SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ドンドン ガンガン ジャンジャン バリバリ

【令和2年8月29日(土)】
緊急事態宣言が解除され、約1ヶ月ぶりの練習再開でした。「ソラノート」も1ヶ月ぶり。ワクワクして朝を迎えた嶋田先生です。
この日は童謡ステージで何を歌うか、みんなで実際に歌ってから決めようと思って、事前にメールで連絡を回していただきました。候補曲は以前にメンバーにアンケートを取った上位6曲です。
地球はひまわり
今生きる子どもマーチ
きいろいちょうちょ
おはよう太陽
矢車草
歌の広場
この中から3曲を選ぼうと思っていました。そして出てきた歌声は、今日が生まれて初めてその曲を歌うというメンバーもいたにもかかわらず、素晴らしい熱のこもった歌声でしたね。まるで、この1ヶ月間、歌いたくても歌えなかった空白の時間を取り戻そうかというような、熱のこもった響きが広がりました。
何度も何度も「10000回間違えてもOK」「失敗することで初めて真実をつかむことができる」ということを繰り返して言いながら鍵盤ハーモニカを吹きました。
これは37年間、教職にあって実感した真実です。受け持った1000人以上の子どもたち。本当にいろいろな子がいました。そして、後輩の若い先生たちにも伝えたい真実は「失敗を怖がって消極的になる子は伸びない」「失敗しても平気な顔でドンドン次にチャレンジする子は伸びる」という経験です。だから徹底的に「失敗を恐れない心を育てる教師になってください」ということです。
この日、嶋田先生はただの一度も「そこが失敗してたからやり直しましょう」とは言いませんでした。言う必要もなかったのです。ドンドン歌えば良いのです。
脱線しますが、嶋田先生が思い出したことを記しておきます。
ある年の職員室で、6年生に贈る卒業アルバムに載せる「先生たちの一言」が回ってきました。校長先生や6年生の担任の先生は長い文章を書くのですが、その他の先生たちは寄せ書きみたいにして「短いお祝いの言葉」を書くのが、どこの学校にも見られるパターンです。
そんな時、嶋田先生はたいてい「努力」とか「冬は必ず春となる」といった言葉を書くことにしていました。回ってきた原稿用紙には、嶋田先生よりも先に書いた先生たちの言葉が書かれていました。その中に
ドンドン ガンガン ジャンジャン バリバリ
と書いてあるのを発見しました。それも太いマジックで乱暴に書きなぐってあるのです。まさに意味不明。嶋田先生は「何というフマジメな、バカな先生だろう」と思いました。何しろ背広は絶対に着ない。1年中ヨレヨレのTシャツに意味不明のポシェットをぶら下げ、冬でも靴下をはかずにサンダル履きでサッカー部の指導をし、裸足のままサッカー部のレギュラーといっしょにボールを蹴りまくる。ヒゲもそらない万年無精髭(まんねんぶしょうひげ・いつもキタナいヒゲを生やしている)という、そんな先生でした。
その先生の名前は 折戸 智(おりど さとし)先生。今は無二の仲間ですから実名を記しても大丈夫と思います。5年か6年、同じ学校で仕事をした後、嶋田先生は千種小学校に、折戸先生は猪高小学校へと、同じ年に転勤となりました。
嶋田先生が、その「ドンドン ガンガン ジャンジャン バリバリ」の意味を理解したのは、折戸先生と別れる直前か、別れた後だったかもしれません。その意味は「卒業する皆さん、どんなことでもドンドンやろう ガンガン取り組もう ジャンジャン挑戦しよう バリバリ頑張ろう そんな人になってくださいね」という意味だったのです。
猪高小学校に転勤した折戸先生のクラスに浅田舞・浅田真央という子がいたと知ったのは、さらに後のことでした。その浅田真央選手が「私がイチバン大好きな先生は折戸先生です」と語ったという話は、もっと後に聞きました。この話はFacebookにも載っています。
折戸先生が浅田真央さんの卒業アルバムに「ドンドン ガンガン ジャンジャン バリバリ」と書いたかどうかは知りません。担任だったわけですから、もう少し長い文章を書いたと考えるべきでしょう。
ですが、その後の浅田真央選手の心の中に「ドンドン ガンガン ジャンジャン バリバリ」が生き続けていたことは容易に想像できます。「あぁ、折戸先生なら、浅田真央さんに大きな影響を与えただろうな」とナットクできるのです。嶋田先生も折戸先生のように、みんなに「ドンドン ガンガン ジャンジャン バリバリ」の精神を伝えていきたいなぁと思っています。
長くなりました。でも「空」でも同じことが言えます。4月、5月、そして8月と、3ヶ月も練習ができなくて、しかも合宿も中止となり、心が折れそうになっていることは分かりすぎるほど分かります。ですが「失敗を怖がって消極的になる子は伸びない」「失敗しても平気な顔でドンドン次にチャレンジする子は伸びる」と声を大にして言いたい。コロナに負けてはいけません。
コロナを怖がることは良いことですし、コロナに対して警戒しようとするのも良いことです。ですが、それを「空」を怖がることや「空」を警戒することに置き換えてはいけない。音楽プラザまでの道中が怖いなら休めば良いのです。ですが、どれだけ休んでも良いから、「空」を怖がってはいけない。「空」は今日も明日も、これからも、ドンドン歌って間違える子を「良しとする合唱団」であり続けます。
で、全部歌い終わった後の学級会では、いちおう3曲が選ばれました。ですが、今(夜中ですが)「やっぱり6曲とも全部歌っても良いのかな」と思っています。
どのように定期演奏会を組み立てるかは、これからの取り組み次第です。とりあえずベストスリーは分かりました。投票してくれたメンバーに感謝します。ですが、スリーにするかシックスにするか、ちょっと考えさせてくださいませ。

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