SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ピアノの弦というものは、良く響く声にしか反応しない
ピアノを共鳴させることができればそれは理想的な声

先週の、セントレア空港クリスマスコンサートはご苦労様でした。団員23名に多くの母親団員が加わり、ステージに乗り切れないほど。親子で同じステージに立つって良いですね。「きよしこの夜」は快心の演奏。湯山先生の童謡も、出色の出来であったと思います。
多くの父母会の方々に支援していただきました。この場をお借りして、感謝申し上げます。

さて、多くの成果があった2015年の最後の練習は、フェールマミです。ここはグランドピアノがありますから、発声方法を分かりやすく指導するのに適しています。で、浜田先生からピアノを奪い取り、一人一人に声を出させて発声のポイントについて指示を出していきました。
声というものは物理的に言えば「空気の振動」ですから、その振動は糸電話の紙や小太鼓の皮、そしてピアノの弦など様々な物に伝わり、振動を共鳴させます。分かりやすく言えば、誰かが出した声が聞こえるのは、私たちの耳の鼓膜を振動させるからであって、声は必ず何かを震わせるわけです。
ピアノの弦というものは、大変に意地が悪く、良く響く声にしか反応してくれません。声を出してピアノを共鳴させることができれば、その声は理想的な声…ということが言えます。
このトレーニングは、いわば嶋田先生の特許ともいうべきもので、そのノウハウと効果をこうして文章に記すことは不可能に近いものがあります。詳細が知りたい人は、次回に合唱団「空」がフェールマミで練習をする時に見学に来てください。
集まったメンバーは全員が、わずかではありますがピアノを共鳴させることができました。自信をもって良いですよ。そして、何よりも大事なことは、「もっと鳴らしたい」と思うことです。みなさんの力は、これで終わりということがなく、伸びようと思えばどこまででも伸びます。みなさんの力を伸ばすために、先生は一生懸命にサポートします。
今後もフェールマミが使える時には、このトレーニングをやろうと思っています。

曲の練習は「葡萄と風と赤とんぼ」を使いました。この曲は名曲です。最初にユニゾン、次に2部合唱、そして3部合唱へと発展していきます。その最初のユニゾンを、一人一人がキッチリと歌うことが求められます。これは非常に有効な練習です。なぜかというと、このメロディーをキッチリとパーフェクトに歌うことは嶋田先生も自信がない。ハ長調の基本的な旋律なのですが、だからかえって正確に歌うことは難しいのであり、だから非常に有効な練習になるのです。
一人一人に歌ってもらって音程を確認します。準指導者のお姉さん2人を除いて、全員が所見(生まれて初めて見る楽譜)なのですが、けっこう正確に歌える子が多く、非常に嬉しく思いました。
2番の歌詞で2部合唱になります。ここはいつものとおり、全員に下のパートを歌ってもらい、ハーモニーを作っていきます。
今、この時期は、何でもできる力をもつ子を育てることが主眼です。ソプラノだってアルトだって何でもできる。そういう子が1番向いているであろうというパートを選ぶのです。ソプラノしかできない、アルトしかできないなんて言っていてはダメです。そういう意味では、非常に効率的な練習ができたことを報告しておきます。今日、練習に来てくれた子は、得をしました。
残り時間は30分。「葡萄と風と赤とんぼ」の3番に進もうかな…と迷いましたが止めました。3番は先に述べたように3部合唱で、部分的に4部に分かれる箇所も多く、面白くなくなると判断したからです。
で、かわりは「四国の子ども歌」です。これを早口言葉の要領で、ゲーム感覚としてドンドン歌いました。1曲目と5曲目です。音程はどうでも良い、歌詞とリズムを正確に歌うことだけを要求して、バリバリ歌いました。
結果は、主旋律だけとはいえ、音程も含めて歌詞もリズムも正確で、この2つの難曲の骨格をとらえることができたと思います。このように音楽の骨格をとらえてCDを聴くと、理解も早くなります。

1年の最後に楽しい時間を過ごすことができました。
また、今年1年を支えてくださった全ての方々に、深く感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
みなさま、よい年をお迎えください。

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