SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


「うたにつばさがあれば」全国発売

【6月17日(土)】
この日は最初に嬉しいニュースを伝えました。
東京のカワイ出版から連絡があり、「うたにつばさがあれば」が正式な楽譜として出版されるとのこと。1冊の献本があって、巻頭には大中恩先生の言葉が載っています。また、初演の記録もあり、

委嘱:少年少女合唱団「空」
初演:1997年11月2日 合唱団「空」第1回定期演奏会
指揮:大中 恩
と記されています。

巻末には、6月30日第1刷発行とありますから、その日に全国のカワイ楽器の店頭に並ぶことと思います。
初演から20年、「空」は6回ほど演奏してきましたが、今年は仙台で演奏されることが決まっており、いよいよ全国の至る所で歌われることになりました。「空」も近いうちに歌いたいですね。今の「空」が現在のメンバーのイメージで新しい「うたにつばさがあれば」を歌う。全国に先駆けて実現したいものです。大中先生へのご恩返しのためにもね。
堀内先生によると、9月3日に大中先生が名古屋にいらして「大中先生を囲む会」が開かれるとのこと。いくつかの合唱団が数曲を歌うようですが、「空」の出番があるやにも聞いています。

値段は1400円+税です。中身は、みなさんが持っている「オレンジ版」と全く同じですが、後半の「こどものうた」はありません。純粋に「うたにつばさがあれば」5曲のみです。
変な言い方ですが、5曲のみで1400円ですから、それだけの商品価値のある曲だったのですね。大中先生の偉大さ凄さを思います。同時に、その5曲目を団歌として歌いまくっている「空」の…じゃない嶋田先生のズウズウシサを思うと赤面の至りです。

入手したい人は嶋田先生まで連絡をください。メモで名前と冊数をファックスしてくれれば、まとめて注文します。嶋田FAX・052-852-5407

さて、本題の練習ですが「うなぎの子守唄」からスタートしました。「太平洋の海原の…」から始まり「小さい小さいうなぎ」までの長大なフレーズを一息で歌い通すことは容易ではありません。相当な体力を求められます。

ここで言う「一息で」とは、もちろん「ブレスをしない」という意味ではありません。「春の小川」や「エーデルワイス」を思い浮かべると分かりやすいのですが、たとえば前者はA「春の小川はサラサラいくよ」、A´「岸のすみれやレンゲの花に」、B「姿やさしく色美しく」、A´「咲けよ咲けよとささやきながら」の4つの部分から成っています。AとA´はほとんど同じメロディーで最後の音が違うだけです。Bで全く違うメロディーを持ってきて最後は2段目と全く同じA´となる。

この、A+A´+B+A´という構造は作曲の基本中の基本であり、「エーデルワイス」も全く同じ構造で作られています。ベートーヴェンの「喜びの歌」も同じ構造です。この原則を守っていれば、みなさんだって一定程度の曲を作ることができます。ちょっと作曲してみましょうか?

♪ソラソソ ソラソソ ソラソソ ソー(A)

♪ソラソソ ソラソソ ソラソソ ドー(A´)

♪シシシラ ソソソソ ミファミファ ソー(B)

♪ソラソソ ソラソソ ソラソソ ドー(A´)

どう?けっこうイケル曲でしょう(笑)

ところが湯山先生は、この大原則を全く無視して、次から次へと新しいメロディーを並べたてて、長大な1フレーズで1番をまとめています。AA´BA´の4フレーズなら、フレーズが変わるたびに何となく一息つくことのできる安心感がありますが、「うなぎの子守唄」のように常に新しいメロディーに突っ込んでいく構造は、歌い方もどんどん新しいものにしていく必要があり、そのために常に新しい世界に飛び込む緊張感があり(ダラダラと歌うことならカンタンです)、それが聴く人には新鮮な心地よさを感じさせます。だから、このフレーズを歌い切ることは容易なことではないのです(ダラダラと歌うだけならカンタンです)。

音は既につかんでいる子が多いのでハーモニーはよく響きます。3番までキチンと歌い通しましたが、発声練習を含めたこの練習は「長大なフレーズを歌い切る」という点をポイントとしておりました。

後半は「みかんの花はかおり」です。この曲が「駿河のうた」の中では一番練習が少ないと思うので、音取りを含めて、「今聴いた音を1分以内なら完全に再現する」力を高めるように練習しました。

途中、男声の子二人を別室に呼んで、ボーイソプラノやボーイアルトからテノールやバリトンに変声する時の声の出し方について指導をしました。その間、女声のメンバーは「うなぎの子守唄」の長大なソロの練習をしてもらいました。このソロは「空と樹海と湖と」の大きいソロよりもエネルギーが必要で、少年少女合唱がカバーできるエネルギーの限界ギリギリに到達しています。CDをかけながら歌ってみると分かるでしょう。カッコ良いこと、この上もありませんが、それだけに大変なパートですね。嶋田先生だったら絶対に断りますが、誰かに歌ってもらわなくてはなりません。まだまだレベルアップする必要があります。個人的にもチーム全体を考えても…。

それだけ湯山先生の音楽の世界はビッグで、追いかけても追いかけてもやってもやっても追いつけない「虹」のような世界があります。

来週も頑張りましょう。「空」のみなさんの鋭意努力を期待します。

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