SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


440ヘルツ の話

【令和3年5月29日(土)】
今日は合唱団「空」の歴史上、一度もやっていない「耳のトレーニング」をやってみようと思い、先週の練習の後一週間かけて準備をしていました。用意したのはカシオの「Casio SA-46」という電子ピアノが2台です。

ドレミファソラシドのラの音(正確に言えばAの音)は1秒間に440回何かを叩けば良いのです。拍手だって1秒間に440回手を叩けばちゃぁんとラの高さの音になるんです。だけど手を440回も叩くことはできない。しかしノドの骨なら440回ぶつけることができますから私たちは「ラ~」って歌うことができるんです。
ノドの骨は左右に分かれていて、これを開いたり閉じたりして左右の骨をぶつけているんですね。スズムシの羽と同じ原理です。
だけれども「オレは今からノドの骨を1秒間に440回ぶつけるぞ」と思って「ラ~」と歌う人はいない。
早い話が、てきとうにノドを使って音(声)を出して歌っているわけです。プロだって、そういう意味では「てきとうに」声を出している。プロだって「てきとうに」しか声は出せません。
ということは、自分がてきとうに出している音が正確なのかイイカゲンなのかを「聴き分ける耳」があるかどうかが勝負になります。聴き分けながら「ラ~」と歌うか、本当にてきとうのイイカゲンに「ラ~」と歌っているのかでは天国と地獄ほどの差が生まれます。
1秒間に440回…これを専門的には440ヘルツと言います。ヘルツはhzと書きます。
最近のオーケストラは440hzではなく、ラの音を442hzとして演奏することが多いです。つまり1秒間に2発分多い。ほんの少しのチョッピリ高い音で演奏しています。
その440hzと442hzとを聴き分けるコツを伝えよう…というのが今日の授業(?)のメインでした。
1秒間に440回と442回。このように拍手できる人がいたとします。さぁ、どちらの人が2回多く手を叩いたでしょうか?そんなことが分かるんでしょうか。
分かるんです。
分かんなぁ~い…なんて言ってちゃダメですよ。分かるようになります。先生の授業を聞いてください。

今日は手始めとして、440hzと442hzを同時に出したらどうなるか…を聴いてもらいました。
テストとコロナと運動会で欠席しなくてはならなかった人たち、どうなると思いますか?
正解は
1秒間に2回、ウ~ンウ~ンと「音のうねり」が起こります。
この「音のうねり」に合わせて手をヒラヒラと振ってもらいました。1秒間に2回ヒラヒラさせた子が正解です。
なぜ440hzと442hzを同時に出したら「音のうねり」が1秒間に2回起こるのか。
それは6年生の算数です。最小公倍数という勉強ですね(笑)。

では、440hzと441hzを同時に出したらどうなるでしょうか?
正解は、1秒間に1回ウ~~ンと「音のうねり」が起こりますから、1回手をヒラヒラさせた子が正しく聴き分けていることになります。
では、440hzと430hzにしたらどうなるでしょう?
これを聴き分けた子は1秒間に10回手を振らないといけないので、手がツカレルからやめました。でも「音のうねり」は全員が分かったようです。

大切なことは「音を聴こう」とする姿勢です。「音を聴こう」とする心です。
その姿勢と心と、意欲と情熱があるかないか。そこが勝負になります。

この実験を今日かぎりの話としたら、休まなければならなかったメンバーがカワイソウです。だから電子ピアノSA-46はフェールマミに置いてきました。またやりましょう。

ところで電子ピアノSA-46の音をクロマティックチューナーで測ったらグリーンランプはどうなると思いますか?

あるいは電子ピアノSA-46の音をミミクリーペットに聞かせたら、どんなふうに歌うでしょうか?

面白い話は来週以降も続きます。


さて本題。
愛知県合唱連盟合唱祭は6月12日です。その後、新実先生が「空」のメンバーの目の前にやってくるのが8月22日ですから、合唱祭から新実先生までに土曜日の定例練習は9回しかありません。
そこで今日は、新しいメンバーもいるし生まれて初めて楽譜を見る曲が多いことは百も承知の上で、「ぼくは雲雀」と「われもこう」の2冊の曲集を16曲全部歌ってみることにしました。
だから電子ピアノSA-46を使った440hzと442hzの実験の後は、ひたすら16曲を歌いまくった…という話になります。
16曲全部ですから「メロディーだけが分かれば良い」と何度も何度も繰り返しました。
だから今日の練習に追いつくためにはホームページの団員専用エリアの参考音源を2~3回、楽譜を見ながら聴いてくれればカンタンです。
ただし全部歌いましたから全部聴いてくださいね。それでOKです。
これは今日の出席メンバーも同じです。ザザァーっとメロディーだけ歌っただけですから、あらためてジックリと参考音源を聴くことは大切です。むしろ440hzと442hzの実験に参加した後ですから、音源を聴くことはすごく有効になるはずです。

来週も「白いうた青いうた」のメロディーを歌い込んでいきますが、もう少ししたら希望のパートを教えてもらおうと思っています。
自分の声がどのパートに向いているか、考えておいてくださいね。

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