SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


全部のパートを歌って4曲

【令和3年7月17日(土)】
今日は、まず先週に歌った「薔薇のゆくえ」「忘れ雪」「火の粉」を通して歌いました。
「どれだけ間違えても良いから、とにかく通して歌ってください」と言いました。その目的は
◯先週に参加できなかったメンバーをカバーして、少しでも追いついてくれるように
◯先週に参加できたメンバーは「振り返り」をして音楽が頭の中に定着できるように
ということです。本当は何回か繰り返して歌ってシッカリと「追いつき」キチンと「定着できる」ようにすると良いのですが、次の曲をできるだけ進めなければなりません。だから1回だけ「どれだけ間違えても良いから、とにかく通して歌ってください」と言ったわけです。

そして、今日のメインは「なぎさ道」から。全員で全てのパートを歌ってから自分のパートを歌ってハーモニーを作ります。この方法は「空」に完全に定着しましたね。
この方法、湯山先生が「その練習方法について本に書いたらどうですか?ボクが出版社を紹介してあげますよ」と言ってくださった方法です。「子どもたちの本当の力を伸ばすためには非常に理にかなった方法だと思います」とも。これは本当の話です。
嶋田先生も本を出版しようとまでは思いませんが、もう少し早くこの方法を編み出していたら…と後悔しています。そしたらNHKコンクール全国大会で銅賞だった宝南小学校を金賞にできたかも知れない…と、かなりマジメに後悔しています。
でも「空」には間に合った。と言うよりも「空」のメンバーとの試行錯誤の末に生み出すことができた方法であることは確かです。
さて、今日の参加メンバーも含めての注意。今日はP20からイキナリハーモニーを作りましたが、本当は1番のP21の20小節目まではユニゾン(全員でソプラノを歌う)だと言うことです。22小節目からハーモニーになる。ホームページの団員専用エリアの「音取り音源」も、そのように作ってあります。苦労したんだよ。でも今日は、とにかくハーモニーを作ってできるだけ多くの曲を歌いたかったので、細かい話は後回しにしてとにかくハモらせました(笑)。

「とげのささやき」。5~6小節目(くれないの薔薇の)はメゾソプラノ、7~8小節目(とげの青さよ)はソプラノになっています。これは本番では楽譜通りに歌うとしても、練習の段階では絶対にソプラノとメゾソプラノのメンバー全員で歌っておくべきです。3段目の「風しずかな指を つらぬく一針」も同じことです。
でも本番では楽譜通りに歌う方が良い。なぜかと言うと
「くれないの薔薇の」→ 赤のイメージ 温かく優しい感じ
「とげの青さよ」→ 青のイメージ 鋭くて怖い感じ
で、正反対の声と表現が要求されるからです。次も
「風しずかな指を」→ 静かな感じ 指のぬくもり
「つらぬく一針」→ 鋭く突き刺す 痛み
で正反対。これはソプラノとメゾソプラノを合体させて、その合体メンバーが「赤」と「青」を歌い分けるように表現力を高めたとしても、それだけではおそらく足りない。同じ人間が二つの表現で歌い分けるよりも、違うメンバーが違う心と違う身体で歌った方がさらに効果的。どんな声が良いか、チョイと考えておいてくださいね。
何人かのメンバーに
「あなたは恋をしたことがありますか?」
と聞きました。そして
「その恋は、海の色に似ていましたか?」
とも聞きました。
みんな首をかしげていました(笑)。中学生にもなって「恋をしたことはない」と言うのは真っ赤なウソでしょうけれども、問題は「はるか 沖に おどるへさきの かたちくずさぬと 泣きつつあゆめ」と続くフレーズを「何が何だか分からない」と思いながら歌っちゃイケナイ。「舳先が踊ったのかぁ」「形をくずさないようにって泣いたんだぁ」なんて、そりゃそうでしょうけれども、それを「音楽の世界のイメージ」として作曲家に立ち向かえますか?

「われもこう」。花の名前です。どんな形でどんな色の花なのか、そのくらいのことは図鑑でも見て知っておいてくださいね。言っておきますけどねぇ、エジプトの花じゃないからね。「われもこう」の原産地は日本・朝鮮・中国でシベリア・ヨーロッパも含まれます。
それにしてもP34の1段目と2段目は何という美しいメロディーの重なりでしょう。こういうところは「空」はうまい。やっぱり問題は「にわかに 秋の日 かがやく 深いくれない」という言葉をどう表現するか…ですね。
「知らんけど「急に秋の日」なんだわさ。そして知らんけど「深い紅が輝いた」んだわさ」
なんて言わないでくださいね。

「就職」。これはインドネシアのガムランみたいな響きです。面白い響きだ。こういう曲も「空」はうまい。なかなかの響き、なかなかのハーモニーでした。マジで良かったですよ。ホメておきます。
先生は楽譜もCDも持っていますが、カナダのマリー・シェーファーという作曲家に、その名も「ガムラン」という曲があります。合唱曲ですよ。
その曲の歌詞は初めから終わりまで「ドン ドン」とか「ドゥン ドゥン」とか「ダカダカ ディン」とかの繰り返し。
もしもみんなが「イニシアルはでたらめ」「砂だらけで生きたい」などを訳も分からずに歌っているだけだったら、「就職」もシェーファーの「ガムラン」と同じように全部「ドン」とか「ドゥン」とかの歌詞に変えちゃっても良いわけです。

なんと曲は4曲いきました。先週の3曲と合わせて7曲。
来週はこの7曲を1回だけ通して歌ってから最後の「卒業」をハモらせます。「卒業」をハモらせたら「自転車でにげる」に入って行けるところまでいきます。
それにしても全員で全部のパートを全部歌って「なぎさ道」「とげのささやき」「われもこう」「就職」の4曲を歌い切るとは、いつもながらスゴイ効率でした。たいしたもんだと思います。ありがとう。

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