SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ウイークデー練習2回目 「無名」「盲導犬S」

【令和4年8月16日(火)】
ウイークデー練習の2回目です。さすがにお盆のUターンラッシュの最中ということで、よくぞ集まってくれたメンバーは10人でしたが、結論を書きますと10人のメンバーは「曲をいっぱいつかんで」帰っていきました。
前半に歌った曲は「無名」と「盲導犬S」です。これはアンコールで歌う曲で今日初めて楽譜を配りました。新実先生の新アレンジです♪

 無名

 一
たけきもの あれ野ゆく
したたる赤を くさむらにまき
狩人の矢 うなじに立て
ほろびを受ける おごそかなめまい
みずうみも その名しらず

 二
たけきもの わなに落ち
炎の傷を 歯がみしてなめ
よろめきつつ 脚折りゆく
たてがみの風 うつくしく冷えて
ゆうぐれも その名しらず

【イメージ】
 ライオン(イノシシでも良い)が 荒野をゆく
 血をしたたらせ 草むらにまきちらしながら
 その項(首の後ろ)には狩人の矢が刺さり
 生命が滅びる 厳か(重々しい)な目眩(めまい)
 湖が ただ見守っているのみ

 荒々しい獣は 罠に落ちたのだ
 炎のように痛む傷を 歯噛みして舐めながら
 よろめき 脚から崩れ倒れてゆく
 その鬣(たてがみ)を撫でる風の中 生命が美しく冷えてゆき
 夕暮れが ただ見守っているのみ


 盲導犬S

 一
なぜ町みえない いつ景色きえたの
みあげる首すじ いとおしくふるえ
うごかないまなこに 曲り角おしえる
風ふく石みちの 鈴の音よ
太古の砂漠で 旅をしたふたりの
かわらぬきずな こころの赤

 二
なぜ夢はみえる いつ光もどるの
うつろにこたえる ほそ杖のひびき
散りやまぬからまつ みずうみのほとりで
声なくむすびあう ひきづなよ
いつかはふたりで 芝居などするから
ひとにはみせぬ こころの青

【イメージ】
☆「なぜ町が見えないの? いつ景色が見えなくなったの?」
(★の)見上げる首筋が たまらなく可愛く震え
(★の)動かない眼に(★が)曲り角を教える
(★の)鈴の音が風が吹く石道に響く

☆「なぜ夢は見えるの? いつ光が見えるようになるの?」
(★の)細い杖が うつろな音で響く(その問いに答えない)
落葉松が散り止まない湖のほとりで
言葉ではなく綱で結ばれる


この☆は誰のセリフか考えましょう。
(★)には(誰の・誰が)を入れてみましょう。
それから一番と二番の最後の2行は「過去」と「未来」をヒントにして考えてみましょう。

この2曲を、たった10人で最初から最後までハモらせてしまいました。
メロディーを知っている子がいるとは言え、もちろん初見のアレンジですから細かい表現や音がぶつかり合うハーモニーの確認などは後回しです。とにかくハモった。ここが大切です。
それにしても、すばらしい曲ですね。嶋田先生は心が震えるほど好きな曲です。

後半は投票の結果、「だって」を細かく練習しました。勢いで歌っても90%は上手くいきます。しかしその方法では最高の結果が出ても90点です。超スローテンポでゆっくり歌ってリズムを確認していきました。ゆっくり歌う方がムズカシイのですね。なぜムズカシイかと言うと「間違っている部分が分かる」からです。「間違いが分かれば」自分でも「やばい。直そう」と思うからムズカシク感じるわけです。
算数でも同じですが「間違っている」と気が付かなければ「カンタンだ」と感じてしまってドンドン×の答えを書いてしまいますよね。ほいで0点とか(笑)。
たしかにムズカシイ時間となりましたが、確かにメンバーの血となり肉となった時間であったことは間違いありません。
「あぁ楽しかった」「あぁ面白かった」という時間だけが成果のある時間ではないのです。楽しくて面白いに超したことはありませんけどね。
「難しくて」「苦しい」時間の方が何倍も、その人の成長につながることは多くあるのです。これは担任として1000人近い子どもたちの成長を見てきた先生だから保証できます。メンバーは何かをつかんだはずです。

さて、次は通常の土曜日練習です。あせらずあわてず、しかし確実に上を目指して努力を重ねましょう。

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