【令和6年10月12日(土)】
6日の池辺晋一郎先生のリハーサルは素晴らしかったし、多くの成果を上げたので、DVD(Blu-ray)にして持って行きました。
一番の願いは、当日に参加したくてもできなかったメンバーのためです。二番目の願いは、参加できたメンバーも「反省点を振り返ってプラスにしたい」という子がいるかもしれません。そのために30枚、休憩の部分や不要な部分をカットし、曲ごとにチャプターを入れて作っていきました。
全部見る子もいるでしょうし1秒も見ない子もいるでしょう。仮に受け取った全員が1秒も見なかったとしても、先生は満足しています。
少しでも見る子がいるかもしれない、そしたらその子にとっては少しはプラスになるかもしれない、それが合唱団「空」というチーム全体のために少しでも役立つかもしれない。「あこがれ」の中の「あの人・その人」になれる可能性はすごく小さいけれども、可能性が少しでもあるなら信じる。これが「空にかいた12の童話」の思想であり根源です。
それと同じように、合唱団「空」にとって少しでも役に立つ可能性があるのならば、それを実行する。これが「教師のハート」です。教師というものはクラスのため(学校の子どものため)になることなら、どんなに小さなことでも「やる」んです。かかった時間やお金など問題ではありません。
で、そのDVDを作っていて思ったのですが「空にかいた12の童話」は素晴らしい。そして「思い出の子守歌」と「空と海の子守歌」も合格でしょう(もっと上手くなるはずですが)。
そして「いつもの子守歌」で少しエネルギーが下がっていました。メンバーの中に不安な部分がある…と感じました。
「夜明けのイソップ物語」の朗読の部分を確認し、指導した後、「いつもの子守歌」に取り組むのは予定の内容でした。
「いつもの子守歌」では二つのことが言えます。
一つ目は「メロディーライン」を固く歌うこと。柔らかく弱く歌うのではなく、声をまっすぐ前に出すつもりで。何度も何度も繰り返して練習しましたが、メロディーラインはソプラノが受け持つことが多いので、ソプラノの子は大変だったと思います。よくがんばってくれました。ありがとう。
二つ目は「歌詞のイメージ」が薄いこと。誰もいない空とか誰もいない海とか、鳥とか貝とか熊とか、言葉をそのままイメージしていたらアホの音楽ですよ。だいたい「誰もいない空に眠れない鳥が一羽いた」ところで何の意味もありません。アホみたいな話だと思いませんか?何が誰もいない山に熊が一頭だ!
そういう言葉の配列にイメージを抱いて意味を見いだすことは人間にしかできないことです。それを何度も言いました。ここでは第一段落のみ書いておきます。
みんなが寝静まった真夜中の病院に
ずっと寝ないで患者さんのために働くお医者さんがおりました
みんなが寝静まった真夜中の病院に
献身(けんしん)奉仕(ほうし)と愛(あい)の風が吹きます
次は「おさかなの子守歌」。この曲も「歌詞のイメージ」が薄いことと、それに伴って「曲への共感」が十分とは言えません。
だけどねぇ、分かる。先生は分かるよぅ、子どもたちの気持ちが。
そもそも「おさかなの子守歌」は「死んだらどうなるか」がテーマです。なんで合唱団「空」の元気で生き生きとした子どもたちが「死んだらどうなるか」を歌わなくちゃならないんだい?そんな歌よりも「COSMOS」や「ビリーブ」を生き生きとウタットレバ良いやんけ!
ハッキリしていることは嶋田先生はもうすぐ、「空」のメンバーはかなり先でしょうが、必ず死ぬということです。
「生まれる」ことと「死ぬ」ことはセットなのです。生きることばっかりが大切だと思うでしょうが、生きることと同じくらい死ぬことは大切です。「死ぬまでにどう生きたか」が問われるからです。閻魔大王(えんまだいおう)だって「おまえは生きている間に何をしたか」と言って裁判(さいばん)して、その人が天国に行くか地獄に落ちるかを決めるでしょう(笑)
長らく担任の先生として1000人くらいの担任をしてきましたが、「生まれる」ことと「死ぬ」ことはセットなのだと分かった子は本当に強い子です。経験上これは言い切れます。 なぜ強いかと言うと、「自分は必ず死ぬ」と本当に分かった子はイジメなんかしない。なぜなら「自分の時間には限りがある」と知っているからイジメなんかしているヒマはないのです。
お父さんやお母さんも必ず死ぬと分かっている子は、お父さんやお母さんとの時間を大切にするでしょう。逆だね。お父さんやお母さんは子どもより先に自分が死ぬと分かっているから、みんなのことを愛したり叱ったりするのです。今が大切なんです。
嶋田先生は1000人の子の担任をした…と書きましたが、その子たちの「担任としての嶋田」はすでに死んでいます。だからその子たちに「友達と別れる前にその友達とどう過ごしたかを考えろ。そこに嶋田先生も入れてくれよ」と言い続けました。だから嶋田先生は1000回死んでいる…とも言えますね。今が大切なんです。
一生懸命に頑張った、少しでも周りの人たちの役に立った、少しでも世の中に貢献することができた、そう思って死ぬことは幸せなことです。
そのような人には「祝福の鐘が鳴ります」と歌うのが「おさかなの子守歌」です。
6日も今日もそうでしたが、ここを「地獄の鐘が鳴ります」みたいな感じで歌うんだなぁ。ちがうんだよ、思いっきり明るく祝福の声で歌うのです。今日、チョッピリ直ったね(笑)
内匠先生のピアノがこれまたロマンチックなので「おさかなの子守歌」の出だしがメチャメチャ暗くって(あたりまえだ)、このピアノにみんなダマサレてしまうってこともあるね。だけど考えてごらんよ。「おさかなの子守歌」のピアノの前奏が「ビリーブ」みたいな感じだったらズッコケルでしょう?ピアノはあれで良いんです。
あのピアノに乗っかって「祝福の鐘」を歌うから、音楽に生命が吹き込まれるんだよ。
残った時間で「三つのわらべうた」を復習しました。この曲はイメージも共感も必要ないから楽ですね。テンポが速くなったり遅くなったりするし、パートが複雑に絡み合うから、そこがムズカシイ。
でも、なかなか上手く歌ってくれました。メンバーの頑張りに拍手です。
来週の19日(土)は今木先生のゲネプロ(本番どおりの通し。最終リハーサル)。
そして20日(日)に池辺先生。池辺先生は今日から新潟です。その後に東京へ戻って、今度は東京から名古屋に来られます。
26日(土)は池辺先生のゲネプロ(本番どおりの通し。最終リハーサル)です。
合唱団「空」の健闘を祈ります。