作曲者への質問

【令和7年4月12日(土)】
 今日は入団を考えてくれている見学の子を二人迎えて、「二十歳」と「われもこう」と「鳥が」を歌いました。二人ともスプリングコンサートに来てくれたとのこと。本当にうれしいことでした。
 よっぽど二人が知っているであろう曲を歌おうかと思いましたが、たとえば「サザエさん」とか「ちびまる子ちゃん」のテーマソング。しかし、そういう曲を歌っても今日だけは楽しいかもしれませんが半年先のことを考えると、その楽しさは「今日だけ」のものです。これを「一時力」(いっときぢから)と言います。力を発揮するのは一時だけで、時間がたつと役に立たなくなる…という意味です。
 そう考えて、ムズカシイことは承知の上で、ここは新実先生の音楽の素晴らしさに最初から向き合ってもらう方が良いと判断したというわけです。
 何度も何度も「証城寺とカタツムリ」を歌いかけました。歌いかけたのは嶋田先生です。「でんでんむし しょじょじのにわは」と練習しても良いのですが、同じ効果を生み出すのなら「二十歳」のソプラノ・メゾソプラノ・アルトを全部歌った方が力が付くし、耳も良くなるし、ハーモニーの感覚も磨かれます。
 「二十歳」は全員が全てのパートを歌ってから3つに分かれてハーモニーをつくることができました。
 「われもこう」ではクイズを出しました。クイズじゃないな。「どれが好きか」という質問だったかな。その問題は
「われもこう」の25~28小節目(かがやく ふかい くれない)では
○ソプラノがメロディーと思うか(あるいはソプラノが好きか)
○メゾソプラノがメロディーと思うか(あるいはメゾソプラノが好きか)
○アルトがメロディーと思うか(あるいはアルトが好きか)
というものでした。
 これを作曲者の新実先生に聞いたら何と答えると思いますか?
 そうですね、9月に新実先生が「空」に来てくださった時に、嶋田先生から質問してみましょう。楽しみにしていてください。

 おそらくは「ソプラノもメゾソプラノもアルトもみんなメロディーです」と言われると思います。
 または「みんなが好きなパート、いいなと思うパートが、みんなにとってのメロディーです」とおっしゃるかもしれません。

 もしかしたらハッキリと「このパートがメロディーです」とおっしゃるかもね。
 なぜならば、この問題には答えがあるからです。「われもこう」に限らず「白いうた青いうた」は全てメロディーが先に作曲されて、それに谷川雁さんが詩をつけました。そして合唱曲としてアレンジされたので、新実先生が最初に作った旋律は一つだけです。だから最初に作られたのがソプラノかメゾソプラノかアルトか…、「白いうた青いうた」のオリジナル歌曲版の楽譜を見ればハッキリしますし、もしかしたらYouTubeなどに「われもこう」歌曲版があって聴けるかもね…です。
 いずれにしても、作曲者ご本人に上のような質問ができることは楽しみなことです。みなさんも質問したいことが出てきたらメモしておいてください。9月に聞いてみましょう。

 しかし新実先生は
「みんなが好きなパート、いいなと思うパートが、みんなにとってのメロディーです」
と間違いなく言われると思います。
 なぜなら、新実先生のお師匠さんの大中恩先生がそういう人だったからです。嶋田先生が大中先生に「犬のおまわりさんってシバ犬みたいなフツーの犬ですよね?まさかコリーやブルドッグじゃありませんよね?」って質問した時のこと、みんなの先輩の合唱団「空」のメンバーの目の前で…です。大中先生は
「みんなが思っている一番やさしい犬、それが「犬のおまわりさん」なんだよ」
「みんなの心の中にいるんだよ」
って教えてくださいました(笑)。

 その「われもこう」は1番まで。「鳥が」は中間部の「トゥラララ」の部分を除いた最初と最後の部分を歌ってハーモニーを作りました。
 時間がきてしまったからです。嶋田先生の時間配分がマズかった。ごめんなさい。

 しかし2時間ちょいで「二十歳」と「われもこう」と「鳥が」の形をとらえることができました。みんなの集中力のおかげです。
 大感謝です。