SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


湯山先生練習日
「とても良く歌えています」・・・でも、油断はするな!

前日とは場所を変えてフィオリーレでの練習です。湯山先生をお迎えするような重要な練習の時に,合唱団「空」が使う場所です。なぜ重要な時に使うかというと,響きが素晴らしいからです。

結論を先に記すと,今回は湯山先生から修正するのに時間がかかるような深刻な指摘はありませんでした。「うん,とても良く練習してありますね」「とても良く歌えています」と,いっぱい誉めてくださいました。

特に「四国の子ども歌」は絶賛で,「今の段階で(9月の段階で)これだけ歌えれば,先が楽しみです」とまで言ってくださいました。「名旋律集」についても同様です。

実際に,「空」のみんなは大健闘だったと思います。よく歌えていました。声は前に出ていて積極的な感じだったし,ハーモニーも良く響いていました。

これは,みんなの健闘があったことが第1の理由ですが,フィオリーレというホールの響きの良さが,みんなの声の響きとハーモニーを助長してくれたことが第2の理由です。

「みんなの力が足りない」とか「良くなかった」という意味ではありませんよ。みんなの歌声は素晴らしかったです。よく頑張りました。でも,もし湯山先生との練習がぜんぜん音の響かないダメダメホールであったなら,みんなはもっと歌いにくかったでしょうし,湯山先生もみんなの良さを発見するのに苦労したことと思います。

ひとつの証拠として,「葡萄と風と赤とんぼ」を挙げておきます。湯山先生は「どの部分も,みんな  mf  (メゾフォルテ)になっています。もっと  p  はピアノに。そして  f  は思い切ってフォルテにしてください。」と繰り返されました。冒頭の「みどり小さい粒でした」は,こんなにピアノで歌ってもいいの?と思うほど,思いっきりのピアノを要求されました。

これは,フィオリーレというホールのおかげで,みんなの声が良く響き,鳴っていたからに他なりません。

あの表現を,本番の広いウイルホール(800席)でやったらどうなるか。後ろのお客様まで声が届くかな…?

もちろん届きますよ。嶋田先生がフェールマミのグランドピアノでよくやる,あのピアノの弦を声で鳴らす響きの訓練。1人で,ピアノから3メートル離れて,トライアングルくらいの響きでピアノを鳴らせるようになり(嶋田先生は無理だ。できない),そんな人が20人くらい集まって思いっきりピアニッシモで歌ったら,ものすごく声は小さいのだけれどもメチャクチャよく聞こえるはずです。それは究極,可能です。

可能ですが,今の「空」がそこまでのレベルであるとは,とうてい言えません。そんなの無理です。一流の声楽家でも難しいでしょう。

しかし,逆に言えば,湯山先生がみんなの声を聴いて(そんなレベルの,そんな表現に近づくかも知れない)と思ってくださったのなら,それはすごく光栄なことです。「空」にはそのレベルになる可能性があるということですから。

まあ,とにかく,嶋田先生が言いたいことをカンタンに書けば「油断をするな」ということです。フィオリーレでできたことが,オンボロホールでもできるのなら良いのですけれども,最高のホールで歌ったのですからね。誉めていただいて結果,油断をしていてはダメだよ…ということです。まだまだ,みんなは上手になる。

 

もうひとつ,大きな成果がありました。それは,冒頭「みどり小さい粒でした やがて葡萄になりました」を思いっきりピアノで歌うと,曲の感じが全く違ったものになることが分かったということです。ああ,「葡萄と風と赤とんぼ」という曲は,こんな歌なのか…と,新しい発見をした人は,嶋田先生だけではありますまい。多くの子が同じ気持ちだったことと思います。

湯山先生のご指導で,合唱団「空」の新しい表現が生まれた瞬間でした。

 

湯山先生の次回の練習は10月。どんな練習になるか,今から楽しみです。

 

おっと,大事なことを書き忘れるところでした。

湯山先生から最新作の楽譜をいただきました。「さかみちのてじな」と「ちっちゃな手」の2曲です。東京・久我山のご自宅のコピー機で,合唱団「空」のみんなのために,作曲者自らがコピーしてきてくださった楽譜です。みなさん,大切にしてくださいね。

プログラムには載せませんが,定期演奏会の本番で,お客様へのサプライズとして,この曲を歌って紹介することになると思います。

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