SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


3年ぶりの合宿レポート

【令和4年8月7日(日)】
3年ぶりの合宿は最後の最後まで、実施か、あるいは日帰り合宿に変更か、はたまた中止か…と悩みました。先生も悩みましたが全てのメンバーと父母会の皆さんが悩みました。合宿係の皆さんが英智を振り絞り、青年の家の配慮もあって、予定どおりに実施することができたことに深く感謝を申し上げます。
内匠先生・恒川先生の献身的な協力に加えて、懐かしい卒団生の参加(そして定期演奏会への参加表明)もあり、メンバー自身もそれぞれ学校事情がある中で「1日だけでも参加しよう」「1コマだけでも参加しよう」という子がいて、本当に多くの成果を残すことができました。
何よりも、レクレーションや部屋での生活を通して、普段の土曜日午前の練習からは得られない交流と親睦を深めることができたことが大きな収穫だったと思います。
ご協力をいただいた全ての皆さまに、もう一度、心からの感謝を申し上げます。

以下、練習の内容について簡単に振り返っておこうと思います。

【1日目】
まずは「ことばあそびうた」から練習を始めました。後半で「サウンド・オヴ・ミュージック」。つまり順番をひっくりかえしわけで深い意味はありません。
まずは「いるか」。この「いるか」が「ことばあそびうた」4挙の中で一番ムズカシイと先生は思っています。だから「いるか」からにしたのですが、なかなか良くハモります。本格的に音をシッカリと取って歌うのは初めてと言っても良いのですから「音程の力」は相当な高まりがあると言って良いでしょう。
同じことが「かぞえうた」にも「だって」にも言えます。「サウンド・オヴ・ミュージック」や「文部省唱歌」あるいは大中先生や湯山先生の作品には絶対に出てこない「独特の新実ワールド」があり、カンタンに言えば「空」のメンバーが初めて体験するハーモニーなのですが、音程は大丈夫。それから複雑なパートの絡みやズレも鍵盤ハーモニカの支援があれば大丈夫でした。ここから先は一人一人が「人間ハーモニカ」になって互いに聴き合い助け合って、鍵盤ハーモニカが無くても支え合えるようにしていく練習になります。
3日目のレポートでも触れますが「だって」は問題が発生しました。嶋田先生の指揮の問題です。
結論を先に記せば、嶋田先生の指揮と内匠先生のピアノが合わない。さらに結論を記せば、その原因は嶋田先生の指揮に問題がありました。一貫して5/8拍子なのですがYouTubeに上げていただいた音源を聴くと多くの小節で6/8拍子(5.5/8拍子?)になっている部分があり、正確な拍子感ではありません。
この原因は、嶋田先生が36年前に「ことばあそびうた」を指導した時に、メトロノームで楽譜を調べたのではなく、ひたすらレコード(今ならCD)を聴きまくって「だって」の音楽を感覚的に覚えたことにあります。内匠先生には言いませんでしたが土曜日の夜(明日は学校が休みという夜)に「だって」のレコードをリピート再生にセットして聴きながら寝たことがあります。寝ている間も活動している脳みそ(つまり心臓や肺を動かしたり体温を保っている部分の延髄とか間脳・中脳あたり)の中に「だって」の音楽を染みこませて身体で覚えようとしました。今にして思えばバカなことをやったものですが26歳だった嶋田先生は本気でやりました。これはウソもカクシもない事実です。当時の嶋田先生は合唱部を上手にすることが全てだったのです。
で、その身体に染みこんだ感覚が狂っていた。内匠先生と恒川先生に指摘され、YouTubeの音源を聴いて確認したからナットクの事実です。
さぁ大変だ。このまま嶋田先生の感覚で「だって」を指導し続けると「空」メンバーの感覚も狂ってしまう。本番で指揮するのが嶋田先生ならゴマカシも効きますが、本番の指揮者は作曲者本人です。やばいぜぇ、これは。(この話の続きは3日目のレポートで)
後半は「サウンド・オヴ・ミュージック」です。ふんわり柔らかなハーモニーで歌っても気持ちが良いですね。そう。歌っていても指揮していても鍵盤ハーモニカを吹いていても気持ちの良いハーモニーです。そのような練習ができるようになりました。あとは楽譜に頼らないで歌うことができるように一人一人のレベルを上げていきましょう。「ドレミの歌」や「すべての山に登れ」などは暗譜で歌うことができればものすごくカッコイイですよ。

