように、ニューメンバーもベテランメンバーもみんな同じが良い。そのためにサミットでアメリカやイギリスや日本の総理大臣・大統領が話し合っています。「空」では嶋田先生が工夫する必要がある。

「空」にとってのワクチンは「音を聴く」という力です。ニューメンバーも先々週・先週そして今日の練習でだいぶ分かってくれたようです。ところがベテランメンバーは、もう何年も「音を聴く」トレーニングを積み重ねていますから、ふつうに「ただ音を聴け」って言うだけではツマラナイでしょうね。そう思うのは当然のことです。
だから今日はクロマティックチューナーと電子ピアノSA-46の出番となりました。
電子ピアノSA-46の音をクロマティックチューナーで測ると、ず~っとグリーンランプが点くことを今日は全員に確認してもらいました。部屋の電気を消して暗くして小さなランプを見やすくする徹底ぶりです。
その後、嶋田先生が思いっ切り真剣に聴いて声を出しました。しかしグリーンランプと赤ランプが点いたり消えたり。声のピッチ(声の高さ)が安定しません。
「空」のメンバーが思いっ切り真剣に音を聴いて声を出します。やはりグリーンランプと赤ランプが点いたり消えたりです。
くやしいけれども、これは仕方がありません。なぜならば私たちはマシーンではなく肉でできた動物だからです。プロと言えども肉でできている以上、マシーンのような音程(ピッチ)は保てません。
その意味ではニューメンバーだろうとベテランメンバーだろうと同じで、電子ピアノSA-46のような安定した音(声)は出せないのです。ベテランメンバーも目と耳で確認したし、ナットクしてくれたものと思います。どんなに努力しても電子ピアノSA-46(マシーン)の音程は出せない。

ここからが最も大切な話です。どんなに努力しても電子ピアノSA-46にはなれないけれど、かけねなく真剣に電子ピアノSA-46みたいな安定した声(音)にしようと努力することが大切なんです。
藤井聡太くんが将棋の「神の領域」に近づこうと努力しているのは「自分は神になれる」と思って努力しているわけではありません。世界一を目指す料理人が「神の味」を追求するのも「自分の味は神の味」と思っているわけではない。
野球もサッカーも将棋も料理も合唱も、みんな虹を追いかけるんです。虹をつかまえられると思って努力するのはアホです。つかまえられないことは分かっているけれども、一歩でも虹に近づこうとして追いかけるんです。それが人間です。

ニューメンバーは真剣な子ばっかりなので、本当に目の色を変えて「音を聴いて」います。そりゃぁ目つきを見れば分かりますよ。今日も目つきが真剣でした。
「ピアノや鍵盤(や電子ピアノSA-46)で出た音を声にして出すなんて何年も前からやってきたわさ」ってベテランメンバーは思うでしょう。ベテランメンバーが今の「力」を身に付けたのも、そのトレーニングの賜物であることは間違いありません。ですが、去年や一昨年は嶋田先生は言わなかったんですよ。今、みんなに話しているのは超スーパーウルトラ真剣に聴く…というレベルの話。虹を追いかけるレベルの話です。
だから今までのようにノンビリ・フンワリと「音を聴く」だけだったら、すぐにニューメンバーが追いついてきます。
ニューメンバーもベテランメンバーも同じように「真剣に音を聴く」。そして「真剣に声を出す」。全員がその「意味」を分かっている。そうなったらステキですね。

もし本当にそうなったら、世界中にワクチンが行きわたるのと同じように、全員が「真剣に音を聴く」合唱団になるわけです。おぉ、書いているだけでワクワクしてくるよ。そのくらいステキな話です。

今日、部屋を暗くしてグリーンランプと赤ランプを目で確認したネライは以上のとおりです。

それでもって曲の練習です。使ったのは「わらべが丘」。前半の「音を聴く」話が効果を表したのでしょうか。1回鍵盤ハーモニカで音を出すだけでかなり正確にメロディーを捉えてくれました。全員が全部のパートを最初から最後まで(P54~P62まで)歌うことができました。その上で自分が気に入ったパートを受け持って全員でハーモニーを作ります。そのハーモニーも、「わらべが丘」でハーモニーを作ったことは初めてとは思えないくらいに本格的な響きでした。
このレベルのハーモニーを30分かそこらで作り出すことができれば楽しいでしょう。
しかし、今日も何度も何度も繰り返して言いましたが、これは表現の練習ではありません。表現を練り上げるのは担当するパートがシッカリと決まった後です。今日は「わらべが丘」を使って「音を聴き」「聴いた音を声にして」さらに「自分の声を聴き」「友達の声とハモらせる」というトレーニングをやったわけです。
白状しておきます。嶋田先生はみんなのハーモニーを聴いていて、表現の練習がしたかった。強弱やテンポの変化、歌詞の発音、そして何よりも歌詞のイメージを深めていく…、そんな練習が本当にやりたくなりました。そう嶋田先生に思わせる、そういうハーモニーでした。でも目標がブレてはいけない。今は「みんなの音感を鍛えるのが目標だ」と自分に言い聞かせてガマンをしていました。

最後は「ライオンとお茶を」と「ふたりで」です。この2曲も全員が全部のパートを一通り歌ってみて、それから好きなパートを選んでハーモニーを作るところまで行きました。
1時間かそこらで3曲を全部のパートを全員が通したわけです。すごい効率でした。本当にありがとう。

そうそう。今日は本当は愛知県合唱連盟合唱祭の本番でした。出演する合唱団は全てビデオ参加になりました。合唱団「空」も東海メールクワイアーもビデオ参加しています。
愛知県合唱連盟のホームページから、今日と明日の2日間限定で、全ての合唱団のビデオを見ることができるはずです。
さぁ~て。ソラノートも書き終わったことだし、さっそく先生は愛知県合唱連盟合唱のホームページに行ってきまぁ~す。

来週も練習会場は音楽プラザですよ。

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