SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


令和合宿1日目

【8月23日(金)】
令和になって初めての合宿です。とは言っても合宿は合宿。例年どおり、ホワイトボードに目標を記しました。
○音楽の目標 少しぐらいムズカシそうなフレーズでも聴いて1分以内なら正確に声で再現できるような聴き方をしよう
○交流の目標 できるだけ多くの人の名前を覚え、そしてたくさん話をしよう
そして午前中に1時間、まずは「月のうさぎ」から。今日初めて歌う子も何人かいるので、あせらずアワてず、各パートの音をシッカリと取っていきます。どんな曲でも同じですが、まずは音がキチンと入っていなくでは表現になりません。
しかし音取りは速いです。1回聴いてスグに歌って、それがある程度の表現になっている。だから音の確認と表現の工夫が同時に進行していく。「出だしは明るく」「キツネとサルはたくさん探して帰ってきましたは嬉しそうに」「けれどもウサギは何も持たずに帰ってきましたはツラそうに」などなど。その表現の工夫も、工夫にとどまらずドンドン高まっていきます。
表現の頂点は「焚火の中に身を投げて」と「月の世界へ送りました」ですが、この部分は火が噴き出すような熱量が必要で、さすがにそこまでは無理でしたけれども、少なくとも「そのような表現を目指そう」という指針というか、共通理解ができたことを報告することができます。
午後は「イルカの翼」を12曲全部。これをソプラノもメゾソプラノもアルトも全員で歌ってその後に自分のパートでハモらせる方法で12曲全部を通したわけです。いつも書くことですが、自分が歌うメロディーに相手がどうハモらせてくるのか、実際に自分で歌って理解しているわけですから、すごく合唱力が高まります。高い声を出したり低い声を出したりするトレーニングにもなるし。しかし12曲全部その方法で押し通すっていうのは予定外でした。徹底的に音感を鍛えたという時間になって、表現を工夫するという時間ではありませんでしたが、しかし合唱力が高まれば表現も短い時間で高まるはずです。先が楽しみですね。
そしてアンコールの楽譜を配りました。アンコールは
①「きいろいちょうちょ」
②「くも」
③「あめふりくまのこ」
で①と③は湯山先生の指揮となります。「あめふりくまのこ」は多くの子が知っていますが「きいろいちょうちょ」と「くも」は多くのメンバーが初見となるはずです。
「きいろいちょうちょ」はユニゾン(斉唱)で美しいメロディーを歌い上げます。詩もすばらしく、その詩の世界を音楽が温かく膨らませます。初見とは思えない練習をすることができました。
「くも」は1番は明るく嬉しそうに。雲が「山に積もった雪」に見えたり「誰かが描いた絵」のように見えたりする発見のワクワク感です。
2番は「くもがきれいだから」までは1番と同じ進行なのですが、繰り返される「くもがきれいだから」(アルトの旋律です)から1番と別れます。それは「おばあちゃん」を思い出す気持ちを表す表現で、ことのほか味わい深い。不覚にもこの時、涙が出てしまいました。何人かのメンバーにはバレていたと思いますが、そういう共感を生み出す力のある名曲です。
「おばあちゃんは あの上に いるのかなあ」と歌う終結部は、かなり説得力のある表現だったと思います。たいしたものです。
夕食の後は1時間と少し、ソリストを決めました。今年は「相模磯づたい」と「まためぐる春に」、「あめふりくまのこ」と「おはよう太陽」にソロがあります。例年よりはソロが少ないプログラムです。
おどろいたことに、みんなソロが歌えるのです。もちろん声が小さかったり、長く伸ばす部分で息が続かなかったりした子はいましたが、音程は正確で声の響きはナカナカのものです。ソロパートは今日、夕食後に教えただけです。教えてすぐにソリスト決めなどとは乱暴なように思えるでしょうね。ですが最初に書いたように「聴いて1分以内なら正確に再現できる」力が育っていなければソリストなんぞ務まりません。で、この方法を取っているのですが、今年はレベルが高かった。音取りが速いのもウナヅケます。
「合唱力」を高めてほしい…という嶋田先生の願いが叶いつつあり、非常に嬉しく思いました。明日の練習も楽しみなことです。

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