SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


今は「自分が高まること」だけを考える

【令和元年8月10日(土)】
この日は「男の子の見学者がある」との情報を得ていたので、どんな練習を見てもらおうか、あるいはどんな練習に参加してもらおうか、いろいろと考えていました。
折を合わせて、2月に参加する「大中先生追悼コンサート」の合同演奏の楽譜が(東海メールクワイアーの筋から)手に入り、いずれ近日中にメンバーに配る楽譜なのですが、早く歌ってみたくて「わたりどり」という曲を印刷して持って行きました。
「わたりどり」に限らず、合同演奏は混声合唱となるので、テノール(男の高い声)とバス(男の低い声)のパートがあります。メンバーの男子中学生は遅かれ早かれテノールかバスになるのですが、「わたりどり」のアルトとテノールを使って、現在「どちらが歌いやすいと感じるか」を問いかけてみようと思いました。そこに見学の男の子も引き入れて、嶋田先生を含めた「男ばかり」で歌ってみて、親しみを感じてもらおうかなぁ…などという作戦?
結論から記すと「男の子の見学者」は来ませんでした。残念無念。フェールマミの第1から第2に変更になって迷ったのかな?あるい発熱とか、急な用事ができたとか?お盆直前ということもあり、在団メンバーもスケジュール調整が大変ですからね。まあ、来週に期待しましょう。
ですが、予定どおりに「わたりどり」の楽譜を配って歌ってみました。本当に、たった1回歌えば音取り完了か…というくらいのスピードです。アルトのパートを知っている子はいないはずなのですが、アルトもすぐに音取り完了。ソプラノとアルトでハモらせてみると、美しいハーモニーが響きました。メンバーも気持ち良かったのではないかな。ホンの2分か3分でアルトのパートを掴んでしまいハモらせることのできる自分の実力が。
男子中学生のメンバーにテノールパートを伝えます。とても真剣に取り組んでくれて、ホント、1回歌えば分かる…という感じでした。その時に、女子のメンバーが真剣に聴いていましたねえ。嶋田先生は男子に向かって自分の歌声を聴かせていましたので、女子には当然背中を向けていたのです。その背中に「真剣に聴いている」という空気を感じました。この「空気」は、今日の練習の最大の収穫だったかもしれません。
さて、嶋田先生もメンバーに入って男子といっしょにテノール、女子メンバーでソプラノとアルト。混声3部です。これがキレイなハーモニーとなりました。
男子メンバーは2月も基本的にはボーイアルトなのですが、追悼コンサートの合同演奏だけ東海メールクワイアーに混ざってテノールを歌っても面白い。嶋田先生も相談に乗りながら、本人が決めれば良いと思います。

「わたりどり」はあくまでも余興です。本気モードは「海と祭りと花の歌」。全曲を確認しておくことは合宿の練習効率を高めるためにも重要です。
授業には「ねらい」「目標」というものを子どもたちが明確に持っていることが大切です。「ねらい」「目標」が明確でない授業なんて、授業じゃありません。
「空」の練習を授業とするならば、「ねらい」は一人一人が高まることであり、「目標」は一人一人が自信を持って歌える部分を増やすことです。年齢も経験年月も大きな隔たりがある集団ですから、全員が同じ部分を同じように…ということは不可能です。だから、こう言いました。
「自分が高まることだけを考えてください。自分ができることを増やすことだけを考えてください。人のことは考えなくて良い。自分のレベルアップだけに集中しましょう」
そして、こうも言いました。
「チームワークというものは、高まった自分が高まった友達と交流して初めて成立します。できない、知らない、分からない、と言っているうちは、チームワークの輪の中には入れないんです」
「ちょうちん囃し」はハーモニーの練習と手拍子の練習を分けて行いました。手拍子を練習する時は手拍子に集中し、音程や歌詞のマチガイなどは度外視の無視です。だから手厚い練習になりました。
「あじさいと少女」は構造の確認。1番と3番は「山がいつしか雲になる」、2番と4番は「雨がいつしか霧になる」から始まる4番まである構造。その4回の繰り返しのうち、どことどこが同じで、どことどこがどう違うか…という確認をしていきました。だからこれもチョッと手厚い練習になりました。
そこかわり「相模磯づたい」と「雪はりんりん」は1回通しただけ。これまでの練習が貯金となって生きています。
「まためぐる春に」も構造の確認です。以前にも書きましたが、A→B→C→B2→C2→D→E→D2→F→A2→終結部 という構造です。これを理解してしまえば、後はほぼ繰り返しになっていますから、覚えるメロディーは約半分になるというわけですね。でも繰り返しの順番が複雑ですから、これもチョッと手厚い練習になりました。
とは言え、1時間と少しで終了できましたから大したものです。なかなかのハーモニーでしたよ。
残った時間は「イルカの翼」から「星空の旅人」「海をみていると」「イルカの翼」「かげとわたし」の4曲を確認しました。
今日は柔らかい声はモチロン、強い声や固い声、荒々しい声なども至る所で聴くことができて良かったと思います。ありがとう。来週もよろしくお願いします。見学の男の子、来てくれるといいな。待ってます。

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