SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


名演奏になる予感

【令和2年9月5日(土)】
8月の緊急事態宣言による練習自粛をクリアして再開した2回目。チョ~うれしいことに見学者があるという事前連絡を受けていました。
新型肺炎の騒ぎが収まるまでは新入団員などありえないかと思っていた嶋田先生です。見学してくれた子が何かプラスを得て帰ってくれるように作戦を考えました。小学校の2年生や3年生なら、それなりの曲でそれなりの練習を見てもらったところです。今日は中学生で合唱部の経験者ということでしたので、日本語を生かす歌い方とハーモニー主体の練習を組んでみようと方針を定めていました。
こう書くと、何だか「見学の子」のためだけに練習したように読めるかもしれません。ですが今日の練習で取り組んだ内容は、高校生を含めて(もちろん小学生・中学生にも)一人一人のスキル(実力)を高めるために必要なものだったと思っています。
まずは発声練習を含めて「地球はひまわり」を使いました。ほぼほぼ正確に音程は分かっていて、だいたい歌詞も覚えている曲ですが、今までの歌い方からワンレベルのアップを目指します。
冒頭、「手を合わせてみたら」「ホラひまわりできた」「さあ地球の大地」と歌い始めます。この「手を」「ホラ」「さあ」の歌い方を「同じではイケナイよ」と言いました。
ほぼ同じメロディーを3回繰り返す部分です。ですが工夫が必要です。歌詞によって歌い方を工夫する必要があることを、小学生にも分かってもらえる部分ですね。答えは…
最初の「手を」は次の「合わせてみたら」と歌詞がつながっています。「手を合わせてみたら」と一息で言えるコトバです。
これに対して「ホラ」は「ひまわりできた」とはつながっていません。作文用紙に書けば「ホラ、ひまわりできた」と「、」が入る感じです。同じように「さあ」も、「さあ、地球の大地」という感じで「、」が入ります。整理すると
①手を合わせてみたら
②ホラ、ひまわりできた
③さあ、地球の大地
というように「、」が入る②③と、つなげた方が良い①と、二つの表現が必要になってくるわけなんですね。で、どう歌うのかと言うと、②と③は「ホラ」「さあ」を弾んだ感じでリズミックに歌うということになります。
みんな上手にクリアしてくれました。この「ソラノート」の文章をここまで読むのに1分くらいかかったと思いますが、それよりも短い時間でクリアです。
もう一点、気を付けて歌った点は「地球の大地」「希望の空を」「みんな仲よく」の部分です。
「地球の大地」は「ち・きゅ・う・の」「だ・い・ち」で4+3
「希望の空を」は「き・ぼ・う・の」「そ・ら・を」で、やはり4+3 ですが
「みんな仲よく」は「み・ん・な」「な・か・よ・く」で3+4
つまり感じ取るべきリズムが違うということです。教室の音楽の授業では決して言わなかったことです。元気よく楽しく歌えばOKなのが授業の音楽です。お客さまに聴いていただく音楽、聴いてくださる人に歌詞を伝えようとする音楽を作ろうとするならば、メンバー全員が絶対に高めておいてほしいスキル(実力)です。でも、これも30秒でクリアでした。
あと一点、気を付けてもらったのはP26。2番と3番の低音パート「ぼくらの星は」の部分です。
これは作文では伝えにくいんですがね、あえて書きます。
高音パートの「ぼくらの」は音が下りていきます。低音パートは逆に音が上がっていきます。
どっちが日本語らしいですか? 「わかんな~い」なんて言わないでくださいよ。日本語の抑揚(雨か飴か・箸か橋か)を生かすためには高音パートの下りていくメロディーですよね?
同じように「星は」を考えると、高音パートは音が上がり、低音パートは音が下がります。「星は」という言葉は上がりますか?下がりますか?
そう、上がりますよね? つまり日本語の抑揚(読み方)を生かすためには高音パートが正しく、低音パートはメロディーではなくてハーモニーなんです。正しい…という書き方はキツイですね。低音パートが間違っているわけではありません。日本語を生かすメロディーは高音パートなのであって、低音パートはメロディーを生かすためのハーモニーパートだと言うことです。これは湯山先生も指摘されていて、ずいぶん前の練習でしたが「低音パートはmfではなくmpにしてください」「低音パートの「星は」はpにしましょう」と指導してくださいました。メモが残っています。

以前「ソラノート」について感想を聞いた時、「文が長すぎる」「小学生にも読める文章量だろうか?」という意見をメンバーからもらいました。そうなんだろうけれども、今日やった練習の内容を欠席しなければならなかったメンバーに伝えようとする時、200文字や300文字にまとめることは、やはり不可能です。これだけの文字数は必要です。
逆に言えば、今日の練習を欠席しなければならなかった(修学旅行に行っている子もいます)メンバーも、チャンとここまで読んでくれて「あぁナルホド、分かる分かる、そうなんだ」と思ってくれたなら、そのメンバーは欠席したことにはなりません。これは嶋田先生が必死になって実現している「オンライン練習」なのです。

後半は「鮎の歌」から「雉」「わさび田」「猪譚」を歌いました。予定どおりのハーモニー主体で進めました。4~8小節ずつ分けていって全部のパートを全員で歌い、すぐに自分のパートでハモらせるという方法です。美しく力強いハーモニーを響かせることができたと思います。これらの曲の表現については以前のソラノートに書いておりますし、何よりも書いたらあと10000文字くらいになりますから、文章量削減のために省略します(笑)。
ただ、一つだけ報告しておきたいことは、かなり正確なハーモニーを作ることができていて、しかもメンバーの中から「こう歌いたい」という主体的な熱量を感じました…ということです。この文章を読んでくれたメンバーを加えて全員が歌い合わせたならば、名演奏の「鮎の歌」になる予感を感じました。みんなはどう感じてくれたのかな…。

見学してくれた子が来週も来てくれると良いな…と心の底から願っています。

父母会の皆様へ。来週の父母総会では定期演奏会に関わる極めて重要な案件を審議・決定いたします。コロナごときに負けない合唱団「空」存続のためにも、現在お伝えしたい思いがあります。可能な限りの参加をよろしくお願い申し上げます。

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