SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


天使

【令和3年11月27日(土)】
先週がテスト週間・作品展だったメンバーが戻って来てくれて、今週がテスト週間というメンバーが「今日は勉強に専念」ということで、顔ぶれが大きく変わりました(笑)。
まだ「くじらの子守唄」の楽譜をもらっていないメンバーに楽譜を配り、練習を開始。湯山先生の童謡はシンプルな作り方でどこにも無理がありません。必要な音のみが選び抜かれて配置され、誇張(こちょう・おおげさなこと)された音が全て排除されています。だから音を取るのはカンタン。難しいのはその音、つまりハーモニーの色彩や声の表現に膨らみを持たせることです。歌うだけならカンタンですが聴く人に何かが伝わる表現にするのはムズカシイ。その見本のような音楽です。
続けて「うたにつばさがあれば」。そして「わたりどり」。この2曲は先生が何も言わなくても「こんなふうに歌いたいな」という思いが良く伝わってくるようになりました。たとえば「わたりどり」の「あの輝きは雪」の「ゆき」という歌い方ですが、とても美しくて柔らかくて温かい声になっています。

曲集「やさしい魚」は3曲目「天使」と5曲目「やさしい魚」です。2曲とも音程に神経を使って、ハーモニーを整えることに心を砕きました。
とくに「天使」ではP35下の段の3小節目から4小節目の音程が難しく、と言うか非常に特殊な効果と響きを狙っていて、ここはキチンと音を取っておいて自信を持って歌ってほしい。「どうかな、うまくいくかな」とビクビクしながら歌っているのではなく、一人一人が絶対の自信を持って歌えるようにするべきです。
小学校や中学校の音楽の授業のレベルではなく、本当の意味での合唱というレベルでの話をすると、ここの音程はステージに立つ全員で確認しなければ意味がありません。だから12月26日(日)の午前中にキチンと確認します。その時に光り輝くハーモニーを生み出すために、地道に来週も再来週も繰り返していくつもりです。
特殊な効果と響きを狙っていて…と書きました。ここはドミソか何かでハモれば良いわけではなく、天使のビミョーな心の動きを表現することを狙っています。
天使は完全に純白で、完全に優しくて、完全に清らかなものなんだけれども、この天使は知っている。自分の羽に小さなキズが付いていることを…。そして、友達の天使に「ひどいことを言いそうになる」心を持っていることも知っています。「ひどいこと」を言ったことは確かに一度もないのだけれども、あやうく言いそうになってギリギリ止めたことがある。自分は「そういう自分である」ことを知っているわけです。そのビミョーな心の動きを表すハーモニー。
みんなも同じじゃないですか?万引きをしたこともないし友達をぶん殴ったことも一度もない、誰かを裏切ったこともなければイジメたことも一度もない、そんなメンバーですよね…?
しかし、お父さんもお母さんも友達も先生も誰も知らないのだけれど自分だけは知っている。自分の中に本当は、いけない心が住んでいることを…。
みなさんは、完全に純白で清らかな人間ですか?
「イエス」と言える人がいたとしたら、先生は怖い。完全に純白で清らかな、そんな人って、この世にいるのだろうか…。
先生はチカンをしたことは一度もありませんが、自分にエッチな心があることは残念ながら否定できません。また、万引きをしたことも一度もありませんが、これを自分のものにしたいなぁ…と店の中で思ってしまったことは残念ながらあります。
「空」のメンバーの前では完全無欠のパーフェクトな人間のようにふるまっておりますが、やましい心をもった人間です。だから嶋田先生は、この天使の気持ちがよ~く分かる。
なに? ぼくは嶋田先生がエッチな人だってこと、ずっと前から見破ってるよ。だと?
……………。

さて、チョッピリ真剣な練習を続けた後、45分くらい時間があったので、曲集「われもこう」と曲集「ぼくは雲雀」をゲーム感覚で通すことにしました。上手になろうとかレベルを上げようとか、そんなことは考えないで、とにかく思い出すだけ思い出せば良いのでゲーム感覚でバーっと歌いました。「わらべが丘」と「ライオンとお茶を」だけ歌えませんでしたが、14曲を歌い飛ばしました。なかなか面白かったです。
ではまた来週。次は音楽プラザですよ。

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