【令和4年5月7日(土)】
今日も前半に4曲目「サウンド・オヴ・ミュージック」を歌いました。音は正確ですからハーモニーも美しい。「音程」と「ハーモニー」の力が高まってきています。それについては後で記します。
何を練習したかというと
○エネルギッシュな歌い方
○音楽に対するイメージの力
の二つです。
まずソプラノの前奏(レのハミング)は美しい。2小節目の「さわやかな」から始まるハーモニーも美しいですがエネルギーが無い。「山の夜明けが」も「星一つ」も弱い。脆弱(ぜいじゃく)な表現です。続くソプラノの「青い森陰は私を呼びとめて」も弱い。「山は歌う やさしく」「あの歌を いつも歌う あの歌を」も脆弱です。
これは人数の問題ではなく、一人一人が放つエネルギーに原因があります。
ようするに「どのような音楽か」というイメージが小さいのです。おそらく「風が吹いてさわやかで気持ちいいな」「夜が明けて星が消えていく」「新緑の森が私を呼んでいる」「やさしい歌が聞こえてくる」「しあわせだぁ~」っとまぁ、こんな感じだったんじゃないかな。
それが間違ってるとは言わないけれど、もう少し大きく歌いましょうよ、みなさん。
ロケットに乗った…と思ってください。宇宙から地球を見たら、どんなふうに見えるでしょう?
もちろん嶋田先生も乗ったことはないし、宇宙から地球を見たこともありません。でもイメージすることはできるよ。みんなだってテレビや写真の情報でイメージを膨らませる環境は整っているはずです。
地球の写真を見たって人間は写っていません。いや、最近はウクライナ問題のニュースで、宇宙からの写真に戦車が写っていたりしてビックリするのですがね。
そう、地球の写真にも人間は写っているのですよ。ただ、小さすぎて見えないだけです。ロケットが地球に近づいて雲が見えてくる。もっと近づくとアルプス山脈が見えてくる。でも人間はまだ見えない。
ロケットが雲の下に入ると山が見え、湖が見え、森が見えてくる。そして建物が見えて丘が見えてくる。そしてやっと人間が見えてくる。
そのくらい巨大なんですよ、地球ってのは。圧倒的な巨大さ。言い換えれば圧倒的な人間の小ささです。
その巨大な森や湖やアルプスや空や風や星。圧倒的な大自然に囲まれたちっぽけな私。そのちっぽけな私の心の中に、圧倒的な巨大さの大自然のエネルギーが伝わってくる。風や空や星や太陽のエネルギーが…です。
それは私たちに「生きること」を問いかけます。
しかし「どのように生きるか」とか「どんな人になるか」というようなことは教えてくれません。そんなことは親や学校がある程度は教えてくれます。「友達にやさしく」とか「正直な人になってね」とかね。
そういう次元ではなく、「生きること」そのものを与えてくれる。そんな感じ。合唱団「空」が創立した頃には今日のメンバーは誰も生まれていなかったのです。生命のカケラも無い、絶対的な「無」だったのに、ある時ポッと生命の灯がついた。お母さんのおなかの中で。なあ~~~んにも無かったのに生命の灯がついたんです。すごく巨大な話です。
そんな「生命の灯がついた」瞬間に「やさしい子になってね」とか「将来はワールドカップに出て」とか言わないでしょう?もっと根源的な原始的な巨大なものですよ、生命っていうのは。
体の大きさをモノサシで測って1メートル何センチ…という大きさではなく、みんなの「生命」って太陽や地球と同じくらい大きいものだって、そう思いませんか?
そんな巨大な音楽を20人や30人の子どもの力で表現できるはずがニャーだろう! そんな反論も一理あります。
嶋田先生が今日言ったのは、みなさん一人一人の頭のなかにある「イメージ」の話です。頭の中でなら、いかなる巨大な情景でも描けますし強大なイメージだって描けます。
だから大きい表現で強い声でエネルギッシュに歌いましょう。音程やハーモニーは十分です♪みんなの中から迸る(ほとばしる)エネルギーの話でした。
その後は曲集「サウンド・オヴ・ミュージック」から8曲目「ひとりぼっちの羊飼い」を歌いました。これはヨーデルと言って、高い声から低い声まで必要ですし、1オクターブ以上の音の跳躍があります。聴いている人には楽しいんだけれど歌うのは大変…という見本のような曲です(笑)。最後の132~133小節目は嶋田先生の工夫でありまして、メロディーはソプラノなのですが音域が高いのでメゾソプラノを少し低くしました。アルトはかなり低くしてあります。これは自分のノドの調子を考えて自由に選んでください。ソプラノパートに書いてある音を歌えればそれに超したことはないんだけれど、無理する必要はありません。キョクタンに言うと10月22日まではソプラノパートを歌うつもりで練習したけど23日の本番直前に「やっぱりメゾでいこう」とするのもオッケーです♪
さて後半ですが「ことばあそびうた」の1曲目「やんま」を初めて歌いました。「ことばあそびうた」について嶋田先生は4種類の音源を持っています。
○神奈川県・大磯小学校合唱部(1982年録音、指揮・福永陽一郎 東芝EMIから発売)
○東京混声合唱団女声部(1983年録音、指揮・田中信昭 Victorから発売)
○名古屋市立宝南小学校合唱部(1986年録音、指揮・嶋田先生 NagoyaDiscでCD化)
○合唱団「空」第9回定期演奏会(2005年録音、指揮・嶋田先生 NagoyaDiscでCD化)
このうちの大磯小学校はNHKコンクール18年連続神奈川県代表、日本一になること6回という名門校で別格の存在。宝南小学校は10年間で7回名古屋市の代表ですが愛知県代表は3回、全国大会出場は2回しかありません。連続18年県代表というのは驚異的な記録です。東京混声合唱団はプロの合唱団ですが、嶋田先生の耳では一番ツマラナイ演奏です。
このうちの宝南小学校は「かぞえうた」を歌って当時のNHKコンクールの名古屋市代表でした(8月)。で、10月の南区連合音楽会「やんま」「だって」を歌うことになり、2月には「いるか」を合わせて全曲を録音しました。つまり「やんま」と「だって」にまるまる2ヶ月をかけたわけです。
全員が小学生だから今の「空」とは比較にもなりません。ですが月火水木金土(当時は土曜日も学校があった)と毎日2時間練習してました。「やんま」と「だって」の2曲だから単純に割り算すると「やんま」だけに1ヶ月、20日×2時間で40時間ということかな。
当時のメンバーとは今でも交流がありますし、練習の動画や録音も残っていますから、「やんま」のどの部分でどんな練習をしたか、よく覚えています。むしろ19年後の合唱団「空」の方が、どの部分でどんな練習をしたか記憶がありません。
部分部分のくわしい記述はキリがないから止めますが、まがりなりにも名古屋市の代表となるくらいの小学生が40時間かけた曲を、今日は11時からの1時間でだいたい正確な音程とハーモニーを作り出すことができました。指導者は同じなので、この違いは合唱団の方に原因があるものと考えられます。「音取り」は早いね、合唱団「空」は。しかもその「音取り」が正確だから生み出されるハーモニーもなかなかのものです♪
おお、これは面白くなりそうだ…という期待が嶋田先生の中で膨らみました。何しろとにかく、嶋田先生のような合唱オタクでも作曲者自身が指揮をした「ことばあそびうた」というのは聴いたことがないのです。
新実先生の指揮でこの不思議な音楽を自由自在に歌えるようにサポートに力を尽くします。