SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


気合の論理

【令和元年9月14日(土)】
今日は大須太鼓の3人のメンバーをお迎えして「ちょうちん囃し」の太鼓合わせを行いました。立派な長胴と締め太鼓に当鉦(あたりがね・チャンチキ)を持ってきていただき、まず9時からピアノの浜田先生と合わせです。
楽譜とCD音源はお渡ししてあったものの、キッチリと合わせようとするのは大変です。音を合わせる…というか呼吸を合わせる必要があり、9時からの30分は貴重な時間となりました。
みんなが手拍子を入れると、これがまた効果的。打楽器と手拍子で独特の「和の効果」がありました。ただし…ですよ、手拍子もキッチリと合わせるように練習する必要があります。手を動かせばカンタンに音が鳴るので「手拍子なんて…」と軽く考えてしまいがちです。どうしてもノンビリ、フワフワと気楽に打ってしまいますが、本気になってピアノのリズムに合わせようとする気持ちが必要です。
そして歌詞に自信を付けること。楽譜を持って手拍子を打つことはできないので必然的に暗譜が必要になります。歌詞がアヤフヤでは自信を持って楽しく歌うことはできません。ガンバってくださいね。けれども手拍子を打ちながら歌う(歌いながら手拍子を打つ)ことは実は相当ムズカシイことなのですよ。
9時30分から始まったコーラスと太鼓との合わせは、しかし歌い込むほどに正確になってきました。次回にはさらに精度を上げていきたいと思います。
10時に太鼓合わせが終了。短い休憩を入れた後、「相模磯づたい」からスタート。この日は「海と祭りと花の歌」に集中しようと思っていたので、先週のように予定を変更することはありません。「雪はりんりん」は最初から楽譜を見ないで1回だけ通して歌い、残りの4曲に30分ずつ投入したことになります。やはり「空」に入って歌ってみよう…などと考えて実行する子は頭が良いのでしょう(笑)。歌詞は相当なレベルで記憶しインプットされているようです。みんなの努力に大感謝・大拍手です。
もう一回、短い休憩を入れた後、楽譜を持たないでピアノの周りに集合。「海と祭りと花の歌」を全曲通して歌うこととしました。これにはネライがありました。
太鼓合わせから始まった練習で明確になってきた課題は「みんなで気持ちをそろえて歌う」ということです。互いの呼吸を合わせると言っても良い。柔道や剣道で「エイ、やー」と気合をかけますが、気持ちと身持ちを合わせるのが「気合(きあい)」でありまして、気持ちを合わせて表現する…という点が指摘されました。
ためしに指揮をしないで「相模磯づたい」の「こころなき 身にもあわれは…」の部分を歌ってみましたが、これがきれいに合うわけなのですよ。つまり、指揮も伴奏も無しで全員で呼吸を合わせることはできる。それが可能な子どもたちです。
これができるということをメンバー自身にもピアノの浜田先生にも納得してもらった上で、あえて全曲を、もう楽譜を見ないで、楽譜の代わりにあるものは互いに助け合うメンバー相互の呼吸と浜田先生との気合(きあい)のみ。
これがパーフェクトな表現で可能となった暁(あかつき)には、とりもなおさず完全に湯山先生の指揮に集中して歌うことができるようになるということで、嶋田先生のヘッポコ指揮に頼らない「主体的な表現」が生まれるはずです。
嶋田先生の指揮でないと歌えない~なんて言っていてはダメです。目の前に現れたのが湯山先生であろうと新実先生であろうと、主体性を持って対応して歌えるようになること。これができるようになれば(すでに多くのメンバーができるようになっています)本当に楽しいだろうよ。本当に、音楽そのものと自分とが対峙(たいじ)できる幸せを感じることができることでしょう。
その練習を初めて行うにあたり、メンバーを励ましました。「歌詞を間違える、音程が狂う、フォルテだピアノだクレッシェンドだという表現の約束をすっ飛ばす、これは全てOKです」と。そういった「目で確認できる」話はどうでも良く、「耳で助け合う」話に持って行ったわけです。
これを気と気が合う、すなわち「気合の論理」と定義しておきます。
結果は素晴らしいものでした。「海と祭りと花の歌」全曲を30分、一度も止まることなく指揮も無しで歌い通すことができました。これは今日の最大の成果でした。
もちろん一人一人の中には「あぶなかった」「まちがえた」「音程が狂った」「音を外した」「歌詞が分からなくなった」という反省点が残ったことと思います。それで良いのです。失敗した点や反省すべき点をいちばん知っていなくてはならないのは誰でしょう?担任の先生でしょうか?それとも嶋田先生? 違いますよね。自分の課題をいちばん知っていなければならないのは自分自身です。「きゃ~、ここミスったなぁ」と思った子は、すでにその時点でその課題を克服していると言えます。
自分のミスに自分で気付いていればクリアはカンタンです。
しかし、なかなか良かったですよ。ピアノを囲んで歌った「海と祭りと花の歌」の表現は。指揮がなくてもチャンと歌えるんです。ということは(逆説的ですが)湯山先生の指揮にも十分に対応できるということです。マチガイない。

午後は父母総会があり、定期演奏会の準備が整いました。父母会のメンバーも「やる気十分」です。感謝の念を禁じ得ません。
明日は再度、東京・久我山の湯山先生宅を訪問します。事前に聞いておきたいことが山ほどあります。電話で事足りる内容ではありません。
明日の確認結果は帰りの新幹線の車中から空ノートで報告するつもりです。どうなるのかな。お楽しみに。

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