SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


聴いてイメージされる世界と
作詩者が意図した世界とが遊離する「雲」
全員に共通理解してほしい内容です

今日は、4月3日(日)のコンサートの楽譜所持確認と練習を行いました。楽譜所持確認というのは、ようするに「湯山昭童謡集」(第19回定期演奏会で使ったもの)とセントレアコンサートで使った童謡集(印刷した楽譜)と老人ホームコンサートで使った唱歌があれば良いのですが、かく言う嶋田先生も老人ホームコンサート以外の2冊が見つからず、探しているところです。
楽譜がなかったら、あるいはもらっていなかったら、絶対に「ありません」と言ってください。コピーすれば済むことですし、必要があれば発注・注文をかけます。とにかく、無いという状態を先送りしてはいけません。

まず、このコンサートの概要です。

名古屋瑞竜工芸技術保存振興会 橘町観桜会
4月3日(日)11時~
七面山 妙善寺   中区 橘 本町通り
「空」の出番は、11時10分からの40分です。

嶋田先生としては、仮に次週3月26日に新入団員があったとしても、その子にも参加出演を勧めます。楽譜は持ちたければ持って良いし、必要があれば持つべきです。あれやこれや考えるよりも、まずは「やってみる」「行動する」ことが大切です。いわば「攻めの姿勢」ですね。やめること、何もしないことは、非常に簡単ですが、そこからは何も生まれません。最近のOBを含めて、鋭意参加をお願いします。

「楽譜がない」という子に楽譜を配り、練習を開始。と言っても、各曲を1回ずつ通しただけです。曲目は

【前半】
地球はひまわり
地球はメリーゴーランド
サスケとともだち
おはよう太陽
あめふりくまのこ
ヘイ!タンブリン
ゆきってながぐつすきだって
あひるのスリッパ

【後半】
富士山
春の小川
茶つみ
おぼろ月夜
ふるさと

このほかに、5月23日(火)のサミットコンサートの「陽は昇る」を練習しました。

後半は、湯山先生の「かもめの歌」の中から「雲」を練習しました。第11回定期演奏会で歌って以来、「空」では取り上げていませんから、全員が初見の曲です。
この曲は、CDの音を聴いてイメージできるであろう世界と、作詩者が意図した世界とが最も遊離(かけはなれている)したものになると予想していましたから、主旋律を取る最初の段階から詩の意味を説明しました。
全員に共通理解してほしい内容なので、欠席者のためにも、今日は説明できなかったことまで、全てを記しておきたいと思います。

結論を最初に記しますと、この曲は戦争の歌です。作詩の神保光太郎は南方戦線に出て、実際に従軍した人で、生き残って帰国した後、多くの反戦詩を書いています。
冒頭の「おばけのようですね」は、敵兵の銃弾で頭をこなごなに砕かれて倒れた兵隊だと思ってください。「水牛の角」は、命を奪われた兵隊が怒り狂って変身した「鬼の角」です。ワニに化けて怒りに歯をむき出す兵隊もいます。虎の姿になった兵隊は、ギラギラした目で生き残った神保光太郎の方を見つめています。
ですから、この曲は冒頭から、できるだけ汚く、いやらしく、暗く、絶望的な、乱暴で荒々しい声で表現しなくてはなりません。音程よりもまず、そのことを要求しました。
「むくむく」とは、お化けや水牛やワニや虎の姿になって帰ってきた兵隊の姿、つまり雲が沸き上がってくる音なのですが、次の「ああ」は神保光太郎の叫びです。「わかった、俺が悪かった。一人だけ生き残った俺が悪かった。だが、俺を責めないでくれ、俺も皆と一緒に死にたかったんだ。」という叫び。
そして「子獅子や親獅子も後からやってきます」とは、神保が敵兵に向かって撃った流れ弾にあたって死んだ南海の島の原住民の母と子の亡霊です。
それらが、みんなひしめき合って、一人だけ生き残った神保光太郎を見つめながら、大空の一角に気味の悪い咆哮(叫び声)をあげているのです。
こういうことを説明して、すぐにそれなりの歌い方をしようとしてくれる「空」の子は、本当にすごいと思います。
ここから先は、まだ説明していません。ですが、読んでくださったメンバーは共通理解してください。そして、イメージを膨らませておいてくれれば、とっても嬉しいです。
終結部「そこを今」とは、記してきたような亡霊や妖怪になって作詩者に迫ってきた、戦死した兵隊たちの亡霊です。その亡霊が、まさに神保光太郎を飲み込もうとした時、何が起こるのでしょう。
そこを今、神のような虹がかかり、おお見てください。亡霊となっていた兵隊たちが皆、天国へ通じる虹の架け橋を昇っていくではありませんか。
この終結部、まだ何も練習していませんが、イメージだけは掴んでおいてください。どんな声で歌えば良いですか?
憎しみも怒りも、恨みも悲しみも超越した「神の虹」が、全てを救済して天国へ導く情景です。思い切り温かく、慈しみ深く、絶対に戦争を起こしてはならないという祈りをもって歌い上げようではありませんか。

(1) 今日の練習は楽しかったですか?   3・6ポイント
(2) 今日、「自分は上手になった」と思ったり「すこし進歩した」と感じたりしたことがありましたか?   3・4ポイント

もう少し「進歩した」ポイントが低いと予想していました。暗く、絶望的な話を多く要求したからです。予想に反してポイントが高かったことは、「空」の子の詩に対する関心が高く、CDを聴いて想像していた世界とは違うイメージを得ることができたことに対する評価だったのではないか…と分析しています。

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