SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


おどろくべき瞬間

【令和3年12月26日(日)】
本当にコロナに振り回された令和3年でしたが、最後の締め括りに素晴らしい時間を共有することができました。新実先生とメンバーの集中力のおかげで(みんなが令和3年に頑張ったから12月26日という時間があったわけです)幸せな締め括りとなりました。本当に大感謝です。令和3年は素晴らしかった。

さて、この日の「空」と新実先生とのやりとりを全部文字にして表すことは不可能です。ソラノートでは二つだけ記録しておくことにします。

①作曲家が作曲する現場に立ち合った!!
アンコールのために新しくアレンジしていただいた「このみちゆけば」の練習でした。新実先生の指揮が止まり、ピアノに向かって和音を試しておられます。やがて38小節目のソプラノパートを修正されました。「♭シ ♭ミ ファ」という流れを「♭シ ♭ミ ♭シ」に変更します。
この修正を合唱団「空」のソプラノメンバーは1回音を聴いただけで理解し、その後は新しい音を正確に歌ってくれました。10秒もかかりませんでした。この対応力にも感謝です。
「夜と昼」にも修正がありました。最後の70小節目からの「ロンロンロー」の和音を72小節目いっぱいまで伸ばします。これは指揮を見ていればカンタンですね。
いずれの修正も、みなさんが正確な音程でハーモニーを作っていたから作曲者が「もっと良くなる」と感じたのであり、みなさんは喜んで良いと思います。みなさんがもう少しヘタクソだったら、新実先生は指揮者として「ヘタクソ部分を直す」のに精一杯で、作曲家として「曲をより美しくする」ことは思いつかなかったはずです。
ああやって、曲をより良く作っていくんだね。

②練り上げた表現が新実先生に伝わった!!!
「自転車でにげる」P7~8のメゾソプラノ。P7「はね くわえて」「さと にげる」とP8「かんの」「りんさ」「りんの」「べーさ」にスタッカートがありません。ソプラノには付いています。
これは「ソプラノはスタッカートでメゾソプラノはレガート」として練習し、スタッカートとレガートが同時に進行する面白さを強調して歌い、嶋田先生が「これは新実先生の作曲上の計算である!」と断言していた部分でした。
前日25日の練習ではこれを見事に歌い分けていて、嶋田先生は「いいぞ いいぞ」と思っていました。
この日、26日もキチンと歌い分けてくれて、スタッカートとレガートが同時に進行する面白さが出ていました。
そしたら新実先生の指揮が止まり、
「ここの部分はスタッカートが落ちています。これは出版のミスですね。気が付きませんでした」
と言われました。こりゃまた驚いたね。嶋田先生は
「えぇっ?これは新実先生の計算じゃないんですか?」
と確認しました。新実先生は
「単なる印刷ミスです」
とのお答え。というわけで、メゾソプラノは全部スタッカートで歌うように修正です。
作曲家とこのようなやりとりができることは素晴らしいことです。だって、みんなの表現が作曲家に伝わったということで、しかも作曲家がその表現を聴いて「楽譜の印刷ミス」に気が付いてくださったわけですから。
嶋田先生が持っている楽譜は2004年6月30日発行の第3刷(楽譜の最後のページに書いてあります)なのですが、今度新しく印刷される時にはこの令和3年12月26日に発見されたミスが修正されて発行されることでしょう。
いやぁ素晴らしかったですねぇ。
まず、合唱団「空」が印刷ミスのとおりに正確に表現したということ(笑)
そして、作曲家がその表現を受け止めて印刷ミスに気が付いてくれたこと
その現場に立ち合うことができました。これはウソも隠しもない、みんなにそのような「力」があったということです。

というわけで、嶋田先生も経験したことのない「おどろくべき瞬間」がいくつかありました。最後の締め括りに素晴らしい時間を共有することができました。新実先生とメンバーの集中力のおかげで幸せな締め括りとなりました。本当に大感謝です。令和3年は素晴らしかったです。

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