SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


作りたかった愛唱曲集。3年越しで、ついに完成。

今日は練習会場に早く行きたくて行きたくて自転車に乗っていました。実は24日から26日まで入院していて(大腸ポリープの摘出手術です)、その間けっこう合唱の勉強ができました。楽譜を見て音源を聴き、音取り音源をコンピュータで作ることもできました。

先週、浜田先生から「3月11日には何を歌うのですか?」と質問を受け、その時点では全く何も考えておらず、何の返答もできなかった嶋田先生は、自分の計画性の無さを痛感しました。「まだ1ヶ月以上ある」という嶋田先生の感覚は間違っており、「練習はあと5回しかない」という浜田先生の感覚が正常です。

で、入院する前に候補となる曲が載っている曲集を集めて病院に持って行き、最終確認をして以下のような選曲をしました。

①エーデルワイス

②ビリーブ

③花は咲く

④禁じられた遊び

⑤空がこんなに青いとは

⑥未知という名の船に乗り

この選曲は実は3年ほど前から温めていたもので、大高イオンでのコンサート(3月11日)や昨年末に行われたセントレアでのコンサートなどで「いつでもどこでも歌える曲」を定着させたいと思っていました。たとえば大高イオンで、湯山先生の「駿河のうた」を歌っても、その曲を知っているお客さんは一人もいないと考えなくてはならず、ゆえに足を止めて聴いてくれる人も期待できません。

そういう時には誰でも「あっ、どこかで聴いたことがある」と思える曲を歌うことが肝要です。

そして、この選曲で大切にしたことは、第一に合唱の力を養うことができる要素があるかということで、この6曲で培われる合唱の基礎基本は莫大なものがあり、絶対的なオススメです。

第二には、メロディーだけを歌っても聴いて楽しんでいただける…という点で、これは今、受験に苦しんでいる中学3年生や高校3年生が、3月11日の当日だけに来てくれたとしても歌ってもらえる曲だということです。いちおうハーモニーもさらっておきますが、当日に斉唱で歌うことを決めたとしても何ら差支えのない魅力的なメロディーです。

だから今日は、みんながどのように歌ってくれるのか、楽しみで楽しみで自転車をこいでいた…というわけです。

以下、今日の練習で確認したポイントを記しておきます。

①エーデルワイス

おなじみの「サウンド・オブ・ミュージック」からの佳曲です。斉唱のメロディーだけでも十分に楽しんで聴いていただくことができます。ですが楽譜通りのハーモニーを確認しました。

できることならば、1番と2番を歌った後、楽譜に記されているオリジナルの英語の歌詞を歌いたいと思っていますが、それは今後の練習次第です。柔軟に考えます。

②ビリーブ

NHKの「生きもの地球紀行」で歌われたテーマソングです。これも前半のハーモニーを省略して、「今、未来の扉を開ける時…」からハーモニーにするという方法があることを伝えた上で、全部のハーモニーを確認しました。これも今後の練習次第で柔軟に考えます。

③花は咲く

東日本大震災復興のテーマソングとして有名です。これも最初から最後までメロディーのみで押し通すことができます。

冒頭から13小節目までのソプラノのハーモニーはカットして、メロディーのみとします。2ページ目の「今はただ懐かしい あの人を思い出す」もメロディーのみとします。

4ページ目の2段目から3段目2小節目までもメロディーのみ。これは決定です。

2ページ目の「誰かの思いが見える」「笑顔が見える」「未来が見える」の「が見える」が「ガミエル」と聞こえないように歌いましょう。

④禁じられた遊び

1952年のフランス映画の大傑作で、ナルシソ・イエペスのギター演奏が有名です。名曲中の名曲ですね。入院中に見ましたが、YOUTUBEでイエペス自身が弾いた映像がたくさんありますから、ぜひ一度見ると良いと思います。

これもメロディーだけで十分ですが、ハーモニーも練習しました。

⑤空がこんなに青いとは

1970年(昭和45年)のNHK学校音楽コンクールの課題曲です。実は嶋田先生が生まれて初めて合唱部に入って「合唱」というものを経験したのがこの曲で、先生に初めてもらった楽譜は今も手元に残っており、小学生だった嶋田が書き込んだエンピツ書きのメモが読み取れます。

合唱団「空」の「空」は、実は「空がこんなに青いとは」の「空」から名付けられたものであり、合唱団「空」のルーツとなった曲です。が、なぜか今まで、この曲を「空」の子が歌ったことは一度もなく、合唱団「空」が「空がこんなに青いとは」を初めて歌った記念すべき時間となりました。

歴史あるNHK学校音楽コンクール課題曲の中でも、屈指の名曲と評価のされている曲です。

⑥未知という名の船に乗り

この曲もNHK学校音楽コンクールの課題曲で、後世に歌い継がれるべき名曲です。ビートの効いたリズムが当時としては画期的なものでしたが、今でも生き生きと歌うことのできる魅力を持っています。

これらの曲を一通り通すのに1時間30分ですから、たいしたものですね。もちろん今日は歌い飛ばしただけですから、次回からはもう少し入念に表現を整えましょう。

後半は、もう1曲。「人間とは何か」というエストニアの曲です。

3月25日(土)の通常練習に、アンツ・ソーツ先生をお招きしたいと思います。ソーツ先生については、ここに記すと膨大な記述になるので、知りたい人はネットで調べてください。エストニアの合唱を支えた世界的な名指揮者です。

ソーツ先生をお招きすることができたとして、そこで「空がこんなに青いとは」とか「駿河のうた」を聴いていただいても意味はありません。やはりエストニアの曲でなければ…。

と言うことで選んだ曲が「人間とは何か」。これは無伴奏のアカペラです。楽譜と同時に音取り用の音源CDも配付しました。

後半の1時間弱で一通り歌うことができました。それぞれのパートの音は、それほどムズカシクありません。湯山先生の曲と比べても、むしろカンタンだと思います。しかし、ハーモニーを作るとなるとムズカシイ。みんなの「合唱力」を高めるためにも、うってつけの曲です。21小節目など、♭シと♭ラと♮ソがぶつかり、そこにアルトが♭ミで支えるという、およそ日本では考えられない密集和音が出てきます。

一人一人が自分を確立していればカンタンな音ですが、自立しないで人を頼ってばかりいる子には歌えない部分です。絶対にこれをクリアしなくてはなりません。全員にクリアさせて見せるぞ…と思っています。

歌詞の意味は楽譜の中に書き込んでおきました。音源CDを聴くことと合わせて、みなさんなりのイメージが広がることを願っています。

この「人間とは何か」を含めて、3月11日の大高イオンを乗り切りたいと思います。2月いっぱい湯山先生の曲とは離れて、この7曲で「合唱の基本」を徹底的に叩き込みたいと思っています。と同時に、それは練習の場でのことであって、直前に入団した新入団員や久しぶりに来てくれた受験組のメンバーでも参加できるように、本番の音を組み立てていきます。

最後に、入院中の選曲で楽譜の印刷を行動に移すことができない嶋田先生をフォローし、楽譜とCDを間に合わせてくださった城野ファミリーに、心から感謝を申し上げます。

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