【2日目】
曲集「火の山の子守歌」から始めました。まずは8曲目「火の山の子守歌」です。4小節をノンブレスで…とか「よるが」の「が」を丁寧に…とかいろいろ言いましたが、最初に出したクイズが出色でした。
「夜が配る…とありますが、夜になったら世界中の人々が等しくもらえるプレゼントって何ですか?」
大統領も天皇陛下も金持ちも貧乏な人も日本人もアフリカ人も、世界中の人がもらえるプレゼント。夜になったら。
答えられる人は一人もいません。
答えは「星空」「星の光」「スターライト」です。
「あおい鐘」とは「月の光」でしょうね。「火の山」とは火山のことですが、火山が爆発して溶岩におおわれて草も木も何もかも無くなってしまった荒れ果てた大地のことです。そこにスターライトやムーンライトが降りてきて「元気を出して」(ナルコユリの花言葉)と励ましてくれる。そんな歌です。
こんなステキなウタを歌う時、どんな声で歌えば良いのでしょう…? 以下、みんなのイメージが豊かに膨らむように…ということを重点に置いた1日でした。曲集「南海譜」を含めて16曲を全部、イメージを膨らませて歌うことができました。
あと2つほどオモシロいクイズが出たので忘れないように書き留めておきます。
○7曲目「春」
「谷間のつらら とけても炎」とありますが、溶けて炎になる氷柱(ツララ)って何でしょう?
○5曲目「夏のデッサン」
「にぎやかでくらいのが」とありますが、賑やかで暗いものって何でしょう?
ツララは知ってますね。名古屋の子がスキー場などに行って初めて見たら感動します。たぶんツララの下に行って「わぁ、初めて見たぁ。キレイだなぁ」って見上げるでしょう。その時ツララが溶けて落ちてきた。見上げていた子のオデコに大穴を開けてツララが突き刺さる。ハイ、一巻の終わりぃ。落ちてきたら人間をぶっ殺す炎になるツララ。つまり爆弾のことですね。
賑やかで暗いのは「星空」です。星空が「旅人の疲れを癒やして眠りにつかせる」イメージですね。
その他、くわしい内容は7月17日のソラノートに書いてありますから、みなさんのイメージを膨らませるための参考にしてください。

【3日目】
午前中に新実先生の新曲「とどいてますか」を歌いました。半分以上の子がこの日に初めて楽譜をもらっての初見です。
この曲は中間部に7/8拍子になる部分があって、そこに手拍子を入れることになるのでヤヤコシイです。ですが内匠・恒川の両先生の指導とメンバーの集中力で最初から最後までをハモらせることができ、曲の骨格を全員で共通理解することができました。
もちろん嶋田先生も練習に参加して鍵盤ハーモニカを吹いていたのですが、音程はともかくとして自分のリズム感が非常に悪いことに気付いて反省していました。嶋田先生よりもメンバーの方がはるかに速く正確に独特のリズムを捉えていきます。その事実を目の当たりにして「たのもしいメンバーだなぁ」と嬉しくもあり、「オレって鈍臭い(ドンクサイ)なぁ」と哀しくもあり、複雑な気分でした。しかし、次回の練習までにはそのドンクサさを修正しておこうと思っています。
しかし「だって」に関しては36年も「このリズムだ」と信じ続けてきて身体に染み渡っているわけですから、その「リズム感の狂い」を修正することはカンタンではありません。そこで次のような作戦を考えました。
新実先生が「空」のリハーサルにお見えになるまでに何回か「だって」を練習することがあるでしょう。その時にはとにかく内匠先生に楽譜どおりのリズムとテンポでピアノを弾いていただき、その伴奏の流れにコーラスが乗っかっていけるようにする。嶋田先生が「出」を合図する指揮をすることは避けて強弱や歌詞をクチビルで伝えるような指揮に止めます。これは「空」の子にはハナハダ申し訳のない話であり「指揮者失格だぁ」と言われても返す言葉がありませんが仕方がない。
本番の指揮者が新実先生ご自身であることと、新実先生がお見えになる1ヶ月以上前に「そのこと」に気付くことができたのをラッキーだったと、前向きにとらえています(涙)。
というわけで3日目の午後の予備時間は「だって」の修正に投入しました。あとは「エーデルワイス」「ドレミの歌」「すべての山に登れ」の後半(2番)を英語で歌ってみました。どの曲も4曲目「サウンド・オヴ・ミュージック」のように長くありませんし、小学生も知っている英語「ゴールデンサン(金色の太陽)」とか「ネーム(名前)」とか「ラン(走る)」とか「エブリィ モーニング(毎朝)」とか「スモール アンド ホワイト(小さくて白い)」とか「クリーン アンド ブライト(きれいで輝いている)」などがいっぱいありますから、何とかなると思います。これらの曲を原曲で歌えるようになることは決してソンにはならないし、ステージでそれを成功させたらすごくカッコイイと思います。

今年も非常に大きな成果があがった合宿でした。本当に幸せな時間を過ごすことができました。
本番まで残り2ヶ月半、10週間です。
「空」メンバーのガンバリに期待しています。
ありがとうございました。

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