SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


アンサンブルの美しさ

【令和元年5月25日(土)】
今日は名古屋市立小学校の多くが運動会であることは分かっていました。それにしても暑い日でしたね。各校の熱中症対策が上手くいったことを祈らずにはいられません。
というわけで、嶋田先生のメールには中学校の「部活練習あり」なども含めて多くの欠席連絡が入っており、今日は集まってくれたメンバーが「いかに得をするか」「いかに満足して帰ってもらうか」だけを考えていました。「雪はりんりん」を含めて、曲の表現を練り上げる…という話は度外視。集まったメンバーが何かしら自信を付けてくれればOKとの思いでした。
次週の練習はフェールマミ。かく言う嶋田先生が次回は自分の学校の運動会で練習参加不能です。浜田先生・恒川先生・高倉先生も、そのあたりの考え方(参加メンバーがいかに楽しむか)は十分に理解しておられますから、安心して任せることができます。参加メンバーの協力を期待します。
まずは合唱連盟合唱祭で歌う「雪はりんりん」からスタート。素晴らしい響きでした。入口のテーブルに並べてある名札を数えると(つまり残った名札の数で、あと何人増えるのかが分かります)約半数のメンバーです。その少ない人数で、非常に透明なハーモニーが生まれました。いわば室内楽の美しさです。
小学生の子でも分かると思いますが、たとえばベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は100人のオーケストラで演奏する曲であり、10人のアンサンブルでは曲の良さを引き出すことは不可能です。ですが、モーツァルトの「アイネ クライネ ナハト ムジーク」という曲は50人の弦楽合奏で演奏すれば重厚な響きで味わえますが、たった4人の(第1ヴァイオリン・第2ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの4人)の演奏でも非常に深くて繊細な響きを味わうことができます。
今日、嶋田先生が勉強できたことは、「雪はりんりん」という楽曲が少人数のアンサンブルによって非常に繊細かつ透明感のある響きを生み出すことができるということです。これは湯山先生の創造性とか作曲技法に負うところが大きいのですが、とにかく湯山先生の音楽が少人数のアンサンブルを許容している。これが分かった。
分かることができたのは、今日集まったメンバーの音程の正確さのおかげです。声なんか大きくなくて良いのです。「声の大きさ」よりも大切なことは「声の響き」であることは前回も書きました。その「響き」を支える音程が正確なので非常によくハモる。大人数の合唱では醸し出せない(かもしだせない)響きでした。
表現を作る上での注意として言ったことは、「曽我では 何年ぶりの雪でしょう」の部分だけ。同じメロディーが1拍ずつズレて歌われる部分で、ソプラノの「曽我」「何年」がイヤに丁寧で、逆にアルトの「曽我」「何年」がイヤに力が籠っており、ソプラノよりもアルトの方が言葉がハッキリと聞こえてしまう。この点への指摘と修正です。
しかし、これはステージに上がるメンバーが全員揃った時に確認するべき話であり、今日のメンバーのバランス感覚が悪いという問題ではありません。来週に集まったメンバーでも同じ問題が起こることと思いますが、軽く注意を促すくらいで良いと思います。これは当日の直前に確認する問題です。その確認ができる準備を整えておいてください。
終結部「雪が降る」のハーモニーも美しかった。来週も、このハーモニーは確認をお願いします。夢を見るような美しいハーモニーを本番では作りたい。その準備をお願いします。

続けて「ちょうちん囃し」。これはかなり以前に歌ったことがありますが、どこをどう練習したか嶋田先生も忘れているくらい久しぶりです。これが3本の鍵盤ハーモニカの助けがあったとは言え、全曲を通してハモってしまいました。113小節目「ちくわ かまぼこ」は同じメロディーが1小節ズレて歌われるだけです。160小節目「梅と桜は」は同じメロディーが1小節ズレて3つに分かれるだけです。
途中、笑う部分がありますが、これは各自で練習しておいてください(笑)。芝居で笑う…これは最も難しく大切なテクニックです。
とにかく最初から最後まで通して歌えてしまったことは驚きの収穫でした。

続けて「相模磯づたい」。これはもっと以前に歌ったきりで、ほとんど全員が初見に近い。しかし「相模磯づたい」も最初から最後まで通して歌ってしまいました。これはメンバーの頭が、以前に練習した成果を定着させるレベルにあるということと、初めて歌う場合でも音に敏感に反応して素早く正確に音を取ることができるレベルにあるということで、要するに頭の問題です。
みんな、頭が良いんですね。

残り20分。よほど「あじさいと少女」を歌おうかなと思いましたが、残り時間と相談して「星空の旅人」を選びました。この曲は第1回定期演奏会のアンコールで湯山先生の指揮で歌った曲で、嶋田先生以外に知っているメンバーはほとんどいません。だから嶋田先生が歌って聴かせて、それにスグ反応して歌う…という方法を取ったのですが、それでもって全曲をハモることができました。それにしても今日のメンバーの音に対する集中力には最大の拍手を送ります。

「雪はりんりん」「ちょうちん囃し」「相模磯づたい」と「星空の旅人」で、大曲3つと小品1つ。全部ハーモニーを作ることができたのは、音楽プラザの扉を開けた時には想像していなかった成果でした。力を尽くしてくれたメンバーに感謝します。
来週も成果が上がりますように祈っています。メンバーの鋭意協力に期待します。

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