SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


「北陸づくし」を通しました

【7月15日(土)】
今日は、青森県八戸市で明日16日に開催される日本男声合唱協会(JAMCA)の演奏会に参加するため、嶋田先生は11時までしか練習ができませんでした。
東海メールクワイアーをはじめ、東京リーダーターフェルフェライン、大阪メンズコーラス、小田原男声合唱団、そして地元は八戸メンネルコールなど、全国から10指に余る男声合唱団が集まっての2年に1回の祭典です。
東海メールクワイアーは9時過ぎの新幹線で既に出発していますが、嶋田先生は別行動を取り、「空」の練習をやってから。夕方のリハーサルには間に合いません。
しかし、「空」の練習を休むわけにはいかない。来週の土曜日は教育委員会の仕事で参加不可能なので、今日は貴重な時間です。
JAMCA演奏会も前回の大阪や前々回の滋賀のような場所なら嶋田先生もラクなのですが、八戸となると大変です。北海道や九州で開かれることもありますからね~。

さて、そういうわけで、今日は何があろうと「北陸づくし」を完全に通してしまおうと思っていました。「北陸づくし」に取り組むのは今日が3回目ですが、前回は老人ホーム慰問コンサートの直前練習を終えた後に歌っただけなので、実質上は2回目の取り組みということになります。このような難曲を2回か3回でソコソコ歌えるようになってしまうわけですから、たいしたものですね。
歌詞は富山県・石川県・福井県の「わらべうた」や「子守唄」がベースになっていますから、「花が咲く」や昨年歌った「雲」のような真剣な読み取りは必要ありません。カラッとした気分で楽しく勢いよく歌うことが大切です。
そして日本独特の和音構成のとらえ。たとえば8~10小節目のミ・ラ・シの音のぶつかりです。83小節目「こんぺと豆腐」ではレ・ラ・シの和音からミ・ラ・シの和音への移行があります。
このようなハーモニーについて、しつこく何度も繰り返して練習する必要は全く無く、1~2回「確認」するだけでOKになりました。67~70小節目も、とても美しかったと思います。
あとは変拍子の問題。前々回に書きましたが、たとえば52ページ(27~41小節目)だけで11回も拍子の変化があります。
これをクリアするための一番カンタンな方法はCDを聴くことです。何十回も聴く必要はありませんよ。みなさんの頭の中で「北陸づくし」が「ドラえもん」か「サザエさん」くらいに自然に流れるようになれば良いのです。
「次は何拍子だっけ?」とか「あと4小節歌ったら6拍子に変化する」とかを考えたり覚えたりしているようではダメで、言葉が自然に流れるようになれば五重丸なのです。
なぜ、このような変拍子になるかというと、湯山先生が日本語を大切にする作曲家だからです。
言葉の流れをいかにして自然に歌うか。これは滝廉太郎や山田耕筰をルーツに、大中先生や湯山先生につながる大きな流れで、ここをオロソカに歌うと湯山作品は死んでしまうのです。
でも、鍵盤ハーモニカを叩いていても、みなさんの歌い方に不自然さは感じません。聴いておられた当番の父母会のお母さんも、みんながそんなに頻繁に拍子を変化させて歌っているとは気付いておられなかったと思います。

途中、「ドミソの歌」について、先生の願いを伝えました。「全員が全部のパートを歌えるようになるといいな」と。
おそらく日本中を探しても、過去何十年を振り返っても、それをやった合唱団は無いと思います。しかし、「空」のメンバーは嶋田先生が伝えることを全部吸収し、「北陸づくし」のような曲でもドンドン歌えるようになってくれますから、不可能な話ではないはずです。
事実、「空がこんなに青いとは」や「禁じられた遊び」なら多くの子が「上でも下でも、両方のパートを歌えるよ」と言ってくれることと思います。それと同じことを、ちょっと長いですけれども「ドミソの歌」に拡大すれば良いのです。
「禁じられた遊び」を両方のパートを歌えるのと一方のパートだけ歌えるのと、どっちが楽しいか考えてもらえば分かると思います。もし「ドミソの歌」がそのレベルになったら、どんなことになるでしょうか…。想像するだけで胸が躍ります。
ただ、これは「そうなるといいな」と思うのであって、そうなるようにみんなをシゴイたりはしません。あるいは全部歌えるかどうかのテストをすることもありません。
しかし、努力をすることは大切です。
方法はカンタンです。練習する時に集中することと、何回かCDを聴くことです。
夏休みに突入します。普段よりCDを聴く余裕も生まれるかもしれません。

合唱団「空」のみなさんの、がんばりに期待します。
(仙台を通過する東北新幹線の車中より)

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