SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ドから♯ソを取る。「増5度」と言って、最高難度です
それが今の「空」の子はできる!しかも易々と!!

「12月20日はお母さんたちも歌いましょう」という連絡が回り、朝イチから5名の母親団員(?)が参加。なごやかな雰囲気で練習がスタートしました。
「童謡」の楽譜を持っていないので少し不自由そうです。本番は、お母さんたちに楽譜を貸してあげることのできる子がいるといいなあ。

さて、「童謡」は問題ありません。楽しく気楽に歌いましょう。一瞬、「あひるのスリッパ」で、楽譜どおりに歌った後、半音上げてもう1回繰り返そうかな…と思い、ピアノの伴奏を確認し、浜田先生にも「半音上げて弾くことはできますか?」と聞いてみました。ホ長調がヘ長調に変わるわけで、コーラスの方は全く問題ありませんが、ピアノ伴奏ということになると話はゼンゼン違います。アイデアは良いのですが、無理をしないで止めることにしました。

嶋田先生はリコーダー奏者でもありますので(仙台、東京、豊田で、東海メールクワイアーのリコーダー伴奏を務めています)証言できますが、半音上げたり下げたりしてリコーダーを演奏することは、小学校3年生の教科書に載っている曲でも容易なことではありません。ピアノは楽器としての構造上、リコーダーほど難しくはありませんが、それでも大変です。
こういうことが最も簡単にできる楽器は何だと思いますか?それは、人間の声です。覚えている曲であれば、誰にだって1秒の練習も必要なく歌えてしまいます。

というわけで、「あひるのスリッパ」は止めましたが、「きよしこの夜」は半音上げて歌うことにしました。そのかわり、伴奏は無しにします。もともとこの曲は、教会のパイプオルガンが壊れて使えなくなったために、人間の声のハーモニーでパイプオルガンの代わりにしようと作られた曲なので、無伴奏で歌うことが前提となっています。
ハ長調を嬰(えい)ハ長調にしますが、全く問題なく、最高音の「ヘブンリーピース」も良く響きます。
ハモる部分は2か所だけにしました。「ヘブンリーピース」という歌詞が2回出てきますが、2回とも最後をドとミでハモります。その2か所だけ。
問題は、伴奏の助け無しで、ハ長調から嬰ハ長調に転調することができるかどうかです。
楽器は人間と違って、ある楽曲を自在に転調することは苦手ですが、ある音を正確に出すことはメッチャクチャ得意です。
逆に人間は、ある楽曲を自在に転調することは得意ですが、特定のある音を正確に出すことには不安が残り、ある程度の練習が必要となります。この場合、ドとミでハモっておいて、そこから♯ソ(♭ラ)を正確に出して、2回目の「サーイレント ナイト」を歌い出すことになります。

ドから♯ソを取る。これは「増5度」と言って、そう簡単にできることではありません。ドの音を聞いてミを出す、あるいはドの音を聞いてソを出すといった訓練は、嶋田先生が最も重視するものです。で、ミやソならわりあい簡単にできますけれども、♯ファや♯ソを出すということは最高難度の部類です。
「きよしこの夜」を伴奏で歌うか、無伴奏でいくか、あるいはハ長調で1回だけ歌うか半音上げて2回歌うか、この問題を時間をかけて考えてきたのは、まさにこの問題があったからです。ピアノ伴奏は無しで決めました。残る問題は、半音上げて歌えるかどうかです。

長々と書きましたけれども、この問題は1分間で解決しました。できるんです。今の「空」の子は。できるんですよ、しかも易々と。念のために何回か同じことを繰り返しました。ドとミの音で「ヘブンリー ピース」と終結させて、♯ソで「サイレントナイト」を歌い出すことを。何度やっても完璧にできました。
これは、かなり驚きでした。予想外と言っても良い。この日の練習の最大の収穫でした。

入団を検討中でこのホームページを見てくださっている皆様。合唱団「空」は入団試験も入団資格もありません。ただ一つ、音楽が好きだっていう子の集まりです。でも、やる気と集中力で、上記のような力を育てつつあり、さらに次の目標を目指しています。ぜひ、お子様を合唱団「空」へ!!!

後半は、「鮎の歌」から「わさび田」の続きです。結果を記しますと、3つのパートを全員が、最初から最後まで歌うことに成功しました。それも一度や二度ではありません。全員が全てのパートを歌うことができる合唱団。全てを知っていて希望するパートを決めることができる合唱団。「空」はそのような合唱団になりつつあります。

この日も充実した練習をすることができました。先生の学校でもそうですが、冬休みの部活動の試合を控えている人たちも多いことと思います。健闘を祈ります。がんばってください。
では、また来週。

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