SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


次回は老人ホーム慰問コンサート 力を貸してください

【令和元年7月13日(土)】
今日は本当に嬉しいことに新入団員を迎えることができました。さっそく自己紹介コーナーを設けて名前と学年と趣味などを発表し合いました。いつもながら本当に嬉しいひとときです。
さて、先週先々週と取り組んできた「月のうさぎ」。今日は歌うかどうか未定でしたが、その新入団員の子と初めて楽譜を手に入れた子もいたので、ポイントを押さえて一通り通して歌いました。
音取りは速い。しかも正確です。今日、押さえたポイントとは、「月のうさぎ」は最初から最後まで良寛和尚が子供たちに語りかける「お話」だということです。
組曲「月と良寛」の2曲目「忘れん坊」では子供たちが良寛和尚をからかう様子が表現されます。でも子供たちは良寛和尚が大好きなんです。その部分が「きれいなスミレに気を取られ 夢中で花摘み 鉢の子を忘れた和尚さん」という歌声(ぜひCDを聴いておいてください)です。
その子供たちを座らせて「では、和尚が(私が)みんなに(子供たちに)ひとつ昔話を聞かせてしんぜようかのぅ」と語り始めるのが3曲目の「月のうさぎ」というわけなんです。
だから「月のうさぎ」の前奏が始まった瞬間に、歌う合唱団は「良寛和尚」に変身し、会場に座っているお客様全員が「子供たち」に変身するわけです。このことを歌うメンバーは最初から理解しておかなくてはならない。練習のスタートから「自分は良寛和尚なんだ」と思って歌うのと、そんなこと関係なくヒタスラ音だけを取っていくのとでは、最終的に月とスッポンくらいの違いが発生します。
タイミングは夏休みに入る直前です。嶋田先生は図書館に行って調べましたが、今はネットで何でも情報が手に入ります。高校生くらいなら今昔物語集の月のうさぎ説話を調べてみると、音楽の背景を理解することが十分に可能なことと思います。まぁ、時間もないことでしょうから、絶対に調べろとは言いませんけどね(笑)

その後、「うたにつばさがあれば」の全曲に取り組みました。考えてみれば4月のスプリングコンサートから1回も歌っていません。その後に入団してくれたメンバーにとっては初見ということになります。スプリングコンサートで歌ったメンバーも、その時が「うたにつばさがあれば」初体験だった子が多くいるはずですから、久しぶりに歌ったことは大きな意義がありました。
逆順で歌いましたから「うたにつばさがあれば」「きみとぼくと地球のうた」「となりのカンタロウ」という順番です。メロディーを中心に確認してからハーモニーを作る、いつもの方法です。
途中、「あめとひまわり」に入った時、久しぶりに「とっておきのトレーニング」を行いました。
それは「かたつむり」と「証城寺のタヌキ囃し」とを同時に歌うというトレーニングです。
♪でんでんむしむし かたつむり おまえの頭は どこにある つの出せやり出せ 頭出せ
♪しょしょしょじょじ しょじょじの庭は ツンツン月夜だ みな出てこいこいこい おいらの友だちゃ ポンポコポンのポン
この2つのメロディーは同時に歌うとハーモニーができます。
2つのメロディーが頭の中に常に鳴っていて、口が1つしかないから仕方がなくてどっちか1つのメロディーを歌う…というのが「合唱の力」です。だから、本当に「合唱力」を身に付けた子なら、次のようにうたうことができるはずです。
♪でんでんむしむし しょじょじの庭は おまえの頭は みな出てこいこいこい つの出せやり出せ ポンポコポンのポン
♪しょしょしょじょじ かたつむり ツンツン月夜だ どこにある おいらの友だちゃ 頭出せ
この練習は面白い!なかなかに大変です。小学生でもできる子はできるし、高校生でもできない子はできない。つまり年齢には関係がない。「合唱力」の問題だからです。
世の中には、パートを決めたらヒタスラ自分のパートを練習することだけに集中し、それで互いの成果を合わせる…という方法を取る合唱団が多いです。たしかに近道のように思えますが、その方法ではあるパートに何か異変が起こった時、「となりのパートがトラブってるようだけどアタシはアタシの道を進む」というメンバーしかいないので、結果としてチームの表現が崩壊します。
「空」の場合、全員が全部のパートをある程度(あるいは完全に)知っていますから、何かトラブルがあった時に瞬間的に対応する(つまり互いに助け合う)力があるわけです。これを嶋田先生は「合唱力」と定義しておきます。
みんなは「あめとひまわり」に限らず、全部のパートを全部歌えるようになりたい…と思ってください。それはプロにも通用する「本当の力」なんです。実際にできるかどうかではなく、そうなりたいと思って練習に取り組むことが大切です。

途中、脱線して「オクラホマミキサー」「コロブチカ」「マイムマイム」「エースオブダイヤモンド」といったフォークダンスのメロディーを知っているか、あるいは踊れるかといった質問をしました。合宿で踊ろうと思っています。嶋田先生がアコーディオンで伴奏します。ヒヒヒヒヒ。

来週は、久しぶりに豊明老人保健施設に行って、老人ホーム慰問コンサートを行います。その練習は今日いっさいしていません。
歌う曲は小学校の音楽の教科書です。「ふじさん」「茶つみ」「春の小川」「こいのぼり」「おぼろ月夜」「われは海の子」「もみじ」「ふるさと」「冬げしき」それに「さくら」と「ゆうやけこやけ」。
楽譜は教科書を印刷して当日に配ります。当日配った楽譜を当日の午前中に練習して、それで午後の本番に乗り込むというのが「空」のやり方です。だから久しぶりに練習に来る子も、当日に入団した子だって参加できます。
みなさん、力を貸してくださいね。よろしくお願いいたします。

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