SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ピッチ

【3月24日(土)】
小学校の卒業式も終わり、いよいよ平成30年度が始まろうとしています。進級する子も進学する子も、それぞれおめでとうございます。「空」も楽しく充実した平成30年度になりますように、力を尽くしたいと思います。
今日はソプラノリコーダーとアルトリコーダー、そしてトーンチャイムを練習会場に持って行きました。
リコーダーは「文部省唱歌集」から「春の小川」「茶つみ」「富士山」と「もみじ」に使う予定です。「とんび」にも使おうかな…と思っていましたが、実際に演奏してみて止めることとしました。
「春の小川」「茶つみ」「富士山」「もみじ」はいずれも歌詞が2番までです。そこで2番まで歌った後、ピアノとリコーダーで3番に突入し、1番の歌詞の後半を歌う…という形を取ります。「春の小川」なら「姿やさしく色美しく」、「もみじ」なら「松をいろどる」から歌うことになります。
ところが、昨日買ったばかりのアルトリコーダーのピッチ(微妙な音程)が良くありません。ちょうど「とんび」や「もみじ」で音程に関するトレーニングを行い、音に対する集中力を高めていたところでしたので、メンバーの耳にもリコーダーの音程の狂いが分かったのではないかと思います。
「文部省唱歌集」は歌うだけならカンタンですが、みんなの音程を鍛えるためには最高の教材です。つまり、正確な音程で歌い切ることは非常にムズカシく、プロでも大変です。逆に言うと、「とんび」や「もみじ」や「富士山」を正確に歌い切る力を付けることは、音程に関してはどんな曲でも無類の力を発揮します。
しかし、みんなの歌声のピッチを修正して音感を付けてもらおうという練習をしている時に、リコーダーや実はピアノの音のピッチの狂いが気になる…ということは、みんなのピッチの方がリコーダーやピアノのピッチよりも正確かも知れないということです。数値として比べることはできませんが…。
肝心なことはピアノのピッチの狂いは調律しない限り直りません。しかし、人間のピッチの狂いはその場ですぐに直すことができるということです。ピアノを調律するためには20000円くらいのお金と相当な時間が必要ですが、「空」のメンバーのピッチは5~6分で、しかも無料で直ります。直すために必要なのはお金でも時間でもなく、音に対する耳と集中力です。
では「空」の子のほうがピアノよりもリコーダーよりも優れているかと言うと、実は人間には弱点があります。ピアノは1回調律すると1週間から1ヶ月くらいは大丈夫ですが、「空」の子は帰りの地下鉄やバスの中でビヨ~ンと元に戻っているはずです。
これは当たり前のことで、ラク~な気持ちになったり、のんびりした状態になった時に、ピアノよりも正確なピッチで歌えるような人間はいない。24時間正確であり続けるなんてことは人間には無理なんです。だから必要になるのは、ここぞっていう時に正確になれる集中力を身に付けることなんです。嶋田先生だって、みんなの前でみんなの音程に集中している時はエラそうなことを言っていますが、みんなとサヨナラして昼ごはんを食べている時には、もうポヨンポヨンですよ。

トーンチャイムは「花は咲く」に使うために持っていきました。ド・ファ・ラの音を使って「誰かの歌が聞こえる」「誰かを励ましてる」の部分に鐘の音を鳴らそうというイメージです。
トーンチャイムという楽器、鳴らすことは実にカンタンで、しかもピッチは無類の正確さ。唯一の欠点は一人の子が1~2音しか出せないということです。
もっともトーンチャイムにもプロフェッショナルは存在し、彼らは机の上にチャイムを並べて必要な音を素早く持ち替えて複雑なメロディーを演奏しますが、そんなことは「空」には関係ありません。
今日やりたかったことは、みんなの歌声にトーンチャイムの音が合うかどうかという実験です。結果は上々で、トーンチャイムの音に声や歌詞が埋没するようなことはなく、かなり印象的な、そして効果的なサウンドを作り出すおができるということが分かりました。
今回のスプリングコンサートは、真面目さもさることながら楽しさも重要なポイントですので、そのためにあらゆる手段を使っていこうと思っています。

小さい子もよく頑張っていて力を伸ばしています。フルメンバーが集まったら信じられないサウンドが生まれることでしょう。次回以降の練習を楽しみにしています。

次回3月31日(土)はフェールマミですからね。お間違えのないように。

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