SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ひたすら感覚を磨く

【令和4年1月15日(土)】
今日は大学共通テストの一日目です。明日が二日目。メンバーの中にはこれを受けている子もいるはずですし、22日(土)が入学試験の本番というメンバーもいるし、本当に受験生ガンバレ!!ってエールを送ります。それしかできない自分が悔しい…くらいの気持ちです。
加えてオミクロンが収まりません。感染者数が全てではありませんが今日の感染者は1480人を超えたとか…。病床使用率なんて言葉はピンときませんが、1300とか1400とかは具体的な数字ですから、ミョーに不安が高まりますね。
そんな中、相撲もサッカーも大勢の観客が入り、デパートなども普通に営業中。一昨年は「大型商業施設は休業」とか「パチンコ店は休業」とか言ってましたが、最近は「大型商業施設」などという言葉すら聞かなくなりました。どうも政府や行政の対応や専門家の対策(これらは正しいはずだ)と私たち一般市民の「不安」とは少しズレているような気がします。

明日は新実先生がお見えになっての3回目のリハーサル。もう第25回定期演奏会に向けての練習は明日と22日(土)の前日リハーサルを残すのみです。
新実先生ご自身がオミクロンになろうものなら定期演奏会は成立しませんから、今日の9時30分に「明日は新実先生は大事を取っていただいて嶋田が練習を進めるのも選択肢ですが…」と電話で確認しました。
「いや、一週間前ですから行きます。練習しましょう」
とのお答えでした。「空」のために注いでくださる情熱には感謝の言葉もありません。明日はフェールMAMIでの練習です。

しかし、新実先生がオミクロンなら演奏会は成立しませんが、メンバーがオミクロンでも演奏会は成立しません。みんなは新実先生と同じくらい大切な人なのです(変な言い方だけど)。
だから、少しでもリスクを避けるために、9時30分の集合を12時からに変更しました。すでにメールで連絡をしたとおりです。
つまり、午前中の嶋田先生の練習時間をカットするということです。
普通、作曲家の先生がお見えになる時、その直前の練習はウォーミングアップと表現の最終確認のために非常に重要な時間となります。その貴重な時間をカットするということは…。

もちろんコロナのリスクを避けるためなのですが、もう一つ理由があります。それはメンバーの表現に対する感覚が相当なレベルまで鋭く高まっている…ということです。それが今日の練習でも分かったからでした。
今日集まってくれたメンバーは決して多いとは言えません。本番の半分と言っても良い人数でした。だから「声の厚み」という点では確かに薄かった。だけどそれは今日のメンバーのせいではなく、世界一の合唱団だって5人や10人で歌えば声は薄くなります。
今日のメンバーの歌い方は相当に鋭い。非常に繊細な表現です。時々音程が不安定になることもありましたが、それは練習で修正したから大丈夫。とても丁寧で繊細な、慈しみ深い音楽になっていたと思います。
「まなざし だけが 見える」じゃありませんが、このメンバーの後ろに「今日参加できなかったメンバー」が透き通った姿で見える。いてくれる。「ああ、明日は午後だけの練習でも大丈夫だ。十分に新実先生の指揮に対応できる」と確信しました。
ありがとう。そう確信させてくれたメンバーに感謝です。

結果として、今日の練習は新しい指示や新しい工夫は何もありませんでした。ひたすら感覚を磨く練習を繰り返しただけです。
楽譜を見なくてもほとんどミスらしいミスはありません。大丈夫です。
このレベルまでくるとですね、頭の中だけでも練習ができるのですよ。
将棋の藤井聡太と同じなんです。彼は30手くらい先の局面まで頭の中で見えるそうですが、みんなだって「やさしい魚」と「われもこう」と「ぼくは雲雀」とアンコール2曲を最初から最後まで頭の中で歌うことができるはずです。
やってごらんよ。
きっと全部できますよ。

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