12曲目に「もし、」が付いていないわけ

【令和6年5月25日(土)】
 今日は「空」にとって1年間で何回かある苦しい日の中のひとつです。と言うのも、今日は市内の小学校の半数以上で運動会があり、先週いたメンバーの中だけでも「来週(つまり今日)運動会」という子が6人いました。さらに中学校と高校では中間テストの時期で、1学期には期末テストだけという学校が増えてきたものの、まだまだ中間テストを計画する学校も多いです。
 というわけで、今日は8月10日に参加が予定されている愛知県少年少女合唱連盟合唱フェスティバルで歌う曲について紹介し、少し表現を深めておこうと思っていました。持ち時間が9分ということで、次の3曲にします。
 〇もし、空になれたら
 〇もし、りんごの木になれたら
 〇もし、動物語がしゃべれるようになったら
 曲を決めるにあたっては、アンケートを取ったり「調整さん」に投票してもらったりと、いろいろな方法があるでしょうが、どんな方法を取るにしても意見や希望がいっぱい出て、まとめるのが大変です。
 それに、歌う曲はみんなにとって大切な問題でしょうけれども、逆に言えば正解はありません。どんな結論になるにしても「何がベスト」かは分からないし、つまりは「全ての意見や希望がベスト」なんです。
 花子さんの意見の曲が正しくて、太郎さんの希望の曲は間違っている…なぁんてことはないのですから、キョクタンに言うと100年話し合ったところで「ベスト」は分からない。
 こういう時には指導者の責任において決めるのも方法の一つです。担任の先生が「この方法でいきましょう」とクラスを引っ張るのと同じですね。
 で、今日は上の3曲を歌いました。
 これで今日のソラノートは終了しても良いのですが、せっかくですからもう少し詳しく報告しておきます。

 まず、今日は少しキビシイ話をしすぎましたね。反省しています。細かい表現の指示が多かった。「最終的にどんなふうに表現していくか」という予告編のつもりでしたが、ちょっとテクニックの話が多かった。算数の授業で言えば「わかりにくい授業」でした。
 でも、集まってくれたメンバーは一生懸命にガンバってくれました。ありがとう。

 「もし、空になれたら」では1番から4番まで、春の空、夏の空、秋の空、冬の空になりたいと歌うのですが、「詩の主人公は、本当に春夏秋冬の空になれるとは思っていないんじゃないかな?」と言いました。さらに「もし、春夏秋冬の空になれたら、こんなことをするんだけれども、でも実際にゼリーやブローチが作れるとは思っていないよ」とも言いました。
 「でもね、5番は本気になって「なりたい」「やりたい」と思ってる。今よりもっと優しくなって地球を包みたいって思っています。だから、5番はみんなも本気の声で歌ってください」
 「地球を包もうというのは地球儀をダッコするのではなく、地球上にある不幸せや悲しみやツラいことを取り除いてあげたいってことだと思うよ」
 これが今日の結論であり報告です。

 さて、ここからが本題。
 「空にかいた12の童話」の詩を読むと、1曲目から10曲目までは全て主人公のセリフあるいは思っていることだとは先週のソラノートに書きました。つまり「 」がつく内容です。
 今日、みんなと練習していて思ったのですが、そしてみんなが帰った後に思ったのですが、ひょっとしたら1曲目から10曲目までの「詩の主人公」は、「そうなりたいし、そうなれたらこんなことをする」って思っていることは確かだけれども、本当に「そうなれる」とは思っていないんじゃないか?ということを思いました。
 1曲目から10曲目まで、本当に「そうなれる」とは思っていなくて、そうなるために修行をして努力して練習しようとも思っていない。
 だから全部タイトルに「もし、」が付くんだよ。
太陽にも魔法使いにも空にもりんごの木にも透明人間にも、なれたら良いに決まっているし、もしもなれたらいろいろロマンチックなことができるんだけれども、本当になれるとは思っていない。
 でも、そういうロマンチックなことができたら楽しいし素晴らしいですよね。夢ですよ。夢。ロマンです。
 夢を持つことは大切ですし、こんなロマンチックな夢を膨らませることのできる人ってステキです。でも、なれない。
 そう思います。
 ところが11曲目で、「おまえは太陽でも魔法使いでも空でもりんごの木でも透明人間でもない!!おまえはなぁ、人間なんだよ!!!」と世界中の動物たちに言われて夢から覚める。「あぁ!ぼくって人間なんだ!!」と目覚める。そういうことじゃないのかな…?

 夢から目覚めた「主人公のぼく」は気がついた。
 「あぁ、ぼくって人間なんだ」
 「どんなにガンバッテも太陽にも魔法使いにもなれない」
 「りんごの木になったら世界中の人たちの幸せを祈ることはできるけど、りんごの木にはなれない」
 「だったら、一番大切なことって何だろう」
 「そうだ。あの人を思い出すだけで世界中のみんなが幸せになれる…あんな人になりたい」
 「その人がそばにいるだけで世界中のみんなが勇気がでてくる…そんな人になりたい」
 「なれるだろうか…?」
 「でも、透明人間には絶対になれないけど、「そんな人」にならなれるかもしれない!」
 「なぜならぼくは「人」だから。そう!人間だから!!!」

 12曲目に「もし、」がついていないのは、そういうことじゃないのかな…?

 今日、みんなと練習していて思いました。今日のみんなの歌声が無かったら気付きませんでした。先生に気付かせてくれたみなさんに感謝します。
 そして、みんなは、上に書いたことをどう思いますか?