SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


アンコールと「朝の讃美歌」と「サウンド・オヴ・ミュージック」

【8月25日(土)】
多くの成果を残した合宿から1週間、その後の最初の定例練習です。
今日は合宿で歌うことのできなかったアンコールに取り組みました。
久我山の湯山先生のご自宅を訪ねる時は、いつも必ず「案」を持って行きます。久我山で嶋田先生は「きいろいちょうちょ」「くも」「イルカの翼」をアンコールとして提案しました。ところが湯山先生は①「おはよう太陽」(湯山先生)、②「矢車草」(嶋田)、③「歌の広場」(湯山先生)という案を歌う順番とともに示されました。いずれも素晴らしい曲なので、自信を持って「空」のメンバーに示すことができます。
このうち「歌の広場」は4月21日のスプリングコンサートで取り上げた曲であり、「矢車草」は一昨年の第20回定期演奏会で歌った曲ですから、知っている子も何人もいました。
しかし、初めての子や「知らない」と言う子を中心に考えるのが練習というものです。それに「知っている」と言う子が、その時には気付かなかった「曲の良さ」を新しく発見できるようにしたい。
脱線になりますが、嶋田先生は映画も好きで、チャールズ・チャップリンの「街の灯」という映画は金を払って映画館に入場して見たのが8回、自宅のビデオで見られるようになってからは100回以上見ています。名画というものは見るたびに、前に見た時には気付かなかったセリフの意味や役者の動きの意味に気付かされます。
1回見たらもう分かった、1回歌ったらもう分かった…という映画や音楽もありますが、チャップリンも湯山先生も、その作品には「分かった」では片付けられない内容と深さと魅力があります。
さらに脱線になりますが、嶋田先生が「街の灯」の次に数多く見ているのが、黒澤明の「七人の侍」と「生きる」、そして「サウンド・オヴ・ミュージック」です。
というわけで、全員で全部のパートを歌います。以前とはパートを移動しているメンバーもおり、何よりも曲の構造を腹の底から理解するためにはこの方法がいちばん手っ取り早い。
メンバーも、全部のパートを歌ってから自分のパートを確認するという効果と意味が真底理解できているようで、ドンドン練習が進みます。10時50分までの1時間20分で、3曲を歌い切ることができました。
もっとも今日は音取りと音程の確認が中心で、さすがに歌詞の抑揚を生かした歌い方などには言及しませんでした。これについては次回の練習で進めます。

休憩の後は「朝の讃美歌」の確認をしました。どこで音楽の(フレーズの)区切りをつけるか…という確認です。4小節目の最後「ノビリス」と7~8小節目の最後「ファビリス」と10小節目の3拍目の「ラビリス」に「,」が付いています。祈りの歌詞の区切りですから、ここは思いっきりリットをかけます。12小節目の最後の「ラビリス」はフェルマータが付いています。そして歌詞には「.」が。だから…ではなく、祈りの終わりですから、思いっきり長く伸ばしましょう。これはスグに確認できました。
もうひとつは「サウンド・オヴ・ミュージック」です。この曲は拍子の音楽ではありません。拍子の音楽とは「ドレミの歌」や「ひとりぼっちの羊飼い」のように、いったんテンポが定まったら、あとはメトロノームの刻みに従って進行していく音楽のこと。「ドレミの歌」にリットやフェルマータをかけたら歌う人も聴く人もズッコケてしまいます。
「サウンド・オヴ・ミュージック」はそのような拍子の音楽ではない。言葉の音楽です。言葉の音楽とは、歌詞に対する感情移入に従って音楽が膨らんだり縮んだり、ゆらめいたり解き放たれたりする音楽のこと。早い話がメトロノームで測ったテンポではなく、極端に言えば1小節ごとにテンポが変わります。このような音楽は大中恩先生や高田三郎先生が極意とされたものですが、みなさんに分かりやすいのは「空」が歌う「ふるさと」のアカペラ(無伴奏)バージョンと同じだ…とい言えば良いと思います。
で、どこにどうリットをかけるか、これはノートに書ききれる量ではないので、少しづつ確認していきます。
このノートを読んでくれたメンバーは、少なくとも「サウンド・オヴ・ミュージック」はメトロノームから離れるんだな…と理解してください。「サウンド・オヴ・ミュージック」ほどではありませんが、「すべての山に登れ」も「言葉の音楽」ですから、テンポはゆらめきます。
もう一点、「サウンド・オヴ・ミュージック」の終結部を変更します。どう変更するかと言うと、P16の3小節目(※1の記号があります)からのピアノ伴奏を、P17のものにワープします。浜田先生、よろしくお願いします。
これに伴い、みなさんはP16の終わりまで歌った後、P17の2段目の2小節目にワープします。P16からの音に続くように(和音の構造は変えませんが)音の高さを変えます。変更案は印刷して持って行きます。その印刷された変更楽譜を、みなさんはP17にノリで貼り付けることになると思います。
その変更された和音の進行を、今日はホワイトボードに書いて歌ってもらったのですが、実にうまく歌ってくれました。大感謝です。
浜田先生には負担をかけますが、ピアノ伴奏はP17の方がどう見てもカッコイイ。カッコイイと思うものを歌おう、オイシイものを食べようという単純な発想です。メンバーには負担をかけないように、音の進行を工夫しました。

もう1回、始業式の前に「空」のメンバーと会える機会があります。来週の練習を、首を長くして待っています。みなさん、ヨロシクね。

Comments are closed.